Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

忘れに忘れ、すっかり忘れてました。よし、やりましょう。今やりましょう。


イカロス
アルバムの中でも一際、実験色の濃い楽曲です。去年の二枚のシングル、BANZAIARIGATOもかなり変わった曲構成でしたけど、ここまで豪快に、そして頻繁にリズムチェンジする楽曲はないですな。
ドラムの音から始まる、イントロは非常に王道的なバラードの雰囲気が漂ってます。まぁ、バラードといってもRINGみたいに綺麗な感じの曲とか、GOLDみたいに壮大な感じの曲ではなくて、いかにもアルバム向けな素朴な感じの奴ですね。個人的にはThinking of youあたりのイメージでしょうか。
憂いを帯びたメロディにのせて、稲葉さんがブルーな歌詞を悩ましげに歌い上げます。このAメロは歌詞メロディともに、赤い河を個人的に彷彿とさせるのですがいかがでしょう?もっとも、あれはバラードじゃないのですが、メロディとか、稲葉さんの歌い方が似てる気がします。
しかし、この物憂げなバラードの佇まいは、サビで一気に姿を変えてしまいます。「せっかくのバラードだったのに・・・」と惜しむ暇もありません。別の何かが迫ってくるようなドラムの音に導かれて、何かが吹っ切れたようなサビが押し寄せてきます。実際、キレてしまっているんでしょうね、曲の中で。この際、この時の曲変化がThe BeatlesのI ME MINEに似てるということは置いておきましょう。
「とんでみせろ」と自分に向けて命令しているのが非常に面白い。そして、ボーカルの後には、近年では珍しい後追いコーラス。差し詰め、こちらHELP!でしょうか。それはちょっと強引に過ぎますね。何度も繰り返し自分に向けられた声、という意味ではSanctuaryで聞こえてくる声と同じものなのかもしれません。
ただ、Sancturayは自ら全てを投げ出す勇気なのに対して、こちらは、「もうどうしようもないし、アテもないけど、とりあえずやってやろうじゃないか」という開き直りというか無謀さみたいなものが垣間見られるのも確かです。まぁ、タイトルがそもそも、蝋で固めた羽で飛ぼうとしたイカロスですから、無謀な歌詞というのは当たり前なのですが。そうせざるをえなかった主人公の悲哀みたいなものを裏に感じ取ってあげましょう。
ただし、イカロスと同じように飛ぶのに夢中になりすぎて、太陽に近づきすぎたなんてことにならなければよいのですが。何となく、エンディングの寂しげな感じがそういうバッドエンドになってしまったのではないか、という不安を煽り立てますね。


まぁ、この辺で終わりにしておきましょう。実はとりたてて、思い入れのある曲ではない(笑)構成は奇抜だけど、そんなに繰り返し聞いてはいない気がします。もし、ライブでやったら、また印象も変わってくるかもしれません。あと、2曲。次はいよいよ黒白ですか。(id:ZO353:19860830)