Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

BLACK AND WHITE
THE CIRCLEの中でもっともヘビーな一曲。そのヘビーさから、想像するものはやはりTMGのRED, WHITE AND BULLET BLUESなんですけど、実はこの曲はBIG MACHINE時のデッドストックで、こちらの方が先にできていたそうです。これを聞けば、いかにBIG MACHINEというアルバムはB’zという機械をセーブして作られた作品だったのかということが分かるでしょう。
そういうわけで、ここではドラムにブライアン・ティッシーが登場。彼のドラムが曲のヘビーさに一役も二役も買っているのは言うまでもないことです。
最初の「Ah〜ah〜ah」という叫び声が、なんともエスニックな感じでかなりかっこいいです。この声で、リスナーは再び冒頭のエスニックな雰囲気に引き戻されるわけですね。これぞまさしく輪廻。
ボーカルがいつになく、ねちっこいです。GO★FIGHT★WINもかなりねちっこかったけど、後ろのギターの音もあいまって、もっとねちっこいです。稲葉さんのこういう歌い方は時に艶かしさも匂わすのですが、ここまでしつこいくらい、ねちっこいとやたら嫌味っぽく聞こえてきますね。実際、こういう曲では歌詞も嫌味ったらしいのが多いです。
コブシヲニギレなんかが良い例でしょうか。あの曲も歌詞共々相当しつこくねちっこいですよね。こちらでは、Aメロから誰に腹を立てているのか「つかまえてごらんよ」「知りたいんだろ」と、挑発に近い形で歌詞が進んでいって、Bメロで「それは時として不幸」とばっさり。疑問形で投げかけて、最後にばっさり相手を切り捨てる。口論の基本ですね。
そして「」で括られたサビ。相手方の主張ですね。二者択一、all or nothing。非常にはっきりした物事を好むのが相手みたいです。二番で分かりますが、相手は正義感の持ち主でもあり、はっきりと物事を分けることで全部上手くまとめようとする人みたいですね。
それは、悪いことじゃないけれど、行き過ぎればただの杓子定規な人。そこに欠けるのは差し詰め、想像力、臨機応変さといったものでしょう。
ところで、口喧嘩をしたことがある人なら分かると思いますが、喧嘩では言葉がなかなか通じないことが多々あります。向こうが、妥協というものを知らず、己の正しさのみをひたすらに信じている場合には、こちらの言葉というのは届かないものです。何せ、向こうが文字通り聞く耳を持たないわけですから。
この曲でも相手はそういう人のようで、最後のサビの一行には主人公による憐れみの念すらこもってます。「勝手に言ってろよ」といった感じでしょうかね。
二番のサビが終わると、主人公は相手からふと、目をそらして、リスナーに向かって「アナタハナニイロ?」と問いかけてきます。ひたすら正義を求める白か、その真逆である黒か、はたまた清濁併せ持つ灰色か。
そこで、ギターソロがくるわけですが、これまた混沌という形容が相応しいようなギターソロ。慣れてしまうと妙に癖になって、頭から離れないギターソロでもあるわけです。
再び、相手の主張が一言一句違えずに繰り返されて、主人公から出た言葉はもはや諦めといった感じが強い。「永遠に続く憂いの理由は 自分自身だと最期まで気づかないまま」簡単に言ってしまえば「馬鹿は死ぬまで治らないな」とのこと。
向こうに根負けした形で、議論放棄。最後の言葉を放った気分は、さぞかしガリレオの気分に近かったでしょうね。最後の怒りの咆哮めいたものをあげて、曲が終了。
個人的に久々にヘビーで、歌詞も面白いし、シャウトもあるしで好きな楽曲です。特に「空に穴をあけるのは〜」の一節が好き。そりゃ、そんなこと考えてたら眠くもなりますわな。


ついにあと一曲となりました。長かったなぁ・・・。(id:ZO353:19860830)