Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

OCEAN

OCEAN

OCEAN

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ドラマ海猿主題歌としてもう既にお馴染みの楽曲。第一印象としては非常に丹念に作り上げられたバラードだなぁという感じでしょうか。ドラマのイメージ、そして今までB’zが築き上げてきたバラード像を崩さぬよう丁寧に作りこみました、という、まぁ簡単に言えば「狙いました」感のするバラード。
B’zの過去の作品で言えばGOLDあたりが近いでしょうか。でも今回は、久々のドラマタイアップということで、GOLD以上にB’z特有のアクの強さを引っ込めてます。そういった意味じゃ物足りない曲かもしれませんね。でも、個人的には久々の王道バラードということでかなりヒットです。バラードシングルとしてもARIGATO、RINGには及ばないけど、GOLD並、今夜月の見える丘に、Mayよりは好きという感じ。
まずはイントロから。アコギとピアノ、ストリングスの絡まった非常に涼やかで綺麗なイントロ。松本さんソロ楽曲のゼロよりゼロからに似てるかもしれませんね、この爽やかさ。そこからピアノ一本になり、Aメロへ。ピアノだけなのかな、とずっと思ってたのですが、珍しくストリングスもAメロに絡まってるのが意外。稲葉さんのボーカルもいつになく弱め。ここはもう少し、力強く歌っても良いんじゃないかなと思うんですけど、今回は特に聞き安さにこだわったんでしょうね。
Bメロ。ここはいかにもB’zらしくきちんと主張するメロディ。GOLDもそうだけど、B’zのバラードってBメロが秀逸なものが多い気がします。いや、他のメロディが悪いというわけじゃないんですけどね。このBメロでかなり曲に惹きつけられたのは確かです。
サビが、多分一番考えたんだろうなぁ、という気がするのは僕だけでしょうか。いつものB’zはサビ頭に強い音が来て、いわゆるドラマチックな構成を作るんですけど、今回は「Baby」のコーラスが入ることで、「果てない想いを♪」の部分がかなり抑えられてる(ように感じます)。ドラマで流れても、ラジオで聞いても、店頭で流れても、違和感無く入るように出来てるんですね。逆にいつもここでガツンときてるB’zファンにはやや物足りない結果になるわけですな。バンドの音もどちらかといえば控えめな部類ですしね。
かわりに稲葉さんがボーカルで頑張ってる。「はな〜さない♪」「待って〜るのは♪」の伸ばす部分で高音に伸びるんじゃなくて倍音をかすかに含ませて太くしてるのが、サビに迫力を持たせてる。この倍音含みの声、実は大好きなんです。倍音シャウトはさして好きじゃないけど、歌ってる時に混じると物凄くカッコいい。だってライブっぽいじゃないですか。
ギターソロは最初大らかで、いかにもゆったりとした海のイメージの音からサビメロのソロへ。単純にサビメロにしなかったのはいいけど、もうちょい主張してもよかったかな。ROOTSくらいのソロだったら物凄いバラードだった。
個人的には二番のほうが好み。稲葉さんの歌詞のはめ方も歌詞そのものも二番の方が好き。一番はちょっと普通すぎてつかみ所がない。あと、二番からコーラスが入りますよね。サビの部分の英語コーラスは久しぶり。歌詞と発音から判断するに「Always be with you」かな、このコーラスは。
お決まりのバラードだけど最後だけはちょいと斬新な試みで、大田さんと綺麗な「Ah〜ah〜ah」というハモりのコーラスがサビ終わりに重なってくる。バラードでコーラスがこんな感じで重なってくるのというとfarewell song以来かな。なんとなく波が引いては寄せる風景を連想させるコーラスです。
最後はBrotherhoodを思わせるギターのエンディングにストリングスが絡まっておしまい。個人的にはここはコーラスでピタッと止めた方がかっこいいんじゃないかなという気がするのですけどね。
曲への評価はかなり良いです。これをバラード出しまくってた2000〜2001年に聞いてたら、普通のバラードの烙印押してたでしょうけど、Everlasting以降王道バラードをアルバムですら封じてた今だから、OK。
で、気になる点はストリングスがSHINOZAKI STRINGSでもHIRO STRINGSでもないこと。確実に良い仕事をしているはずの池田さんのクレジットがない事。ピアノのクレジットがない事。特にピアノ。これ生です・・・・よね?小野寺さんか、増田さんどっちかが弾いたはずだと思うんですけど。松本さんが自ら弾いたのかなぁ・・・?


なりふりかまわず抱きしめて
B’zらしい日本語タイトルのこの曲は朝日新聞サッカー応援CM。サビがきちんと使われている上に、映像が曲にマッチしたカッコいいCMというのはB’zでは久々にみた気がします。
サビを聞いただけでもB’zらしい切れのあるロックナンバーであるということは分かるのですが、全体を通しても期待を裏切りません。全体の印象は歌詞と共にguiltyに近い印象を受けるんですけど、サビの迫力が半端じゃないです。
AEROSMITHのTheme From Spider-Manのイントロに似たリフに導かれて現れるは、どこか危険な香りのする静かなAメロ。試聴した時はここがBメロかな、と思ってたんですけど。
そして、ちょっと輝く運命はその手の中にを思い出させるBメロで、思いっきりタメこんで、怒涛のサビへなだれ込む展開。これぞB’z。OCEANが静かだっただけに余計に際立つ構成です。バンドの演奏もボーカルも鬼気迫る感じ。Xのシャウト部分の迫力をそのまま曲にしてしまったような感覚。
ギターソロは十分かっこいいけど、もう少し暴れてもよかった。とにかく保有するパワーが桁違い。ここまでなりふりかまわず押し捲ってるのもここ最近無かったかも。THE CIRCLEのアルバム曲ももちろん、かなり暴れてるのは間違いないんですけど、THE CIRCLEの曲って、全体的に寂しさとか自嘲めいた響きがあるんですよね。何かを振り切るための必死さ、という感じ。
一方この曲はむしろELEVENに近いイメージで、怒りにも感情をポジティブな方向に無理やり向けてる。無理やり向けてるわけだから、当然パワーの制御はきかない、と。
エンディングのギターはなんなんだろう?(笑)遊び心かな。多分、終わった後も適当に弾いてたら「なんか面白いね」「入れたままにしてみようか」みたいな流れ出いれたんでしょうけど。しかし、この音のせいで若干、次の曲へのつながりが悪くなったような気がしなくもないですね。
歌詞は、もろguilty路線。日々にうずもれてる間に大切な人のこと忘れていないかい、っていう問いかけの歌。guiltyでは「冷たい私の言葉」が、この曲では「何気に吐き出した言葉」というわけです。二番サビの「気ままに投げたごみくずが硬い石の礫に変わる」のフレーズはかなりお気に入り。本来のサビとは微妙にずらした感じの歌詞のはめ方が良い。
あと、字数とメロディの関係とは言え「お水」って言葉を使うのはいかにも稲葉さんって感じですよね。
短いようで、実は普通の長さの曲。短く感じるのは、稲葉さんが余り言葉を詰め込んでないからかな。


Dear my lovely pain
CIRCLE OF ROCKツアーの客だし曲。ライブでは、あんまりしっかり聞けずに何となくTMGのSigns of Lifeっぽい曲だなぁ、と思ってたのですが、聞いてみると意外に良かった。実際、Signs of Lifeにそっくりなんですけど、曲全体の印象はむしろもうはなさないに近い気がします。稲葉さんが、凄く伸び伸びと歌ってるのが両者の特徴。
AメロなんかはSigns of Lifeより、むしろもうはなさないのAメロになりそうなのをちょっと無理して回避してる感じがある。甘く優しい微熱もそうですけど、このメロディって結構歌いづらそうですよね。
BメロからサビにかけてはモロSigns of Life。こうやって伸び伸びに歌ってる稲葉さんは久しぶりかもしれませんね。愛のバクダンはあれで結構消費するみたいですし、もうはなさないはGREENのときの曲ですしね。
サビの歌詞は僕の好みど真ん中。Dear my lovely pain。苦い経験も、精一杯やってきたことをいつか愛しくなる。良い言葉じゃないですか、と言いたいところですけど、僕がすきなのはむしろ「誰もがハダカで生まれ いつしかハダカでsay good bye」核心ついてるなぁ、と思う。稲葉さんの考えは人は一人で生まれ一人で死んでくものだから、生きている間に多くの人といようって感じですよね。それをこんな明るくユーモアを交えた歌詞で表せるのは流石の一言。
二番の「綺麗な世界の水面下では激しい疑惑の応酬」っていうのも嫌に耳に残る言葉です、はい。
んで、ギターが左右に振れた後で間奏。キタね、これ。最初聞いて、ちょっと時間置いて、脳内再生した時、この間奏の部分だけ何故か曲とは違う方向に流れていっちゃうたんですよ。何でかなぁ、と頭ん中で再生される音を必死に手繰ったら、「あ、これジェフ・ベックじゃね?!」という結論に到達。すぐにどの曲か分からなかったけど、ドラムの印象がWIREDだから、WIRED再生してみたらドンピシャリ。一昨日も言いましたがLed Bootsにそっくりなんですよね。というわけで、ギターソロ=Led Bootsというイメージでその後のソロが未だに覚えられません。これは確信犯ですよね、絶対。Sweet Lil' Devilもそうだけど、程ほどに有名な曲を持ってこられるとニヤリとせずにはいられない。
最後サビ前の「ざっくりと〜♪」の部分や最後高音でボーカルが締めるあたりももうはなさないチック。最近、稲葉さん、この高く伸ばすシャウト好きですよね。
歌詞と、間奏の遊び心がイメージを大きく変えて株を上げた曲。


早々と書き終えた。三曲くらいなら、聞いたまんまの印象をすぐに書けて楽ちん。っつーことで、353君、よろしくお願いします(id:ZO353:19860830)。