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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

じまんぐの世界 -BALANCE-

じまんぐの世界-Balance-

じまんぐの世界-Balance-

ソロアーティストじまんぐロックンローラーである。
Sound Horizonにおいて胡散臭さとかっこよさを絶妙な割合で見せてくれるじまんぐだが、ソロでは胡散臭さではなく豪快にストレートに生きる男の姿が浮き彫りにされる。じまんぐという人間の声を活かしているのはSound Horizonだろうけど、じまんぐという人間が分かるのは間違いなくソロ。
さて、マキシシングルであるじまんぐの世界-Core-からもかなり間が空いた新作となった。アルバムとしてはかなり久々ということで内容はぎゅっと濃いものになっている。前作(アルバムの方ね)では、じまんぐの世界の名通り、どこかSound Horizonを意識した物語世界、胡散臭い語りなどを披露していたじまんぐだが、今回はバンドを強く意識したストレートなロック作品が増えた。
アルバムはドラムのリズムと存在感が印象的なBALANCEで幕を開ける。アクション映画のテーマを意識してるというこの曲は、確かに燃えよ!ドラゴンの怪しげで好戦的な雰囲気を思い出させてくれる。「Bo-buddy」と言うボーカルをエフェクターで引き伸ばした摩訶不思議楽曲。そこに、やや乱暴な語りが入り混じり、最後は
「ようこそ じまんぐの世界へ」
ジャのLiveへ一気になだれ込む。じまんぐライブの定番曲。重たいギターのイントロに導かれて始まるパーティーソング。胡散臭いというより気取った風の歓迎の語りの後は、ひたすらノリにまかせた曲。サビである「Do not miss the party」の可愛さと、それ以外の部分の豪快さが対照的。あと、じまんぐも言ってるけど、キーボードがいい!
Dogma。じまんぐ自重wwwやたら古風なギターソロから始まる曲。何故かサザンっぽい「フワッ!フワッ!」っていう音が聞こえる。洒落た雰囲気にのせて意味不明な歌詞を載せてくるじまんぐ。サビは前の曲とは逆に豪快に。「罰当たりでそりゃ結構 俺様の場合のBuy」って何だそりゃ。
意味不明曲と言えば、Bo-buddy Medicine。表題曲であるこの曲のタイトルの意味はブール星を未来へ導くものたちらしい。Bo-buddy Medicineを連呼するのがメインのこの曲。これもイントロは映画曲っぽい洒落た感じ。アコギでやったらいかにも映画用のジャズ曲のイントロ。何でボーカルが入るとこんな謎な楽曲になるんだ…?
もう一個。Jekyll & Hydeも、よく分からん。ジキルとハイドとの関連性が今ひとつ分からん。内面を吐露した歌詞らしいから、多分普段の自分と心の奥の自分の二面性について歌った曲なんだろうけど。あ、だから、ジキルとハイドなのか。ドロドロとしたものを思いっきり吐き出すような暗さとねばっこい感じが印象的だがアルバムの中では地味かな。
古き良きロックを彷彿とさせるイントロが素敵なBreaker。イントロのギターのフレーズが素晴らしい曲が多いと思うね。この曲は西部劇っぽい雰囲気がずっと続く男らしい楽曲。荒っぽい歌い方の後にサビの「Ah!」のシャウトすれすれの高音ボーカルが耳を驚かせる。そしてDie Hardという歌詞に反応する僕。内容は遺書らしいが、何故か生き生きとしている。死んでも死なないじまんぐ
むしろタイトルが遺書っぽいHeaven Town。どちらかといえば荒っぽい作りのストレートな曲が多いアルバムの中では作りこまれた楽曲。ドラムとカウントで始まる部分はライブっぽいが作りこまれた楽曲なのです。じまんぐ本人が言ってる通り、前作のドクロマンや恋文を思いださせる曲。勢い重視じゃないというか、メロディーがしっかり作りこまれているというか。二転三転する構成に静と動の入り混じる曲の表情が素敵。アルバムの中でもベストの出来に入る。
このアルバムにはバラードが四曲ある。さよならの風景はじまんぐが好きなんでしょうね、この手のアコースティックバラード。夕立過ぎの黄昏にとかと同じタイプ。もう一ひねり欲しいかもしれない。
Last Song Foreverはパワーバラードとでも言えばいいのだろうか。ピアノのイントロの後にきっちりとしたコーラスワークから始まる。歌詞にもあるけど、どこか退廃した戦場の雰囲気。メインはバラードなのだけど、最後のサビ連呼からキーボードとじまんぐのシャウトに導かれて力強い曲が姿を見せる。
月の気配。歌詞が偉く素直なラブソングだと思ってたら歌詞がじまんぐじゃなかった。ピアノ一本の綺麗なメロディーに抑えた調子のボーカルがよく映える。どっバラードという本人の言葉通り楚々とした雰囲気が素敵なバラード。個人的にはじまんぐの歌うバラードの中では今までで一番。天使の彫像よりもいいかもね。
Xmas Revolutionはボーナストラック扱いらしい。絶対John LennonのHappy Xmas (War Is Over)を意識してるでしょう、という雰囲気の楽曲。それだけ言えば分かる?全部受けれるような優しい気持ちの溢れる楽曲。アルバムの締めに相応しい。さよならの風景じゃいかにもだからね。
そして!そして、アルバム最高の出来であると個人的には思ってるLion。じまんぐ曰くじまんぐ流のハードロック「O・A・A」のどこか民族的なコーラスがまず素晴らしいのだが、そこにDEEP PURPLEのBurnかと思わせるようなスピーディーな楽曲が姿を現す。Aメロも早い早い。バッキングとドラムが。スピードダウンさせるBメロは分かってるといわざるを得ない。サビ前の「O・A・A」の一呼吸が大事。そして、二番サビ後に出てくるCメロの速さがまさしく獲物を狩りに森を疾走するライオン。「O・A・A」のコーラスの入るタイミングもばっちり。これをアルバム一押しにしてもいいんじゃなかろうか。聞いたときに本当に驚いた。この一曲で前作を遥かに凌駕している。