Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Songs from the Sparkle Lounge / Good To Be Bad

今度日本にセットで来る二組を。見に行くわけではないけど。

Songs From the Sparkle Lounge

Songs From the Sparkle Lounge

オリジナルアルバムとしては?以来になりますか。外部ライターを導入して、まったり聞き心地の良いサウンドを追求した前作から六年も経っている。
今回は方向を大分ロック寄りに戻してきた。モダンな曲調の中でギターがピリリと効いている冒頭のGO。古き良きロックンロールを聞かせてくれるC'mon C'mon。明らかにQUEENのYou Take My Breath AwayとJealousyを意識したLoveがあったかと思えば、前作の明るい路線を踏襲したTomorrowがあったりと、バラエティにも富んでいる。しかし、どうにも勢いに欠ける。出来が悪いとは言わない。前作に比べれば、好きな人も多いだろうけど、バラエティに富んでる割に個性が弱い。The Beatlesを思わせるジャケットの割に・・・と思ってしまうせいかもしれない。
何というか、半端なBON JOVI路線なんですよね。BON JOVIほど狙いにいってはいないけど、メロディーを切り捨てられない。その半端さが逆に引っかかってる感じ。だからってBON JOVI路線を踏襲してほしいわけじゃない。どうせBON JOVIのアンセム制作能力とジョンの中低音の甘さ(キャッチーさ)には勝てないし。往年の激しさを取り戻してほしい。もしくは前作のメロディー重視路線に切り替えてしまうか。

Good to Be Bad

Good to Be Bad

WHITESNAKEのオリジナルアルバムはRESTLESS HEART以来か。こっちはこっちで物凄いブランクだ。しかも、RESTLESS HEARTが元々はソロアルバム用だったと考えると、SLIP OF THE TONGUE以来か。しかし、カヴァデールが目指したのはまさしくそれで、明らかに80年代のWHITESNAKEから続くアルバムを目指したことが分かる。全体的にゴージャスなアレンジは明らかにサーペンスを意識してる。
しかし、アルバム全体は80年代の二枚に比べて大分「遅い」。短い曲、長い曲に必殺のサビで攻め立てたサーペンスに比べるとキャッチーさもブルージーさも半端になってしまっている。良くも悪くもキリが良い形でまとまってしまっている。あと、サビが弱い。サーペンスは曲が長くても圧倒的なサビへの前振りになっていたけど、今回はトーンがあまり変わらない。STILL OF THE NIGHTを彷彿とさせるCALL ON MEを聞けばその意味がわかるかな。いや、CALL ON MEはかなり好きな曲なんだけど、STILL OF THE NIGHTと比較するとどうしても、ね。
一方でその遅さが良い方向に向かったのがバラード勢。たとえばALL I WANT ALL I NEEDはIS THIS LOVEの系統の曲なのだろうけど、ベタベタな甘さが目立ったIS THIS LOVEに比べて、新曲はカヴァデールの声のしゃがれ具合と曲の枯れ方が絶妙だと思う。SUMMER RAINなんかもサイクス時代では絶対に作れないようなアコースティックな味わいのある楽曲。しかし、TILL THE END OF TIMEはいかがなものか。せっかくの雰囲気がキャッチーなメロディーを意識したサビで台無しになっている。
往年を意識させようと力の入った前半よりも後半の方が個人的には好きだ。表題曲のちょいと変わったリフに乗せてトリッキーな歌声を聞かせるカヴァデールは素敵だし、ALL FOR LOVEのドラマチックなイントロにはゾクゾクさせられる。合唱から和やかなムードを出したかと思いきや、一気にバンドを入れて非常にハードなAメロを聞かせるLAY DOWN YOUR LOVE。いかにも英国人な掛け声からスタートするGOT WHAT YOU NEEDはアルバムの中ではスピードを感じさせるナンバーでマイクスタンドを振り回すおっさんの姿が見えてくるじゃないか。


どちらもそれなりのアルバムを作ってきたけど、個人的にはWHITESNAKEの方が好きだし、ロックしてると思うなぁ。ライブで聴きたいのはWHITESNAKE。いや、見境なくシャウトしてしまうカヴァデールがいるのは分かってるけど。