- アーティスト: ガンズ・アンド・ローゼス
- 出版社/メーカー: UNIVERSAL INTERNATIONAL(P)(M)
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: CD
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このアルバムが手元にあるっていうことが信じられない。17年ぶりだ!アルバムが出ると知ったのは確か2001年のBURRN!誌上だったと思うけど、それからカウントしても実に7年も待たされたことになる。こんだけ待たされたら、どんな人間だって、正確な評価を下すことはできなくなる。
ガンズと称しながら事実上アクセルのソロアルバム。多分、最初にできた時はもっと尖っていたんだと思う。売る時期を逃して、新しい部分を他に先取りされるたびに、修正を繰り返したんだろうなぁ。結果として、隅々まできっちり手の入ったアルバムになってる。反面、妙に分別臭さのある楽曲陣となった。
それが良い影響となったのが、メロウな楽曲陣。BETTERのAメロは耳に良く馴染むし、それでいてサビとの繋がりに不自然さを感じない。アクセルの大作志向バラードがモロに出たStreet Of DreamsやCatcher In The Rye(CD化はされなかったが、ブライアン・メイが参加したバージョンもあるくらいだ)は聞いてて心地が良い。YESTERDAYSやSO FINEを最初に聞いた時の感覚を思い出す。してみると、THIS I LOVEはDON'T LOVEみたいなものなのだろうが、これはちょっとやり過ぎだろう。凄く美しいバラードだけど、どう考えてもアクセルソロ楽曲。セバスチャン・バックもこういう曲をソロでやってたな。
悪い方向に影響が出たのがIF THE WORLDやSORRY。2001年当時の着想としては新しかったかもしれないのだが、何というか一昔前のモダンなロックをやってるように聞こえる。下手にモダンさがあるだけに時代を感じる。悪い曲じゃないけど、ここでやたらめったらに機械を使う必要があったのかと疑問には思ってしまう。
MADAGASCARの途中でCIVIL WARの冒頭のフレーズを聞いて笑ったのは僕だけじゃないはず。この曲のインダストリアルな感じは嫌いじゃない。イントロの荘厳な雰囲気を貫いてほしかった気もするが、それこそソロでやれって話だろう。
WHITESNAKEのようなワンマンバンドなら何の問題もない素晴らしい復帰作と言っていい。アクセルの声は全く劣化してないし、UYIでまとまることなく吐き出されたアクセルの美メロ大作志向と破壊衝動的な部分がきちんと折り合いを付けている。特に三曲目のBETTERから七曲目のCATCHER IN THE RYEの流れはUYIの延長線上にあることが伺える。UYIの時はバラバラに配置された楽曲陣が流れを持って聞かせてくれることは素直に喜ばしい。
その綺麗にまとまってしまった感じがある意味ではガンズらしくないですけどね。
でも、このアルバムはガンズの名を冠してるんだよね、残念ながら。オリジナルの面子がいたらどんなに素晴らしいケミストリーが更に生まれたのかと思わずにいられない。VELVET REVOLVERの時も思ったんだ。とっとと仲直りしやがれ。皆が待ってるのはAPPETITE FOR DESTRUCTIONを初めてかけた時の、WELCOME TO THE JUNGLEの稲妻のような鮮烈なイントロを聞いた時の衝撃なんだと思う。いや、APPETITE FOR DESTRUCTIONはどう足掻いても二度と作れないのは知ってるけど。