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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Hadou

Hadou(初回限定盤)(DVD付)

Hadou(初回限定盤)(DVD付)

気がつけば、明後日にはライブが迫っているという現実。一応、それなりに予習をしているのですけど、いかんせん曲数も多いんですよね、Hadou。自分の中の印象整理もかねて、各曲へのコメントをひとつ書き連ねたいと思います。長くなるも短くなるも運次第。
LOST。イントロなしで、マイナー調で歌われる小曲。元々は長いイントロがあったそうだけど、それはライブに期待。暗いようで前向きな曲。ハファのギターが良い仕事してる。とても雰囲気のある一曲。
絶対(的)。タイトルセンスがまさしく稲葉さん。シタールのイントロがひたすらにかっこいいのだけど、そのメロディは曲本体には活かされず。練りに練ったことが分かるロックナンバー。ただ、申し訳ないけど、最後の「あうらー」スキャットには少し笑ってしまった。何ていうんだろう、ちょっとお経っぽい?
The Morning Call。元々はHadouというタイトルだったので、ある意味ではタイトルナンバー。早い時点でピアノから始まる魅惑的なイントロから流れていましたなぁ。惜しむらくは、サビまでイントロの雰囲気を保てなかったこと。サビが悪いというわけではなくて、イントロの印象からかけ離れてるのが残念。Tamayuraみたいな曲になるのかと思った。ただサビからイントロのリフへ戻る瞬間は結構はまってるので、これはこれでいいのかもしれないと思い始めてます。恐るべきは慣れか!
Okay。シングル曲ですね。アルバムに入ってメロディの良さや歌詞が際立っているように思う。雑誌では稲葉さんの集大成みたいに書いているものもあったけど、個人的にはむしろ新境地ですね。稲葉さんの集大成ならもっと鬱々としていないと。清々しいイントロと少し悲しみがこもった暖かい歌詞が特徴的な佳曲だと思います。
Lone Pine。アメリカの街をモチーフにした曲というだけあって、凄く叙景的な楽曲。ブルース・ハープとアコギ、ピアノの紡ぐ乾いた音の像が見たこともないLone Pineという少しさびしげな街を想像させてくれる。「ルル…」とメロディをなぞる部分が良い。曲の最後は結構ドラマチックな展開なんだけど、「ルル…」でいつも通りの街の日常に引き戻される感じ。
エデン。純粋なロックナンバーにして、ラブソング。バンドによるシンプルな編成の割にコーラスが結構分厚く重ねられているのが特徴的。「パズルをしてみようよ」のくだりは上手いけど卑猥だなぁ。
CAGE FIGHT。友達以上恋人未満のセルフカバー。宇浦バージョンに比べるとラフな音作り。正面衝突と同じ系統の合いの手ありきの曲なんで、ライブではひたすら盛り上がりそう。ギターソロで唐突にThe Beatlesのあの曲のメロディが出てくるが妙にツボった。ぜひ、ライブでも再現してほしい。
今宵キミト。イタイケな太陽とはまた方向性が違うけど、これも稲葉流のポップソング。低いAメロから、久々に韻を踏んだラップ調のBメロが飛び出す。韻の踏み方が気持ちいいなぁ!Bメロの最後に、階段を駆け上るようなピアノが響いて、メルヘンチックなサビが登場。まぁ、サビの明るさほどに歌詞の方は明るいわけでもないのだけど。間奏で小気味よくバンドがリフを刻んでる所に今度はサックスが鳴りだす。とにかく色々詰め込んだロマンチックな一曲なんです。SAIHATE HOTELとイメージは近いかも。サックスの音と共にろうそくは燃え尽きてしまうのが、象徴的というかご愁傷様。
この手をとって走り出して。タイアップ付きで先行してオンエアされてた楽曲。TVオンエアではイントロと歌詞が一部カットされていたのだけど、フルで聞くととにかく美しい。ここまでストリングスを大々的にフィーチャーした王道的なバラードは珍しい。なんだかんだいってバンドの音が結構大きく入るからね、B'zでもソロでも。風船は王道とはまた違うし。アルバムの真ん中でこういう曲が来ると、かなり際立つ。個人的にサビの言葉選びがとても美しいと思う。特に二番最後の「他の誰より笑ってくれる Just for you あなたに届けたい」とか凄く美しい。二番で少しずつメロディを変えてくるのも良いなぁ。ごめんなさい、この曲大好きなんです。あと、二番の歌詞は女性視点が際立っているせいかもしれないけど、ちょっと歌詞がZARDっぽい印象を受けませんかね。
去りゆく人へ。これもセルフカバーの一種なんだろうけど、なぜかそれについて触れられたインタビューとかを見たことない。忘れられてるのだろうか。アルバムの中では一番B'zっぽい印象を受ける。BUDDYとかと同じでね、しっかりまとまった良い意味で古臭いロック。歌詞が結構なダメ人間だったり、少し長めのギターソロから、サビでアコギに切り替わるのもB'zっぽい。いえ、良い意味で。最後にバンドと一緒に思いっきりシャウトしてるのがナイス。ライブでここからメンバー紹介とかありそうじゃん。
不死鳥。打ち込みのドラムやベースの大きな音が、まず意外。試聴の時のイメージだと、のっけから荘厳な感じの音が来るのかと思ってた。曲調もちょっと軽めなAメロ。「It's time!!」のコーラスで一気に曲が反転するのが、快感。「It's time!!」「To fly!!」のコーラス、良いですね。こういうサインめいたコーラスやシャウト大好きです。Cメロ無視してなりまくるギターソロから、ストリングスがサビメロを奏でたあたりがクライマックス。稲葉さんのソロの中でも最もドラマチックな展開の楽曲ですね。
主人公。打って変わってエレピの軽快な音が耳をくすぐる。歌詞も音もいかにも稲葉ソロということで、稲葉さん本人も認めてる様子。一回後ろ向きに立ってから、前向きに進みだすのが稲葉節。前後が結構印象的な楽曲なので埋もれてしまいそうなのが泣き所。
リトルボーイ。ストリングスの使い方がサイケデリック時代のThe Beatlesを連想させるんですけど、僕だけですかね。ふわふわと宙に浮いてしまってるような印象。その不安定な感じが、何でもない少年の心を描いた歌詞を深読みさせる。透明人間みたいなあからさまな歌詞ではないけど、裏に少しぞっとするようなものが隠れてるように感じてしまう。音の作り方は大好きです。
赤い糸。これはもうだいぶ前にタイアップが付いていた。TVオンエア時は申少しテンポが速くて、バンドもバックにあった。今回はアコースティックなアレンジが採用され、稲葉さんらしいチェロがゆったりと流れるバラードに仕上がってる。風船と同系統の楽曲といえば分かりやすいのかもしれない。周りの評価ほどは好きではない僕がいるのは秘密です。
イタイケな太陽。どうした稲葉、稲葉どうした、と心配したくなるくらい明るいポップナンバー。歌詞も陰りがない。稲葉さんのソロ=暗いというイメージはとても短絡的な発想ではあると思うけど、こういう風にピアノ込みのバンドで転調とかもなく、ポップな曲を作られると戸惑ってしまう。
イタイケな太陽のあとしばらくすると、アコギをバックに稲葉さんがいかにも思い付きの弾き語りっぽい曲を弾き語るシークレットトラックが登場する。仮題「手を振ろう」。ライブで合唱でもするんでしょうか。
あー、また長くなった。
どちらかと言えば、Peace Of Mindや志庵が手触り感のあるバンド志向だったのが、Hadouになって一気にスケールがアップした感じ。悪く言えば、今までその辺にいそうだった稲葉楽曲の主人公たちが大分遠のいたように感じる。そういえば、ジャケットも作を追うごとに遠のいてますね、稲葉さん。一方で稲葉さんの癖が大分分かりやすくなってきたな、とも思った。転調のタイミングとか好きなメロディラインとかね。マグマの頃はぐちゃぐちゃに溶け合って、作品全体で稲葉ソロっぽさを主張していたのが、段々整理されてきた。ぐちゃぐちゃだったのが人間クサくて好きな人もいれば、整理された方が好きな人もいるでしょうね。個人的にはHadouは結構好みのタイプなのだけど、もう少し稲葉ソロ特有の暗さや怪しい転調をメインにした曲があると嬉しかった。まぁ、暗い部分は透明人間とWonderland、転調はTamayuraや横恋慕で極められた気もしますが。
DVDはまだ見てませんが、大体覚えてるので、適当に空いた時間にちまちま見ます。何か新しい発見があったらその時に興奮気味に書くかもしれません。