Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

放課後ティータイム?

最初のミニアルバムは正直どれもこれも元気なキャラソンの寄せ集め的なイメージが覆せなかったけど、このフルアルバムは少し違う。アニメとの相乗効果があるのは否定できないけど、バンドサウンド一辺倒の少し早口なポップスから、アレンジや曲調に幅が出たことで、アルバムらしいバランスが出てきた。HTTお得意のパワーポップである唯によるいちごパフェは止まらない、ごはんはおかずだけではないということだ。
まずはピアノのイントロが印象的なぴゅあぴゅあはーとふわふわ時間と基本的には同じタイプの楽曲なのだけど、ピアノの音が華やかさを添えてるし、余計な台詞が入らないので純粋に曲として聞ける。
同じく澪のボーカルである、五月雨20ラブは昭和の歌謡曲風のアレンジが映える佳曲。昭和の頃のアイドルがこんなの歌っていても不思議じゃない。
澪の壊滅的作詞のセンスが、気持ちの良いスピーディーな曲に乗るときめきシュガー。こちらは90年代のCMにでも使われていそうな爽やかなナンバー。二番のボーカルの裏で歌うように流れるギターが素敵だけど、女子高生の発想を超えてるだろう、このアレンジは。童謡風のキレのいいメロディに移行するのが可愛らしいと同時に意表を突かれる。
その打ち込みの音はどこから出してるのだろう、と気になるHoney sweet tea time。これは紬によるボーカル曲。メルヘンチックな歌詞と曲があいまって、どちらかといえばキャラソンの雰囲気が漂う。アルバムのアクセントにはなっているが、曲自体は地味な出来。
個人的にこのアルバムは後半の方を評価したい。ドラムの急くようなイントロで始まる冬の日。小さくまとまった楽曲ながら、アルバムの中ではもっともまともな歌詞のラブソング。「なにから話せばいいのかな 好きから始めていいのかな」のという歌詞は中々に可愛い。冬のほんのり寒い感じと暖かみが良くできたキュートなナンバー。
アルバムの白眉であるU&Iはシングルにも収録されたし、歌詞を書く様がアニメ中でも割と重要な重要なエピソードとして放映された。唯から憂に宛てられたストレートな気持ちを表す曲。早く「君」に戻ってきてほしいという気持ちを表すように少しはやる様にスピーディーな曲調。こういう言い方が正しいのかは分からないけど、凄く気持ちのいい曲調である。二番が終わって皆でユニゾンをする部分がすっごくかっこいい。二回同じメロを弾くんだけど、二回目でキーボードも入ってくるあたりが素晴らしい。様式美ですよ、様式美。アルバム一番のお気に入り曲です。
天使にふれたよ!はHTTから梓に向けて送られた楽曲。先輩四人が梓に向けて歌っているのだけど、演奏自体は5人編成である。まぁ、アルバムですから、完成度重視ということで。アニメを見ていないと、この曲の良さはちょっと伝わらないと思う。具体的には文化祭ライブが終わって全員で大泣きして、梓がバレンタインにチョコを中々渡せなくて、みたいなエピソードを積み重ねて映える楽曲。知っていれば、Cメロの四人のユニゾンで軽く泣ける。
ふわふわ時間を元にしたインストゥルメンタルであるInterludeを挟んで、アルバムは最終曲、放課後ティータイムへ。その名に相応しく5人全員がボーカルを分け合う楽曲。Bメロの掛け声めいたメロディーが凄く好きなのだけど、そこからまったりしたサビになってしまうのが少し残念。あと、全員で歌うと唯と澪の歌唱力が異様に際立ってしまう。特に声を張り上げられるようなパートではそれが際立つ。Bメロとか澪だけ異常に上手い。
アルバムにはさらにもう一枚Cassette Mixということで、モノラル音源、ライブ演奏風のディスクが入っている。アニメの最後で録音したという設定のもので、バンドメンバーの話し声や、若干の原曲とは違う演奏を楽しめるお手軽なベストアルバムといったところである。前作のライブ風演奏よりかはずっと楽しめると思える。いかにも生で演奏しましたと言うように、五人分の音しか入ってなかったり、コーラスも一人一声しか入らないあたり凝ってるなぁと思う。特にStudio Mix版に入ってた楽曲なんかはイメージが大分変わるので是非聞いてみてほしい一枚。
ちなみにカセットテープ自体はもったいなくて開けられませんでした。