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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Don't Wanna Lie

Don't Wanna Lie(初回限定盤)(DVD付)

Don't Wanna Lie(初回限定盤)(DVD付)

コナンのOPといえば、ギリギリchop、衝動のようなパワフルな楽曲のイメージがありますが、今回は映画との兼ね合いもあって、爽やかなポップナンバーに仕上がりました。ギターの高らかな音に導かれて始まるタイトなバンドの合間を縫うように聞こえてくるストリングスの音が気持ちいいです。
聞き心地の良さの割に、バックでバンドが、結構凝った音を出してる。Aメロはゆったりした歌メロの割に、かなり細かく音を刻んでるし、ドラムソロ〜ギターソロの歌メロから考えられないような凝った造りは言うまでもない。
歌詞は意図的なのかどうか、やや字余りな印象が強い。「本能」とか「タイミング」あたりが少し強引な言葉の乗せ方かな、と。一方でサビにつなげるBメロの後半や、最後の「I don't wanna lie!!」のシャウトなどのボーカルは、清々しく伸びてる。
個人的に印象的なのは「正念場」と書いてモーメントと読ませるあたり。「瞬間」ではなく、「正念場」なのが稲葉さんらしい。ここは、コーラスも分厚く重なって、耳にも残る。
付属のPVは、前作とは打って変わって極彩色が目立つ作り。背に巨大なライト(?)の壁面を設置し、床には水をたたえた状態でバンドが演奏。非常にシンプルなので、最初はこれをPVでつける意味あるのかな、なんて思ってたのですが、これが中々どうして出来が良い。
水しぶきが色々なところで散るおかげで、バンドの動きがとてもダイナミックに見える。足で床を踏むだけで、動きが大きく見えるのが、上手いな、と。
それと、要所要所で、スローモーションで水しぶきを上げるメンバーがかっこいい。水飛沫が美しいし、パンフの写真とかで出てきそうな具合。スタンドを持って大きくをのけぞる稲葉さんや、ギターを前に突き出しながらけり上げる松本さんあたりが素敵です。「たとえばそんなこと」で、手を振り上げるシーンとかも。通して見れば、前作のPVよりもずっと好き。
最後に水を蹴りあげるのはやっぱりねがいを意識してるんでしょうか。水を利用したPVにはねがいとultra soulがありますが、水関連はハズレなしですね。
続いて、Homeboundだけれど、これが中々どうして、素晴らしいバラードです。タイトル通り郷愁を誘うようなピアノとストリングスのイントロ(ちょっとMagnoliaっぽい?)から、そのままピアノの弾き語りへ。TINY DROPSなどで、十分に聞かせてくれた稲葉さんの低く押し殺したようなボーカルがここでも、耳に心地よく響きます。
Bメロでバンドが入りだし、サビからストリングスが入り混じるという構成は、最近のB'zにはありがちの構成なんだけど、OCEANや永遠の翼のような、サビが押し寄せてくるような感覚は全然ない。どちらかといえば、ROOTSのような穏やかさを強く感じる。
二番頭から入るぽろりぽろりと零れるようなギターの音が、また泣かせる。ソロもFRIENDS2あたりで聞かせてくれそうな大人びたソロで、耳に優しい。
歌詞は、夕刻から夜へ移り変わる街の風景を切り取ったもの。こういう瞬間の切り取りは、本当に稲葉さん、上手い。一番のくだりとか、夜へと向かう空が鮮やかに思い浮かぶ。置き去りの雑誌からうらやむことはない、という繋ぎも良いですね。素敵なニュース見えたから良いことあるよ、と普通なら繋ぎそうなものだけど、そこにうらやむ人の視点があるという目の付けどころが素晴らしい。
最後の「良いことが近づいてくる」の言葉遣いも、不思議な感じです。なんというか、子守唄っぽさがある。何にせよ、非常に美しいバラードです。正統派のバラードとしては、近年の曲の中ではかなり好きな方です。