Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

MONSTER

Monster

Monster

Sonic Boomからわずか3年で新作が聞けるとは思わなかった。PSYCHO CIRCUSの頃は、大復活を遂げたAerosmithの後を追わんとする姿勢が傍目にもわかりやすく見て取れたが、長いこと続けたライブの中で、彼らに求められ、そして、彼らにもっとも合った音楽がどのようなものであったかを自覚したようだ。一切のバラード抜きで挑んだSonic Boomのヒットに気を良くしたことが伺える内容で、全曲がメンバー作曲によるKISSらしいロックで埋められている。
幕開けはこれぞKISSという華やかでかっこいいHell or Hallelujah。ポールの衰えを知らぬ荒々しいボーカルが耳に気持ちよくたたきつけられる。どこを切り取ってもこれぞKISSと言える、そんな楽曲に仕上がってる。ギターの音に合わせてシャウトするポールとか最高じゃないですか。
ポールに負けちゃいられないとばかりに、ジーンがWall of Soundで歌声を披露する。ポールの分かりやすい荒々しさとは異なり、ジーンの曲はメロディーで攻める。派手な見た目とは異なり、ジーンの曲は非常にきれいなメロディーをしている。この曲もそうだし、バンドの激しさとは裏腹に、Back to the Stone Ageも非常にキャッチーで明るいメロディーを持っている。今作のジーンの曲ではThe Devil is Meを個人的には推したい。タイトルからして、ジーン以外の何物でもないのだが、「the devil is me...」の歌い方が反則的にかっこいい。歌詞カードもその辺をよく分かってる作りになってる。
前作でAll for the Gloryというスタイリッシュな楽曲を歌ったエリックは、今回はロックンロールへの愛のため、All for the Love of Rock & Rollという非常にメロディアスで明るい楽曲を歌っている。アルバムの中でもひときわポップな楽曲だが、決して浮いた感じはしない。トミーは前作同様に、決して派手ではないが、バンドがかっちりとまとまってることを伺わせるソリッドなロックを歌っている。
アルバムで唯一ポールとジーンが一緒に歌うTake Me Down Below。これまたイントロのリズムからしてわくわくする。二番の終わりから、間奏へ入るギターの凝り方も素晴らしければ、ベースとドラムががっつりハマって聞き手の頭を振らせるようなリズムも素晴らしい。
アルバムの最後にHell or Hallelujahに負けないようなインパクトを持ったLast Chanceを持ってくるあたりがかっこいいですね。
アルバムがあっという間に終わるロックアルバムというものを久々に聞かせてくれた、そんな素晴らしいアルバムに仕上がってます。ごちゃごちゃ書きましたが、このアルバムを表すには次のいつもの文句で十分です。
You Wanted The Best!? You Got The Best! The Hottest Band In The World, KISS!!