Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

B'z The Best XXV 1999-2012

二枚目です。

B'z The Best XXV 1999-2012(初回限定盤)

B'z The Best XXV 1999-2012(初回限定盤)

01. ギリギリchop
02. 今夜月の見える丘に
03. May
04. juice
05. RING

10周年のベストアルバム発売後、B'zは短いソロ活動期間に入りますが、11年目の始動を告げたのがギリギリchopでした。曲名にしろ、曲そのものにしろ、清々しいくらいに骨太なロック路線へと向かいました。この曲のPVは倉庫内で風に煽られながら演奏するというものですが、合間に外人美女の映像が挟まれ、最後は意外なオチがつきます。演奏部分の映像はあろうことか、コナン君のOPに挿入されたので、見た人は多いかもしれません。
2000年は、非常にシングルが多い年で実に4枚ものシングルをリリースしてます。特筆すべきはそのうちの3枚がバラードという、今ではあんまり考えられないようなシングルの切り方でした。
ビューティフルライフの主題歌として有名な今夜月の見える丘にのPVでは、どういう心境か口髭姿の稲葉さんを見ることが出来ます。全体的に青い色調で、夜っぽい雰囲気を演出しています。B'z至上最大の大型タイアップではありますが、王道のバラードではなく、バンド色を前面に打ち出してるあたりにこの頃の強気を感じますね。ギターソロ前のブレイク部分がアメリカ南部っぽい良い雰囲気出してます。
Mayは、B'zの中でも類似系のないバラードなのですが、本人たちは原点回帰を目指したつもりだったという逸話のある曲。大谷資料館で撮影されたPVはちょっと荘厳なものを感じます。たくさんの蝋燭、駆け出す二匹の犬と、PVもそれまでのB'zとはまた違う雰囲気のものでした。
juiceのゲリラライブは、当時、ネット伝いに話を聞いて驚いたものです。実際にライブをしてその風景を撮影するというB'zらしいといえばB'zらしいPVの撮り方です。HEATもやり方としては同じですね。B'zの二人も長いPV撮影よりは、一発勝負のこちらの方が好きではあるみたいです。王道のロックナンバーということで、一時期はライブの鉄板でしたが、最近はマンネリ防止のため色々な曲に差し替えられるパターンが増えてきました。
RINGを聞くと、juiceツアーの大雨の千葉マリンスタジアムで初披露されたときのことを思い出します。ストリングスと鈴の音のように響くギターが幻想的なナンバーです。3曲の中では一番バラードらしいバラードですが、B'zのシングルの中でも特別にシリアスなムードが漂っていて、聞く人を選ぶかもしれません。PVは和風のセットの中で、再び雨に打たれる二人ですが、Callingほど激しい雨ではないようです。

06. ultra soul
07. GOLD
08. 熱き鼓動の果て
09. IT'S SHOWTIME!!
10. 野性のENERGY

上記の5枚のシングルすべてがスポーツタイアップです。
かつてガンガン使ってた打ち込みをもう一度前面に押し出したultra soulは、今やB'zの代表曲です。インパクトのあるタイトルと、「ウルトラソウル!」「ハイ!」の流れが分かりやすいのでしょうね。打ち込みの裏に隠れたアコギがAメロなどで哀愁を誘います。打ち込み主体の曲ですが、ライブでバンドバージョンの方が脳には染み付いています。PVは羽田空港近くのホテルのプールでの演奏。非常に気持ちの良さそうなPVですが、撮影時期は実は真冬です。バンドもそうですが、周りの水着の人たちがすごいですね・・・。
GOLDはRING同様にストリングスが前面に出たバラードですが、受ける印象は真逆です。ファンファーレのような壮大なイントロから、ALONEに通ずるメジャーなバラードが始まります。PVはELEVENツアーのセットを組んだ無人の札幌ドーム内で。バンドの演奏に加えて、ツアースタッフたちが映し出されてるのが印象的です。
一番スポーツに寄り添った歌詞である熱き鼓動の果ては、ゆったりした一番とテンポを上げて爽快な二番のコントラストが面白い楽曲です。PVでは曲の展開をうまく利用して、一番は屋内で演奏し、二番の前に「天気もいいし、外でやりましょうか」という小芝居を挟んで、屋上で演奏するという構成。青空の下の気持ちの良さそうな演奏がさわやかな楽曲によくあってます。
スリリングなメロで、15周年の幕開けを告げたIT'S SHOWTIME!!。この頃はスポーツと歌詞のリンクに大分苦労をしていたようです。世間的には10枚のシングル再発でチャート独占したときのシングルという認識の方が強いかもしれません。PVは歌詞の通り、ライブを意識したもので、無人のライブハウスや橋の上で歌った後、ブロードウェイの真ん中でゲリラライブをするB'zとなっています。
野性のENERGYのPVは、二人がデビューしていなかったらのIFの世界を描くPVで、人気の高いと思われるPVです。楽器店の店員をしている松本さん、学校で教師をしている稲葉さんと非常にリアルな設定の映像です。最終的には二人で落ち合ってライブハウスでライブをするというところ、どういう環境であっても音楽をやっていただろうという意味合いがこめられているのではないでしょうか。

11. BANZAI
12. ARIGATO
13. 愛のバクダン
14. OCEAN

2004年のソロ活動の最中にリリースされたのがBANZAIARIGATOです。BANZAIはタイトルが示すとおり、明るいロックナンバーですが、2・3・4・2拍子を取り入れた掛け声や、幾重にもギターを重ねて行進曲のような雰囲気を出す間奏など、一筋縄ではいかない曲です。PVは腰につけたカメラによる撮影がメインで、体を軸とした不思議なカメラの動きが見所です。酔いそうになりますが。
ARIGATOはB'zのシングルの中でも際立って渋い曲です。元々は「そこに誰もいなくても」というタイトルだったものを、タイアップを意識して改題したとか。月の下をゆっくりと歩き続けるようなメロから吼えるような激しいサビ終わりまで、渋くとも大変ドラマチックです。PVではジャケット同様にスーツ姿で歌う二人と、森山未来さんが共演。この頃から、二人の演奏シーンとは別にちょっとしたストーリーがあるというPVが増えてきました。
愛のバクダンはたくさんのPVがあり、一番最初のPVは二人でブランコに乗るだけという大変衝撃的なものでしたが、あいにくそちらはお蔵入りとなりました。ARIGATOから打って変わって、キャッチーで分かりやすいB'zに戻ってきました。
GOLD以来、4年ぶりに放ったバラードシングルOCEANは、海猿タイアップもあってヒットしました。ピアノスタートで、サビでバンドが入ってくるB'zの王道的なバラードのスタイルですが、涼やかなイントロと最後の波の行き来を思わせる大らかなコーラスは他のシングルにはないものです。PVは巡視船「みずほ」で撮影されたもので、天気は曇り気味ですが、タイアップと歌詞に寄り添ったものになってます。

01. 衝動
02. ゆるぎないものひとつ
03. SPLASH!
04. 永遠の翼
05. SUPER LOVE SONG
06. BURN -フメツノフェイス-

書道と衝動。ただの駄洒落で作られたPVで、武田双雲さんが、歌詞を書き連ねる横で二人が演奏するというPV。無骨な衝動という曲に、書道による文字はあってなくもないですが、冷静に見るとよく分からんPVです。なんか曲の勢いに騙されてるような。
単独A面なのに、PVがショートというのは珍しい。ゆるぎないものひとつ。カラリと乾いたウェスタンなサウンドにまっすぐな歌詞をぶつけたミディアムテンポのナンバーです。崖の上で演奏するメンバーに、外人さん達の心温まるシーンが挟まれるというPVで、個人的には嫌いじゃないPVです。でもまぁ、前後のシングルのせいで地味な印象を受けるのは避けられないかもしれませんね。
爽快な夏のロックという謳い文句でリリースされたSPLASH!ですが、爽快感よりは真夏のじわっとした熱を感じる曲だと私は思います。派手な打ち込みとダンサンブルなノリに初期のノリを思い出します。初期との最大の違いはまさに爽快感の有無かと思います。原曲も素敵ですが、C'monツアーから登場した英詩バージョンの方が曲本来のノリかなぁと思います。
永遠の翼はB'zの王道を行くバラードですが、OCEANと被らぬように、Cメロを加えたり、ピアノソロを入れたり、メロに若干の和の要素を加えたりと、一筋縄ではいかないような努力が垣間見れます。PVは本格的なストーリー仕立てで、本郷奏多さん、本田翼さんが出演しています。二人とも今は色々なところで見かけますね。ちなみにコーラスでも出てくるSpread Your Wingsですが、これはQUEENにも同名の曲があり、邦題がまさに永遠の翼です。向こうもバラードですが、歌詞は大分違います。
SUPER LOVE SONGから、MARTIN FOUGEROL氏の起用が始まります。非常にシンプルなセットにダイナミックなCGがこの監督のPVの特徴ですね。SUPER LOVE SONGでは真っ白な空間に赤い玉が浮かぶという、本当にシンプルなのですが、不思議と広がりのある映像になりました。曲のほうもシンプルなバンドサウンドながら、演奏の厚みを変化させることで、曲の表情に変化をもたせたロックナンバーです。
BURN -フメツノフェイス-は曲に合わせて、炎が迸るようなCGがめまぐるしく動くPVになっています。リリース時にも書きましたが、暑苦しそうなタイトルとは裏腹に非常にスマートなシングルです。歌謡曲風のAメロから、音の乗せ方が印象的なサビ前の「フメツノフェイス」、そしてBURNの連呼と色々なメロディがPVのCG同様に花開いては消えていきます。

07. イチブトゼンブ
08. DIVE

久々の両A面にして、ヒットシングルとなった2曲。HEATにも通じる、力強いデジタル音とリフから、優しいメロディを導き出すイチブトゼンブ。廃車置場で歌うシーンを当時よく見かけましたが、意外にもPVの大半は暗い中での撮影です。その分、最後の晴れやかな空の下での演奏が映えます。
シングルバージョンは初収録となるDIVE。バンドは路上で演奏してるのみですが、合間にアメコミの実写のような映像が挟み込む不思議なPVです。ギリギリchopも似たような構成ですが、今ひとつストーリー等が見えてこないのが残念なところです。

09. MY LONELY TOWN
10. さよなら傷だらけの日々よ
11. Don't Wanna Lie
12. GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-

この4曲は全て、シングルにPVがついているので、今更感は否めません。MY LONELY TOWNの映像は曲の物悲しげな雰囲気と軍艦島の風景がよくマッチした秀逸なPVかと思いますが、個人的にはDon't Wanna Lieの水を用いたPVが好きです。水を使うと、人が動くときの躍動感がわかりやすく出ていて面白いです。さよなら傷だらけの日々よPEPSIの抜けるような青空の下の映像の方が好きですね。曲調からすると、PVの雷交じりの灰色い映像も納得ではあるのですが。
最新シングルのGO FOR IT, BABY -キオクの山脈-はアルバム初収録。シングルらしからぬ豪快なロックですが、一体感のあるサビがキャッチーさにつながってます。肝はなんといってもギターソロ前の松本さんの歌声。PVはサイケデリックな風で曲にはあってますが、少々古臭いかもしれません。わざとかもしれませんが。

  • Brand New Track-

13. Q&A
14. ユートピア

Q&Aは先日のMステでも歌いました。ブラスがサビで絡む勢いのある楽曲です。初聴時はサビが弱いかもと思ったのですが、サビ、ブラス、コーラスの三段階のノリが気持ちよくはまってることに気づきました。コナン君のOPですが、その割には疑問が尽きぬことへのやるせなさを歌ってるというタイアップには意外とそぐわない歌詞です。歌詞ではバスと歌われてますが、個人的には地下鉄の通過を思わせるようなサウンドです。
このPVですが、おそらくはイントロのギターの和のイメージに合わせてるのですが、怪作といっていいでしょう。武士が主に逆らうストーリーのようですが、頭からナレーションが入るわ、途中で演奏が切れて、武士の妻と思しき人が倒れるわ、ヒーローショーの忍者やボスみたいな敵と戦うわで、なんかもうよく分かりません。極めつけは稲葉さんが光るマイクスタンドで、松本さんが光線をぶっ放すギターで敵を倒します。ネタなのか、真面目なのか良く分からないので、笑えるでもない、微妙なPVです。普通に演奏するだけじゃだめなんでしょうか。
アルバムの最後を飾るのはユートピア。先日、ドラマタイアップが決まりました。一本のギターから稲葉さんの掛け声ではじまる爽やかなポップナンバーです。はっきりしたリフに優しいメロディとコーラスをつけるのはイチブトゼンブと同じですが、この曲については、もう少しコーラスが強めな分、ポップさを増しているかと思います。忘れがちな夢を強く願うだけではなく、少しずつ変えていきましょうというポジティブな歌詞ですが、最後の畳み掛けるようなサビの歌詞が感動的ですね。個人的には「狭き門を行け」というフレーズが印象的ですね。
今風のB'zを切り取ったQ&Aと、GREENくらいのB'zの雰囲気を切り取ったユートピアでバランスが取れている感じです。ジャケットの黒さの割にはカラフルな楽曲が集まってる一枚ならぬ二枚組かと思います。