B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER-XXV BEST-【完全盤】 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: VERMILLION RECORDS(J)(D)
- 発売日: 2014/01/29
- メディア: Blu-ray
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OPENING. OVERTURE
どちらかと言えばシンプルなセットが荘厳なストリングスに合わせて、様々な色に染められていく。ゆっくりとステージ上に巨大なブーメランのようなオブジェが左右5本ずつ、姿を現す。GOLDのイントロを思わせる荘厳な印象のメロディから、アコギが絶妙に絡む「溜め」のパートを経て、ファンタジックなメロディへと移り変わる。屹立した10本のオブジェが光を放ち、メロディは冒頭のものに戻ってくる。オブジェがゆっくりと動き、形作ったのは、「XXV」の文字。
01. Endless Summer
炎に彩られた「XXV」の文字と、大きな歓声を破るように断続的なギターのリフとテルミンのともすれば耳障りな音が聞こえてくる。GOOD TIMES, BAD TIMES/LED ZEPPERIを思わせるリフに合わせて。メンバーが登場。ツアータイトルと同名の新曲で、感傷的なタイトルとは裏腹にGO FOR IT, BABY-キオクの山脈-と同系列のハードロックである。余計なものに囲まれて身動きが取れない状況から抜け出そうという、歌詞の方もGO FOR IT, BABY-キオクの山脈-に近しい。二番サビ終わりの「サマー!!」のシャウトが一番の見どころかと思う。
02. ZERO
定番中の定番が二曲目で登場。ドラムのリズムから、ホーンを真似たギターの音にいつものあのイントロがキーボードにより奏でられる。さすがに昔のようにくるくると回ったりはしないが、メンバーがステージを動き始め、会場のテンションも上がっていく一方である。定番のラップの途中では松本さんが「HEY!」と叫んでみせてくれる。最後はもちろんドリル(なんとマイクスタンドに装着してあった!)。
続く「B'zのLIVE-GYMにようこそ!!」では、松本さんが咳払いを挟むという小芝居を見せる。何かを振り回すので、引っ張り出すと、パーティーグッズよろしく「B'zのライブジムにようこそ」の文字。これを観客に見せつけて、やっと「B'zのLIVE-GYMにようこそ!!」
03. Pleasure 2013 〜人生の快楽〜
ここで稲葉さんがステージを端まで疾走し、松本さんもゆっくりと花道を歩き出す。この曲で二人が左右で演奏するのももはや定番と言える光景だ。気になる二番の歌詞は「音沙汰もないまま二つ三つ夏が過ぎてって あいつもどこかで元気でやってるはずだと その内また会えるといいね」と、あいつはまたしても音沙汰がなくなったようだ。自由奔放なアイツらしい近況である。またその後の歌詞も「イエス 自分はこれしかない」と25年目の決意とも取れる内容に差し替えられている。基本的なアレンジは2008年と変わらないように思う。最後にイントロを繰り返すアレンジが好きなのだが、CDでは必ずキーボードである。
04. LADY NAVIGATION
前曲からそのまま、「L・A・D・Y!!」と、懐かしい曲が飛び出してきた。シングルの曲順を逆転させた形である。原曲の軽やかさとは異なり、ノリのよいロックンロールと言った風情のアレンジが耳に新しい。Aメロ部分の英語コーラスがないのは少し寂しいが、間奏では、ツインギターの見事なユニゾンの後に「N・A・V・I・G・A・T・I・O・N」の声を聞かせてくれた。
曲の最後では、Into Freeツアーのねがいでも見せたマイクスタンドに跨るような姿勢から稲葉さんが連続シャウトしてみせた。そのシャウトがどことなくMARSの頃のようで、懐かしさを更に誘う。
05. 太陽のKomachi Angel
手拍子の練習をし始めた時点で、何をやるかはもうお気づきだろう。ドラムがリズムを取り、「横浜ベイベー」の声で、お馴染みのダンサンブルなメロディが流れてくる。軽やかに見えるが、二番前のギターからキーボードの絡みや二番後のドラムソロなどは凄く技巧的だ。また、Aメロの裏で大賀さんが奏でるギターの音が非常に印象的。メンバー全員がマイクの前にいるのも見ていて面白い。
最後は全員が手拍子で合わせて終わり。別会場では恋心(KOI-GOKORO)が演奏されてました。
06. ねがい
「どうですかこの天気・・・ちょっと!上出来でしょう!」とおどけてみせる稲葉さん。「盛り上がりましょう!!最後までどーぞヨロシクお願いします!!」のテンションの高さとは裏腹にムーディーなピアノの音に合わせて、稲葉さんがファルセットを織り交ぜながらシャウトをするという非常に珍しい空間が短い間現れる。
そのまま続くのは、ピアノのイントロで同じのねがい。シングルのジャズっぽさを更に際立てるように、松本さんが大賀さんのバッキングの間を縫うようにギターのフレーズを奏でる。二番はどちらかと言えば、BUZZ!! STYLEよりのラウドなアレンジで、バンドがどんどんテンションを上げていく。Into Freeほどではないが、ギターソロはもちろん目一杯弾いてみせてくれる。ねがいも最近すっかりと定番に近い位置を占めてきた印象である。
07. さよならなんかは言わせない
昨年、ELEVEN、ACTIONツアーの映像が発売されたからだろうか。ACTIONツアーの一部公演以でのみ披露された曲の登場である。少し涼しくなった風が曲に合わせて会場を撫でていったのを覚えている(野外ならではの自然の演出だ)。ELEVENツアーの映像と聞き比べてみると、曲が一段と優しい表情をしてみるように思える。ギターソロは珍しく原曲に忠実に演奏された。
08. GOLD
前曲の余韻を残しながら、キーボードによって奏でられるイントロはGOLD。これまたELEVENツアーで演奏され、長らく演奏されることのなかった曲だ。ALONE、OCEANが日替わりで演奏されていたが、野外にはGOLDが一番だろう(ALONEはDisc2で、OCEANは色々と映像化されてきたから妥当と言える)。蒸し暑い西武ドームでトラックをバックに歌われたのが2001年だったことに驚きを感じえない。最後のサビでは「響け」のコーラスを松本さんが担当。
09. C'mon
非常に意外な選曲だ。直近のアルバムからC'monが登場。今までであれば、Brotherhoodあたりが来そうな位置であるが、同じだけのパワーをこの曲は持っている。Brotherhoodについては、近年アルバムツアー、Pleasureツアーを問わず歌われているので、個人的には良い選曲だと思う。C'monツアーのような長いイントロではなく、CD通りのイントロから始まる。曲順の関係からだろうか、C'monツアーよりもコンパクトで、テンションの高い演奏になった。
10. Rain
雨の中、微かに聞こえる鳥の声。水面に落ちていく雨粒。そんなイメージをバックに松本さんが新しいインスト曲を奏でる。最近の松本さんの曲にはなかった少し暗めでロマンチックな雰囲気の漂う楽曲である。華のあたりの雰囲気に似ているだろうか。後半への盛り上がりが素晴らしく、今年行われるソロツアーやそれに先駆けてのアルバムでの発表が期待される楽曲である。
11. 核心
ドラマチックな曲が続く。昨年のベストに収録された核心。初めて聞いた時にはサビが弱いだのリフがMAGICだなんだのと勿体ぶったことを書いたものだが、今となっては昨年の新曲の中でも一番のお気に入りの曲である。練りこまれた構成も良いが、稲葉さんの歌が際立った楽曲で、強弱のメリハリがついたボーカルがこちらの心を揺さぶる。
12. あいかわらずなボクら
井戸ネタを引きずるのかと思いきや、まさかのキャンプファイヤーである(どう見ても井戸なのだが)。和やかな雰囲気のメンバー紹介(喋り慣れしていないメンバーたちのぎこちなくもコミカルなメンバー紹介も見どころである)を経て、カラオケを模したスクリーンをバックに、キャンプファイヤーを囲みながら全員で「あの」曲を奏でる。
IN THE LIFEに収録され、その温かみのある歌詞やメンバー全員で歌う構成で人気があるこの曲。今回もメンバー全員で交代で歌うという粋な演出となった。むしろほとんど稲葉さんがバックコーラスを務めるという珍しい光景が見られる。最後はもちろん、松本さんのわざとらしいくしゃみでオチる。
13. 愛のバクダン
稲葉さんが名残惜しそうにあいかわらずなボクらや夕焼け小焼けをブルースハープで弾いて見せている間にメンバーが元の位置に戻る。ブルースハープの演奏に合わせて会場全体がリズムを取ったり、コール&レスポンスをブルースハープで取ったりした後に「横浜ベイベー!!」の声でシェーンのドラムソロが炸裂。
ドラムソロから、ステージはピンク色に染まり、「yeah!yeah!」のコールから愛のバクダンへ。冒頭でいきなり飛行船がステージ上から登場するという今回最大の演出が登場する。意外にも、この飛行船の操作は真下の客席でスタッフがとっており、ふとした瞬間に客席に目を移すと飛行船を捜査しているスタッフの姿があったのを覚えている。
二番の頭で観客に歌わせるのもすっかりお馴染みの姿になってきた。この曲はいつも歓声が凄く、バンドの演奏を押しつぶさんばかりの凄まじい歓声があった。
14. イチブトゼンブ
「どんどんいっちゃいましょー!!」の声でスタートするのは、すっかり定番と化したこの曲。愛のバクダンと同じようにポップながらもノリの良い曲で、その上でヒット曲と来ているので、定番化するのもうなずける話である。かっちりした楽曲のためか、あまりCDからかけ離れたアレンジになることは望めないのだが、今回のギターソロは少しだけ長めのものになった。ギターに合わせてファルセットでスキャットするのも今までにはなかった光景だ。
15. LOVE PHANTOM
恐らく大方のファンが予想していただろう。昨年のミュージックステーション同様に、イントロをギター二人で奏でるというメタリックなアレンジで、LOVE PHANTOMが登場した。Ain't No Magicツアーでの披露はあったものの、ここのところは基本的にPleasureツアーのみの披露となっているこの曲。映像を通しても、観客の物凄い声が聞こえてくるのが分かる。生憎、エンディングは長尺バージョンのギターソロではないが、ツインギターの利点を活かした迫力のある音で終わる。
16. Q&A
PV同様にナレーションとアクターによる殺陣が登場する楽曲。賛否両論あるだろうが、アクターによる殺陣はステージの上で中々に良いアクセントになっているように思う。楽曲の方も、案の定、ライブ映えする楽曲である。CDよりも長めの、まるでアルバムの一曲目かのような重厚なイントロから始まり、スピーディーな曲展開が会場のボルテージを上げる。特に「Question!Answer!」の会場のレスポンスが素晴らしくライブ向きで、DIVEなどの楽曲とともに、ライブでもこれから歌われていくのではないだろうか。生憎、ギターからのレーザーはないが、稲葉さんのマイクスタンドは蛍光色に輝いている。
17. NATIVE DANCE
ドラムがリズムを取り、バリーがベースソロを披露する。そこから始まるのはなるほど、ベースラインが印象的なNATIVE DANCE。前回のPleasureツアーでも披露されたこの曲が再登場するのは意外だった。気のせいか、前回よりもCDを意識したような歌い方になっている。最後の合唱の前には、松本さんによる気の利いたソロがあり、2008年との違いが楽しめる。
余談だが、この曲といい、ENDLESS SUMMERツアーはRUNからの選曲が凄く多かった。ホールでは月光も披露されたため、10曲中5曲が披露されたことになる。RUNというアルバムの普遍性に恐れ入る次第である。
18. さまよえる蒼い弾丸
昨年は英詞化され、ツアータイトルともなった楽曲だが、今回は原点に立ち返り、CDに近い締まったアレンジで登場。激しい曲調から、意外なほどにゆったりとしたギターソロの落差が魅力的で、ツアーの度に変化するギターソロが聞きどころだ。もう一つ、ライブも終盤に近づき、テンションが上がる一方の稲葉さんのラストのシャウトも聞きどころと言っていいだろう。
19. ギリギリchop
ギリギリchopの演奏前に、小洒落たジャムを挟むのもすっかり定番と化してきた。松本・大賀による笑顔全開のギターバトルから始まり、会場全体でタオルが回される。意図的なのか偶然なのか、GLORY DAYSとほぼ同じライブ本編ラストでの披露となった。ベースソロにあわせて観客が「Hey!」の声をあげ、ギターソロに移行する。最初こそ、ツインでのギターだったが、ここはもちろん松本さんの独壇場。ライブ終盤にも変わらず「じゃないとすぐに潰れる」の高音パートを綺麗にこなす稲葉さんの体力にはもはや感服するしかない。最後はどでかい火柱がステージから吹き出す。
20. RUN
25周年、26年目の想いを語る稲葉さん。「悪あがきなんでしょう、これはきっと」という言葉が妙に印象的でした。あがき続けるというのは、SURVIVEの頃から言っていたフレーズで、15年経った今でも変わらぬことに得も言われぬ安心感を覚えるのである。
「On Guitar, TAK MATSUMOTO!」OVERTUREのメロディがギターによって奏でられる(これも何らかの形で音源化してほしい)。気が付けば、ギターの音はRUNに変わっている。「Thank You, Yokohama!!」の声で銀テープがはじけ飛ぶ。もはや、PleasureツアーのテーマソングともなったRUNだが、毎回素晴らしい演出、演奏、発見がある。ここ数回は極限に近い状態での演奏が目立ったが、今回は比較的健全な状態での演奏だったかと思う(天候に負うところも大きいのだろうが)。イントロと同じメロディを奏でて、意外なほどにさっぱりと本編が終了する。
21. juice
粘り気のあるイントロが印象的なjuice。続く、ultra soulもそうだが、どちらかといえば、本編ラストの位置で観客のボルテージを上げることが多い二曲がアンコールというのは意外な感じである。ばて気味なことが多い、この二曲が万全な状態で見られるという意味では、この構成もまたありなのかもしれない。ただし、Disc2のホール公演のALONE〜BAD COMMUNICATIONの方がよりアンコールらしい構成ではあると思う。
アンコールには珍しく、コール&レスポンスを挟む。いつもの荒々しいものではなく、キーボードをバックに「ヨーヨーヨヨヨ!!」という南国風のちょっと脱力した感じのあるものになった。稲葉さんの声の伸びが素晴らしく「uh yeah!」「yeah, yeah, yeah ho!!」という珍しいシャウトも聞ける。
22. ultra soul
MCを挟むことなく、ultra soulへ。イントロでのギターの音が妙に恋心(KOI-GOKORO)っぽくて印象的。問答無用の必殺の楽曲なので、観客の盛り上がりも凄まじい。2012年は英語バージョンも発売、披露されたが、やはりこうしてみるとこの曲は日本語の方がしっくりとくるものがある。曲の最後で、四人がシェーンの前に集まり、ワンフレームに収まるという、これから写真でもとるみたいな演出がある。バンドを強く感じる瞬間である。
「せーの、おつかれ!!」の流れから、数千発もの花火が上がり(この花火、現場ではもっと凄い迫力があった)、花火をバックにするメンバーたちの影が妙にかっこいい。稲葉さんは最後にテンションの高いシャウトを披露。
ひとりじゃないから -Theme of LIVE-GYM-をバックに、二人が観客にお辞儀をして、退場すると、スタッフロールに移る。生憎、その後の退場曲となった新曲、君を気にしない日などはカットされた。スタッフロールではホールツアーの映像を交えつつ、OVERTUREが再登場。最後はステージに「XXVI」が浮かび上がるという中々にニクい演出。まだまだ、26年目の夏も終わらないようだ。