Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

B'z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018(前期)

今年30周年となるB'zの歴史を総括した展覧会が有楽町インフォスにて行われている。4月から5月にかけては前期ということで、最初の15年間である1988年〜2002年までの内容を展示する(2002年がB'zの歴史ではもはや前期に入ることも驚きである)。

有楽町インフォスはJR有楽町からほど近い場所に位置する。少し前までは無印良品との併設でLOFTが入っていたスペースなのだが、LOFTの撤退に伴いイベントスペースへと変更された。内容としては、過去にB'z Party主催で行われたTreasure LandとVIDEO-GYMの合わせ技である。Exhibitionでは、パネルはもちろんのこと、衣装、楽器、スタッフグッズをメインにして、前期15年を振り返る。

大型のパネルと共に15年の年表を簡単に振り返ると、まずはReal Thing Shakesのスタジオを再現したというエリアに行き着く。当時のレコーディング風景を切り取った写真、Real Thing ShakesのPVと共にその頃の空気を味わうことができる。

続いてはギター展示だが、ギターについては過去にない充実っぷりで、松本さんの所有する多くのギターを生で見ることができる。過去のライブ演出用に使われたギターは概ね堪能することができる一方で、現在メインで作曲等に利用しているであろうギターは姿を現していない。合間にはスタッフパス等の小物やハリウッドのロックウォークの展示もはさんでいる。興味深いのはB'zのロゴで、95年から使用しているロゴと2004年以降のロゴは同じように見えて実はマイナーチェンジをしているとのこと。並べてみないと分からない違いである。

ランダムで歌詞を映し出す通路を抜けると、壁面とモニターをフルに活用したミュージックビデオのコーナーに入る。XXVをお持ちのファンであれば、珍しいことのない映像だが、大音響・大画面で見るミュージックビデオはまた一つ御向きが違うのではないだろうか。このスペースは階段状のスペースが用意されており、立ち止まって映像を楽しむこともできる。

衣装やライブで使用した小物についても、恐らくは倉庫からまとめて引き出してきたのであろう。ライブ映像で目にした印象的な衣装の数々が写真やライブ映像と共に展示されている。ヒラヒラとした飾りが印象的な初期の衣装、動き回ることを念頭に置いた90年代半ばの丈の短い衣装を経て、90年代終わり〜2000年代ではライブ頭で派手な衣装を着て、以降は脱ぎ棄てていくという今のスタイルに落ち着いていくのが体感できる。

衣装の合間にはステージセットのコーナーがあり、ステージセットの模型や演出のラフ絵を見ることができる。模型については現存するものが少ないのか、業者との契約の問題なのか、ELEVENツアーとFinal Pleasureにおける渚園のセットが飾られている。背面には額縁に飾られた大型の写真があるのだが、この内の一部は購入可能とのことだが、価格等はスタッフに直接問い合わせが必要である。

最後は楽曲作成に係るコーナーで、松本さんの譜面、稲葉さんの歌詞を見ることができる。松本さんは几帳面な字でふざけた仮タイトル(有名なEasy Come, Easy Go!の「三茶のテレビはでかかった!」はもちろん、その他に!」、「稲葉、ニューヨークに行きたいか!」など仮タイトルというよりは稲葉さんを発破するようなコメントが多く残されている)があったり、初期の譜面には確定版に「TM」のハンコが押されていたなどの意外なエピソードを知ることができる。LADY-GO-ROUND〜RISKYまでの譜面が多めの印象である。

歌詞については、仮歌用に書かれた英語での歌詞や、Real Thing Shakes時に英語での取り直しを予定していたWILD ROADの英語版、有名なNew Messageの裏に書かれたultra soulの歌詞などを見ることができる。全体としては95年にリリースされた作品の歌詞が多い。年を経るごとに整然としていく松本さんの譜面に対して、稲葉さんの歌詞は自由で銀の翼で翔べやROCK manの歌詞のわきに個性的なイラストがいたずら書きされている。また作詞ノート(恐らくは初公開)も2冊だけ展示されており、太陽のKomachi-Angelといつかのメリークリスマスの作詞状況を辿ることができる。後者はかなりラフなフレーズから実際に使われたフレーズが散りばめられており、ファンには興味深い内容である。

作詞ノートと共にメンバーの私物もいくつか展示されており、有名な勝新太郎氏から貰ったというテンガロンハットや一人だけ浮きまくってる稲葉さんの大学卒業時の写真なんかも見ることができる。最後に目にするのは松本さんがグラミー賞受賞時に授与されたモニュメントである。

各展示に対して、メンバーによるオーディオガイドによる解説が用意されている。詳細な解説というよりも、当時を振り返っての思い出話というが正解かもしれない。最初の方はお決まりのエピソードも多いが、恐らくは収録していくうちに話がノッてきて後半は面白いエピソードがたくさん出てくるので、一聴の価値あり。94年の長期ツアー、BUZZ!!の派手な演出、ELEVENツアーのステージセット、juiceツアーの千葉マリンスタジアムの雷雨など、過去のライブツアーについて本人達の口から聞けるのもこのような機会ならではだろう。

お楽しみのもう一つはTheaterである。展示スペースとは全く別で、ストアの横に位置するスペースにおよそ50席程度の小さな上映スペースが用意されている。席は早いもの勝ちではなく、並んだ順番だが、意識するほどの大きさでもないかと思う。

これまでの各種映像と同様に、冒頭で二人からの簡単な挨拶を告げると、LIVE DINOSAURの千秋楽公演が映し出される。恒例の「お疲れ!」から、稲葉さんが「どうもありがとう!!」と叫び、舞台が暗転した瞬間にスクリーン上にPleasure 2018の予告が映し出される。歓声が最高潮に達した時点で映像が止まり、フィルムが巻き戻るという演出。

映像はハワイに映り、稲葉さん、松本さんの順で現地のスタジオ入りする光景が映し出される。プリプロの映像をここまでがっつり映したのはBrotherhood以来だろうか。松本さんが準備済の曲数を伝えたり、稲葉さんがセブンイレブンタイアップは「CHAMP」というタイトルを考えていると言ったり、非常に緩い調子で曲作りが進められている。

横には今回のメインアレンジャーであるYTがつき、3人でのラフな作業が続く。稲葉さんの高音にYTが驚いたり、松本さんがB'zの曲パターンについて解説したりと、Brotherhoodの濃密さとはまた違うゆったりしたレコーディング風景が垣間見れる(場所の違いか、年齢の違いか)。

必殺日置人のタイトルが決まる瞬間や、In Your Townの演奏曲の候補にSAFETY LOVEがあがったところで、松本さんが「51のバースデイ〜♪」と歌いだし、稲葉さんが「じゃあそこだけ歌ってください」と切り返すなど、和気あいあいとした雰囲気が映像から伝わってくる。DINOSAURリリース時のインタビューでも触れていたスタジオにギターやアンプがずらりと並べられている風景やそれを用いて音を確かめる松本さんの姿を見ることもできる。この際にはELEVENの頃の音が一番好きだと松本さんが発言している(その割にはELEVENの楽曲をライブで取り上げることはほとんどないが)。

このノリでIn Your TownやMV撮影、LIVE DINOSAUR本編の裏側に迫る。最後は再びLIVE DINOSAUR千秋楽のPleasure 2018発表時の映像に戻ったところで終了。二人から後期は津山、豊中の模様を見せる旨を伝えて終了となる。時間にして45分程度。後期の映像がどのようなものか分からないけれど、例えばこの映像とLIVE DINOSAURのライブ映像がセットで販売されたらとても丁度良い塩梅の映像に思える。

最後にストアについて触れておく。自分が行ったのはTheaterに合わせて16時頃だったのだけれど、案の定、人生ゲームをはじめとした人気商品はほとんど売り切れていた。平日は無料の展示イベントなので、グッズが売れているのというのは余計なお世話ながら安心する反面、欲しいものが売り切れていたのは素直に残念に思う次第(モレスキンのノートは欲しかった)。

ざっと見た感じで行くと、お菓子類、人生ゲーム、やや高級ながらもお洒落なアクセサリー系のグッズが良く売れている印象。ツアートラックやポスターもお手頃な価格のため良く捌けているように感じる。せっかくなのでパンフレットとアナログレコード他数点を購入。アナログレコードも迷ったが、RUN、ACTION、DINOSAURの3点のみとした。IN THE LIFE、SURVIVE、The 7th Bluesあたりは非常に見栄えのするジャケットなので、後期の際には購入をまた検討したい(ちなみにアナログレコードではLOOSEのみ売り切れていた)。

売り切れ商品は日を追うごとに増えているようなので、関東以外に住んでいる方のことを考えると、通販のような手段が別途取れたらよいなと思う。製品の特性上、簡単に追加生産できないものもあるかと思うのだけれど、受注生産等の形で希望者には届くような形が取れたらと思うのだが…。