SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day3が11月14日に配信されました。
恒例のインタビューはDay3の振り返りからですが、案の定もうかりまっかとHOMEに話題が集中しました。もうかりまっかについては、松本さんのトイガン、稲葉さんの小物含めて当時のものを倉庫から引っ張り出したとのこと。HOMEの寄り道については、稲葉さんがネタを一覧化して、リハは大賀さんの部分だけやっていたようです。
99年からの振り返りについては、サポートメンバーのことが多かった印象。アメリカで懇親会をしたり、ELEVENのLAレコーディングで特に稲葉さんが煮詰まったりといった話で盛り上がりました。juiceツアーでの雨の千葉マリンにも触れ、雨の量と雷はあれが一番だったと懐かしんでました。99年の横国や2003年の渚園の雨は今更なのか特に触れず。2002年にサポートメンバーに入ったシェーンとビリーについても言及。二人ともオーディションでの起用であり、当時のオーディションには他にも有名なミュージシャンがそれなりに参加していたとのこと。また日比谷野外音楽堂で外の人に呼び掛けたことは覚えているようでした。2003年の過密スケジュールについて問われると「息抜きがあんまり上手くなかった」と述懐。
セットリストは以下の通り。今回も15曲なので、このまま15曲で最終日まで行きそうです。
1.ギリギリchop
2.ながい愛
3.F・E・A・R
4.Seventh Heaven
5.野性のENERGY
6.May
7.GOLD
8.Blue Sunshine
(幕間)ステージチェンジ(Thinking of you~Blue Sunshine)
9.熱き鼓動の果て
10.今夜月の見える丘に
11.IT'S SHOWTIME!!
12.juice
13.ONE
14.Brotherhood
15.ultra soul
全体的に見るとシングルからの選曲が非常に多く、15曲中10曲がシングルからの選曲です。1999年~2003年にリリースされたシングルはRING以外はすべて演奏されています。RINGも演奏に絶好のチャンスだったとは思うのですが、RINGなしは残念な結果でした。BIG MACHINEからはアルバム曲はなし、代わりにBrotherhood多めです(と言いつつも、BrotherhoodからもULTRA Treasureに収録されてた曲のみですが)。
OFF THE LOCKが終わると映像は楽屋横の廊下でバンドが気合入れするシーンから。いかにもSHOWCASEといった感じのステージセットで稲葉さんはサングラスをかけ、バンドは軽いセッションをスタート。この時点で1曲目がギリギリchopであることは確定したようなもの。何度か聞いたことのあるギターのフレーズが登場して、演奏が止まると黒瀬さんのカウントでギリギリchopがスタート。その他の曲もそうですが、曲頭で聞こえる黒瀬さんの叫び声が懐かしいですね。イヤモニなかったころはこういうカウントの声多かった気がします。ギリギリchopのベースソロでは満園さんのドラゴンファイヤーが炸裂。相変わらずお見事な炎です。
インタビューで松本さんが前半戦は結構マジだという発言をしていましたが、ながい愛、F・E・A・R、Seventh Heavenとハードな楽曲が続きます。ながい愛はEX THEATER ROPPONGIでのSPECIAL LIVE以来の演奏です。EX THEATER ROPPONGIとENDLESS SUMMERのホール公演からの選曲が5 ERASでは目立ちますね。個人的には非常に久しぶりに聞く楽曲で、恐らく19以来13年ぶりのながい愛じゃないかと思います。ストリングスとハードな演奏が絡み合うスリリングかつドラマチックな楽曲でNEW LOVEに入ってても違和感がないような楽曲です。
F・E・A・Rは比較的よく演奏される楽曲ですが、前曲との関係で半音下げでの演奏が多かったイメージです。今回は挨拶を挟んだこともあり、原曲キーでの演奏。ENDLESS SUMMERで映像化されたり、AEROSONIC、EX THEATER ROPPONGIでやったりしているので久しぶり感は薄いですが、よく考えると全然聞けてなかったなという気がします。ライブ序盤ながら稲葉さんの運動量が凄まじく、所狭しと駆け回ってました。
Seventh Heavenからは懐かしい曲のゾーン。Seventh HeavenはELEVENの中でも明るくキャッチーなロックナンバーですが、演奏はアルバムツアー以来19年ぶり。頭で増田さんのキーボードとリズム隊が絡んだ時には『快楽の部屋』みたいなメロディになっていましたが、間もなく印象的なイントロが登場。満園さんがぴょんぴょんはねながら演奏してたのが印象的でした。概ね原曲通りの披露でしたが、増田さんのキーボードがやたらと強調されてましたね。
すっかり観客がいないことに慣れた調子でMCをすると、黒瀬さんのドラムから野性のENERGYがスタート。EX THEATER ROPPONGIの演奏もそうですが、原曲よりもここまで濃厚に演奏される楽曲も珍しいです。原曲はバンドサウンドながらも明るく少し隙のあるサウンドなのですが、ライブではバンドが音の隙間を埋め尽くして非常にタイトな演奏になっています。稲葉さんの少し枯れた響きのある声が、当時よりも歌詞を生々しく伝えてくる気がしますね。
実に20年ぶりに演奏されたのがMay。SINGLE BOX以外ではライブ映像を見る手段がないので、非常に貴重な選曲となりました。当時はB'zの王道のつもりで作ったら、新しいと評されたバラード。インタビューで稲葉さんはこの曲はリリース当時歌うのが難しくしっくりこなかったが、今回は割とうまく歌えたと発言。割としんみりした調子のバラードなのですが、ドラムを叩く黒瀬さんが満面の笑みをたたえてたのが結構印象に残ってますね。
続くGOLDはENDLESS SUMMER以来。シンセの音をバックにMayとは真逆の温かみを持ったメロディが展開されます。インタビューの時に松本さんがほっとすると発言したのはこの曲じゃないかなと思うのですが(ピー音で聞こえなかったので分かりませんが)、この曲は安定しているなという印象を受けます。満園さん・黒瀬さんがいた頃はELEVENツアーで新曲として演奏していた曲ですが、変わらぬ輝きを感じます。19年を経てまた同じメンバーで演奏していることやGOLDのMVを思い出すと感慨深いですね。
稲葉さんがアコギを抱えた時点で曲目が分かった人も多いでしょう。EPIC NIGHT、Pleasure in Hawaiiでも演奏されたBlue Sunshineが登場。GREENの中でも一等キャッチーな楽曲ですが、ここ5年で一気に演奏頻度が高まりましたね。稲葉さんにとって歌いやすい曲でもあるのでしょう。それまでは若干掠れ気味だった声がこの曲では伸びやかに響きました。アレンジはEPIC NIGHTとほぼ同じかな。
ステージセットを変更するということ、松本さん、稲葉さんの二人はステージ裏へ。衣装ルームで渚園の衣装を眺めた(稲葉:2013年・・・違うわ!2003年/ポールの錆がついたまま歌ってた)後は、バンドメンバーの控室へ。大賀さんの机にはルービックキューブ、満園さんの机にはゴルゴ13、壁にはプーチン大統領のカレンダーとDay2のステイホームネタを回収。黒瀬さんの机の上の煙草をみて「あいつまだ吸ってんの?」と素で喋る松本さんが印象的。
稲葉さんは自身の控室への入室をなぜか拒み、松本さんの控室の前ではネームプレートに何枚もの切手が貼られているという、これまたDay2のステイホームネタ。「ビードロを吹く女」から始まり、最後は「稲葉写楽」と名前を呼びあげると、「これが言いたかった」と満足げな松本さん。「かなりのコレクション」「僕くらいになるとこれくらい(ネームプレートに惜しげもなく貼る)やっちゃう」と松本さんは自慢げ。
続いては廊下に貼られたポスターゾーン。Brotherhoodのポスターでは、ヘリの写真を見て「命がけだった」と松本さんが述懐(松本さんは合成です)。juiceのリポビタンDパロディポスター、その際に松本さんが演出で壊した瓶、ELEVENのポスターとELEVENで使った缶、今夜月の見える丘にやGREEN、IT'S SHOWTIME!!、野性のENERGY、BIG MACHINEのポスターを巡っていきます。GREENの前にはサーフボードがあり、稲葉さんが当時サーフィンしてなかったと言うと「陸じゃん、陸!」と何故か嬉しそうな松本さん。また二人ともマキシシングルの意味がもう一つ分からないらしく、ミニアルバムとどう違うのかとボヤいていました。
シャンデリアが今回のSHOWCASE専用に設置したものと知ると「じゃあ、俺がもらっても大丈夫だ!」とシャンデリアを欲しがる松本さん。稲葉さんが「そういうこと言います?」と笑うと「いや・・・すみません」と謝罪。そのまま飲み物を売るカウンターに来ると、そこにはグッズがずらり。Tシャツは過去のものも展示してあり、juiceの写真が使われてるからELEVENのTシャツかなと稲葉さんが推理。また、マスクを見て、これがグッズになる時代が来るとはと・・・と二人で呟いていました。
Day2のlove me. I love youで通った扉やロッカーを稲葉さんが紹介して、ソファで一服。稲葉さんが「未だかつてこんなに休憩が入ったこと、あるでしょうか・・・」と本番中の休憩について言及。互いに飲み物を飲んで一服すると、二人の背に置いてある5 ERASのロゴを見て、松本さんが稲葉さんに持って帰った方がいいと熱弁。
机の上には譜面と歌詞を挟んだファイルがあり、稲葉さんが懐かしいを連呼しながらめくっていく。SURFIN' 3000GTR、ultra soul、guityなどがファイリングされているのが分かります。Raging Riverは松本さんが「どんな曲だっけ?」と聞き、稲葉さんが鼻歌を披露。「長い曲だ」と思いだし、LAレコーディングが大変だった話が再び。稲葉さんが「この辺なんか覚えてないんじゃないですか」と言うと「タイトルは何となく覚えてる」という松本さん。その歌詞カードを抜き取り、おもむろに歌いだしたのはなんとThinking of youです。juiceツアーのENDING SEとして使われたまま未演奏の楽曲です。サビまでは歌いませんでしたが、3日間を通して本当に未演奏の曲が演奏されたのはこれが初めてです。ライブでやってないことに驚く松本さんと「今度やってみましょうよ」と促す稲葉さん。今後の選曲に期待です。
別の曲の譜面を差し出し、「見えますか?」という稲葉さんに「見えますよ!」と不満げな松本さん。字が小さいからではなく薄いから心配したのだと弁明する稲葉さんに「最近その辺はデリケートだから」と笑ってみせる松本さん。弾きだしたのは先ほども演奏したBlue Sunshine。松本さんが「止めようよ」とサビ前でストップ。稲葉さん「やばいな・・・記憶力が」とぼけて見せる。
気を取り直して、今度は熱き鼓動の果てをワンコーラス演奏。稲葉さんの歌い方はちょっと鼻にかかった感じで、最後は「ひびく~~」と熱唱。そこでステージ準備完了ということで、立ち上がりステージに向かう二人。マイクを返却すると松本さんが「(マイクが)カタカタあたってうるさくって」と言うと稲葉さんが笑いながら「TAK、怒ってる?」と松本さんの肩を掴み茶化すシーンも。神棚に一礼し、検温を通過すると二人で「YES!!」と二人してガッツポーズ。
階上に戻ると客席にバンドが円形状に並ぶようにセッティング。サポートメンバーからの声援を受けながら、「続き行っちゃいましょうか」の声で熱き鼓動の果てが再開。ビルの屋上のような風景が四方のスクリーンに映し出され、MVの再現。アコースティックに演奏してから、場所を変えるという部分含めて再現だったわけですね。風景がグルグル回るのですがちょっと酔いそうな感じです。最後はZepp Hanedaらしく飛行機が登場。「モウスグデ アナタニアエル」はこころなしか少なめ。
今夜月の見える丘には昨年に続いての選曲。ヒット曲であることに加えて、ストリングス等には頼らず純粋にバンドだけで奏でられるバラードなので、二人としては選曲しやすいのかもしれません。スクリーンは一転して夜の風景に切替。今夜月の見える丘にはバンドによって、イメージが変わる曲の筆頭で、昨年は全体の音が派手なイメージでしたが、今回は良い意味でもう少しこじんまりしてたかなという印象です。ギターソロ前の雰囲気がバンドによって違いますよね。
黒瀬さんの小刻みなドラミングからIT'S SHOWTIME!!がスタート。この曲も印象がだいぶ違うというか、シェーンのドラムでしか演奏されたことがないのでそれだけでもかなり新鮮。この曲は黒瀬さんがMVPで、Aメロ歌った後の見事タイミングでの雄たけびやラスト大サビでかなり派手なドラミングを披露して「おお!」という声が思わず漏れました。大サビに入る前に赤いスクリーンをバックにバンドが影になる一瞬も素晴らしく絵になってました。個人的にはDay3のMVP曲です。
IT'S SHOWTIME!!からそのままjuiceへ突入。四方には観客の映像が映し出され、バンドのテンションも一層上がったように感じます。コールアンドレスポンスが挟まれることが多いのですが、無観客なのでやるとしても原曲通りかなと思いきや普通にコールアンドレスポンスを挟んできました。とは言え観客がいないので、稲葉さんはバンドメンバーにレスポンスを要求。上手くかみ合わず笑ってしまうシーンがあったり、松本さんに沢山歌わせたりと曲の激しさとは裏腹に和やかなイメージでした。
終盤でようやくのメンバー紹介。大賀さんはノリよくルービックキューブをやってる真似をして見せ、黒瀬さんには髪の色が赤から青に変わってることを突っ込みましたが返事は上手く聞こえず。満園さんは全く変わらぬ出で立ちに「庄太郎はいつも庄太郎」と太鼓判。増田さんには「スパシーバ!」と声をかけると、増田さんから「引っ張るなぁ!」の一言。しかし、その増田さんもTwitterでロシア語ネタを披露していました。当分続きそう。松本さんはニヤッと笑って「楽しいよ」と感想を述べると、次の曲ONEへ。
ONEは2017年のIn Your Townで披露されていますが、当然ほとんどの人は聞けていないので、多くの人にとってはGLORY DAYS以来12年ぶりでしょうか。TEASERムービーで二人が眺めていたこともあり、やることは分かっていた楽曲の一つです。1999年の映像を再現するかのようにスクリーンには雨が降る風景が映し出され、最後には歌詞の通り、朝日が昇っていきました。
最後にBrotherhoodとultra soulがくることはここまで来れば多くの人が予想できたのではないでしょうか。Brotherhoodは二番頭を「誰もが毎日くたくたになってる」に変更。またギターソロは2011年から続けてきたバージョンではなく久しぶりにオリジナルのギターソロが登場。Brotherhood、ONE共にULTRA Treasureで人気TOP3にランクインした楽曲です。HINOTORIでは稲葉さんの不調が目立った楽曲ですが、それを払いのけるように力強い「We'll be alright!」の声でした。ただし、最後の「Alright」のくだりはちょっと辛かったのか裏返り気味。ここの叫びは若い頃じゃないと辛いかもしれません。
ultra soulはやや稲葉さんの声が埋もれ気味ですが、バンド全体が最後の曲を楽しもうという感じで笑顔なのが印象的。ギターソロはオリジナルではなく、スローなバージョンが登場。最後は紙吹雪がまって本番のライブさながらです。曲が終わるとバンドが円形に集まって天井を見上げるアングルでお疲れをする珍しいシチュエーション。スクリーンには野外でのライブを思い出すよう(この期間は横国、千葉マリン、西武ドーム、渚園と野外ライブがすごく多かった)に、花火の映像が映し出され、バックにはEverlastingが流れエンドロール。
最後に二人が廊下で打ち合わせしている風景が映し出され、稲葉さんが「じゃあもう全部やっちゃいます?」と言うと松本さんが「いや一部で・・・」とやり取り。カメラに気が付くと「ちょっとやめてもらえます?」と言いながらイチブトゼンブの歌詞カードを見せて終了。イチブトゼンブのDay4での予告でした(予告されなくても分かるといえば分かりますが)。
曲としては15曲でしたが、途中のステージ変更の時間が長かったので、配信としては2時間弱で最長になりました。Day2までとは違って、黒瀬さん・満園さんの賑やかしみたいなのが入るし、陽気な二人なので、バンドの雰囲気が少し若くなってたのが印象的でした。アルバムにはアップテンポな楽曲が多い時期ですが、シングルにはバラードやミドルテンポの曲が多かったため、意外とDay3もミドルテンポが多かったなという印象。Brotherhoodからは3曲もアルバム曲が演奏された一方で、BIG MACHINEからはシングルのみとアルバム間でも差が出ましたね。例えばアラクレなんかは演奏されてもおかしくなかった気はするのですが。
仲の良いバンドですが、本日Day4のドラムは黒瀬さんから田中さんに急遽変更になる旨がアナウンス。細かい事情は明らかになっていないのですが、急なニュース、対応なのでびっくりしています。Day4の本番かインタビューで簡単に説明があると良いのですが。