Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

桜井和寿 × 稲葉浩志 Vocalist対談

稲葉浩志 Official Website「en-zine」スペシャルコンテンツ Vol.6
桜井和寿 × 稲葉浩志 Vocalist対談

稲葉浩志 Official Website「en-zine」スペシャルコンテンツ Vol.6の公開です!

久々のお届けとなるen-zine対談のゲストにお迎えしたのは、Mr.Children桜井和寿さん。
デビューから長きにわたりバンドのフロントマンとして歌い続けてきた二人の共演は今回が初となります。

“歌う”ということについて、今だからこそ、じっくり話してみたいという純粋な気持ちから実現に至ったこの対談では、互いが親近感を覚えた出来事から、シンガーとしての素朴な疑問や普段の喉のケア、作詞についてなど、ここでしか知り得ないエピソードも披露。貴重な2ショットでありながら終始漂う和やかな空気感も含めて、キャリアを積み重ねてきた “歌う者同士” の尽きないトークをぜひお楽しみください。

松本さんの課外活動が目立っていた最近ですが、稲葉さんからの久々の活動です。久々のen-zine対談でミスチルの桜井さんを呼んでVocalist対談を行うというまさに夢の対談。90年代から今日にいたるまで文字通りトップを駆け抜けた二組のアーティストのボーカル同士が1時間以上にわたってトークを繰り広げる、本当に貴重なツーショットです。
ミュージックステーションでのステージ裏やライブでの挨拶くらいでしか交流がなかったという二人なので、お互いに気を遣って言葉を選んでいる部分は多分に見受けられますが、それでもボーカリスト、作詞家として互いの質問に率直に答えています。一番の盛り上がりが吸入器のくだりというのが、何とも愉快ですが。
二人の意見がちょっと違うなと感じたのは、ホールライブにかかる部分でしょうか。桜井さんはホールライブをこなすのは非常にパワーがいると言う一方で、稲葉さんはそういうスケジュールが染みついてて苦ではないというスタンス。一方でライブ前後の気持ちや取り組みについては、個人差はあれど共感できることが多分にある様子でした。
非常に勝手な分析ですが、桜井さんはライブでも作品でも「表現者」としてのスタンスが非常に強いように感じます。年齢による考え方の変化はあるものの、ライブでも作品でもどうやったら伝わるかを考えている。だから気持ちに表現が追い付かないともどかしくなって喉の手術を受けるし、簡素なかつタイトスケジュールなホール公演では曲の全てを伝えきれないと感じるのかなと。ライブも初日が上手くいくと、翌日同じレベルの表現ができるか非常に気になる。MCで曲の雰囲気を台無しにしたくなかったり、年齢を重ねて自分が変わっても曲に失礼がないようにというのも、曲の表現が正しく伝わることを考えている。
一方で稲葉さんは「パフォーマー」としてのスタンスが非常に強い。よく言われているようにアスリート的と言っても良いのかもしれません。全力でこなすことで何かをファンに感じてもらえるという考え方なので、距離がより近くファンが自分のパフォーマンスを感じてもらえるホール公演が好き。総合的なパフォーマンス重視なので、段取りに体が慣れてくる2日目の方が得意なのかなと。MCもパフォーマンスの維持と全体のバランスを考えてやってるので、稲葉さんはあんまり曲についてはライブでは語らないですよね。昔はアルバムタイトルの意味を語ってましたが、最近はそれも少ないですしね。
稲葉さんはフィジカル、桜井さんはエモーショナルとでも言えばいいのでしょうか。作詞とボーカル、二人きりのユニットのフロントに特化してきた稲葉さんと、作詞作曲をこなし、時にはギターも担当してきた桜井さんのキャリアの積み上げ方の違いによるものも大きいでしょうね。
あとは音楽のバックグラウンドでしょうか。稲葉さんは何を言ってるか分からないけどかっこいいという感情を洋楽を通して経験しているので、極論すれば歌詞は曲にはまってりゃどうでもいいというスタンスがある分、歌詞や曲を通して伝えることよりも、曲全体で良く聞こえるかに重きを置いている気がします。とは言え、性格上、適当にもやれないので作詞という担当を与えられた以上は精一杯の表現をしているといった具合です。
ただ、二人とも届ける先はファンに向いているので、現状のキャパ半分以下で声出し禁止のライブにはあまり積極的になれなかったりみたいな部分は一致してましたね。音楽を作る・披露するうえでの誠意みたいなものは二人とも同じなのかなと思いました。
1回見ただけで上記以外にもいろいろな感想が沸き上がる非常に魅力的な対談になっていると思います。二井原さんのように後で音楽的なところで絡みがあると面白いですね。

www.youtube.com