SGCホール有明は国際展示場、東京ビッグサイトから徒歩で行ける距離にあり、言うまでもなく新設の会場。東京ビッグサイトから会場に向かいましたが、事前にSNSで道順などの案内があったこともあり、すんなりと会場に到着。会場外でのグッズ販売は終えており、長めの待機列を形成。B'z PART限定のため、今回は身分証とのチェックがあるため入場に時間をかけるかと思ったが、待機列の見かけの割にはすんなりと入場。入り口では公演名、公演日の入ったリストバンドを配布。普段ならガチャガチャなどで売られるものなのでちょっとうれしい。
会場内でもグッズ販売があるが、なぜか入場時のチケットのQRコードが必要とのこと。キャップはすでに売り切れており、Tシャツとループタオルのみなので、非常にスムーズに購入。
中に入ると1階席にはパイプ椅子ではなく、席番があらかじめ記載された真新しい専用の赤い椅子がずらり。いわゆるアリーナというかホールに相当するが、音楽イベントを意識しているため、平面ではなく細かい段差がきちんとついている。2階席の左右端はかなり前まで出ており、意外なほどにステージに近いように見える(開演後、観客が立ち上がると結構目立つ席)。
ステージは特に飾りもなく、背面に大きくFYODのロゴを映すのみ(ライブ中はこれも消えて、スクリーンの利用はなし)。会場内にはドームとほぼ同じと思われる洋楽がBGMとしてかけられている。参考までに開演前に、閉演後に流れていた曲は覚えている限りでは以下の通り(順不同)。
Strange Kind of Woman / Deep Purple
I Shot the Sheriff / Eric Clapton
While My Guitar Gently Weeps / The Beatles
Mr.Clowley / Ozzy Osbourne
Get a Lead Out / Aerosmith
Long Away / Queen
Changes / Black Sabbath
Stairway To Heaven / Led Zeppelin
Hells Bell / AC/DC
I Stole Your Love / Kiss
Cause We've Ended As Lovers / Jeff Beck
Mama Kin / Aerosmith
定時に始まることが最近は多かったが、収録と開演を告げるアナウンスが7~8分程度遅れ、開演したのは17時10分ごろだったと記憶している。
01.濁流BOY
会場が暗転、照明が青くなり、濁流BOYのせせりあがってくるようなイントロが長めに響く。バンドメンバーが下手から登場し、松本が上手から登場し定位置に。最後に稲葉が下手から登場し、「Yeah!」の掛け声でスタート。FYOPの中でも人気曲だと思うのだが、昨年のドームツアーでは演奏されなかったこともあり、会場は一気に興奮状態に。このクラスの会場だとメンバーの衣装はラフなことも多いが、収録を意識して本ツアーのようにしっかりした衣装を着込んでいる。
02.ZERO
「B'zの・・・B'zの・・・」で会場を稲葉が盛り上げ「今日は違うな」とLIVE-GYMではないことを軽く強調し「B'z PARTY presents FYODにようこそ!」と叫ぶと松本がドリルを持ち出し、観客を煽る。短いドラムのリズムからピアノのイントロ。増田がサポートメンバーだった頃はイントロでもったいをつけることも多かったが、すんなりとスタート。稲葉は「東京!!」と煽り(回転はなし)。Highway Xツアー以来の演奏だが、声出しありの演奏は久しぶり。2曲目ということもあり、しっかりとした演奏。最後には松本が再びドリルを使用。
03.love me, I love you
稲葉はマイクスタンドを持ち出して演奏。割と演奏頻度は多いのだが、アリーナやUNITE、5ERASなどの限られた公演のみでの演奏のため、自分としてHINOTORIツアー以来となった。ポップな曲とは裏腹に凝ったリズムがドラマー泣かせだが、シェーンは手慣れた感じの演奏だった。間奏で手拍子を即座にあわせられるあたりにB'z PARTY限定ライブらしさを感じた。
04.今夜月の見える丘に
B'z PARTY限定と言えどもイントロでわっと声が出るあたりにこの曲の人気ぶりを感じる。STARSツアーで演奏されていることもあり、そこまで久しぶりな感じはしないが、UNITE02に参加していなければこのメンバーでの演奏を聴くのは初めて。前2曲同様にかなり原曲に忠実に演奏されており、ギターソロも前半はシングルバージョンに近しいスタイル。
05.春
「春っぽい曲を久々に・・・」というMCから始まった、タイトルがそのままズバリ春。元々はThe 7th Blues収録のややマイナーな楽曲だったが、2007年の19ツアーで唐突に演奏されたことがきっかけで翌年のB'z The Best "ULTRA Treasure"収録までのし上がった楽曲。春の爽やかなイメージとは裏腹にシリアスなラブソング。人間関係と季節を重ね合わせ、春を待ち望むドラマチックな楽曲で、個人的には19ツアーよりも稲葉のボーカルは説得味を増したように感じた。イントロ、ソロ、アウトロでギターがぐいぐい鳴る楽曲なのだが、この演奏はちょっと怪しめ。
06.ペインキラー
ドラムからピアノのリフが流れると会場の中が前曲とは別の意味でどよめきに。STARSのシングル収録されたものの、当年のツアーでは披露されず、生演奏は諦めていた楽曲。タイトルからは想像もつかないほど綺麗なメロディとアレンジが光る楽曲で近年のB'zにはないタイプの楽曲と言える。2番サビ後の転調が美しいのだが、その最後を思いっきり高く上げて歌う稲葉に調子の良さを感じた。アウトロでも高いシャウトを繰り出していた(高すぎて聞き取りづらかったのはご愛敬)。
07.INTO THE BLUE
ここでようやくFYOPからもう1曲。FYODの名を冠しているが、FYOPの楽曲はこのあと2曲しか登場しない。B'z PARTY限定のライブということでセットリストはFYOP+と同じにはならないと思うが、SHOWCASEの位置づけでもあると思っていたのでこの少なさはかなり意外だった。曲自体は昨年も演奏した楽曲であり、伸び伸びとした演奏で会場をシリアスなムードから掬い上げた。
08.今では…今なら…今でも
川村用のキーボードと椅子が正面にセットされ、松本・シェーンの2名は退場。清、YTも少し後ろに座る形。何が始まるのかと会場が固唾をのんで見守っていると、稲葉から「どうしたんですか、なんかシンとしちゃって」という突っ込みが入り笑いが漏れる。昨年も同じ形式でやったことを告げ、プラスということで清とYTを指し、ドームツアーに来た人はどれくらいいるか手を上げさせる稲葉(もちろんほとんどが手を上げていた)。「ファンクラブの皆さんなら分かるはず、分かるかな」と言って演奏されたのは今では…今なら…今でも。B'z The "Mixture"で取り上げられながら演奏されなかったため、BREAK THROUGHツアー以来、36年ぶりの演奏となる。昨年も東京やとなりでねむらせてで度肝を抜いたが本当に何がくるか分からないコーナーだ。
ギターがない分稲葉がブルースハープで音の隙間を埋めるのだが、歌謡曲味を増すのが面白かった。YTと清がコーラスが加わったこともあり、新しい形として成立していたかと思う(清はベースを手にしていたが弾くことはなくハンドマイクでコーラスに徹していた)。曲終わりには稲葉が「何年ぶりだろう?」「聴いたことある人います?」「私も初めて聴きました」と冗談を言って会場を笑わせていた。
09.Tokyo Dream Park
TVなんかでもよく耳にするけど生で聴きたいよねと煽ってから、稲葉は退場。確か六本木EXシアターも昔ファンクラブ限定でこけら落としをしたと言ったのもこのあたり(観客から軽く違うと言われて自信をなくしていた。そして実際六本木EXシアターの公演はファンクラブ限定ではない)。松本が正面に立ち、会場のテーマ曲を奏でる。近年のインストゥルメンタルでのタイアップ曲同様にメインメロディの分かりやすさとは裏腹に曲展開自体は割と変化に富んだ楽曲で、途中には大きめのコーラスが入るのが特徴の曲。
10.イルミネーション
一旦バンド紹介を挟む。大きな会場では名前を呼ぶだけのことが多いが、この規模なので一人ずつコメントをもらう稲葉。ファンクラブ限定のライブ、新しい会場でどんな気持ちかと聞くもちょっと困った風のYTや清に対して、ちゃきちゃき答える川村。古いのもいいけど新しいのもいいという川村に乗って、「そう!新品はいい!明日からは・・・」と言いよどむ稲葉に「熟成されていく」と川村からフォローを受けていた。シェーンが日本語で簡単にコメントし、松本はファンクラブ限定というコメントを受けて会員への感謝を畏まった風に述べて会場に笑いをもたらした。
続くイルミネーションは季節としては冬だが、割とお気に入りなのかタイアップ曲だからか、昨年に続いての演奏となった(昨年も季節関係なく演奏していたが)。演奏自体はこなれてきており、愛のバクダン的なポジションに今後なっていきそうな印象を受けた。
11.FMP
FYOPの楽曲が立て続けに登場。照明で赤く染まったステージ上で清が前に出てベースソロを弾きだすと会場の雰囲気が目に見えて上がりだす。ドームツアーでは会場を温める1曲目として演奏されたが、そうした経験を経てさらに力強い楽曲になったように感じる。サビでは会場全体が稲葉の声もかき消さんという勢いで合唱し、ドームツアーとは違う楽曲の側面が見えてきた。今後も積極的に演奏していってほしい楽曲。
12.Heaven Knows
シェーンのドラムをバックにコール&レスポンスで会場を煽る稲葉。いつしか稲葉の声は聞き覚えのある「wow wow wow~」のメロディになり演奏されたのが、リリース前の新曲Heaven Knowsである。FYOPと同時期に製作されたが、タイアップのために温存されたと思われる楽曲。FYOP+盤への収録で多少の物議を醸したが、先日FYOP+盤と同日の配信が決まった(本当によかった)。曲自体はソリッドなロックでFYOPに収録されても違和感はなかっただろう。A→B→サビ→A→サビ→B→サビという曲構成がやや変則的で、間に「wow wow wow~」のコーラスも入るのでちょっと複雑な曲ではある。とは言え、アリーナツアーで盛り上がることは間違いない。
13.有頂天
ちょっと長めにシェーンがドラムを叩き、YTがジャカジャカとアコギを鳴らしてみせる。これは有頂天だと感じたところで、松本が一風変わった演奏をするのでやっぱり違うのかと思いきや、やっぱり有頂天のイントロが鳴り出す。よく聞いているような気がするが、自分も含め恐らくほとんどの人は生で聴くのはWhole Lotta NEW LOVEツアー以来だろう。久しぶりだからというわけでもないが、「Yeah」の声は一際大きく感じた。アレンジのせいだとは思うが、ギターの音色が普段よりも低く感じた。
14.Liar!Liar!
特徴的な電子音が鳴り響き会場はまだまだボルテージを上げる。有頂天もそうだが、ROCK IN JAPAN、UNITE02などフェスでの演奏率が高く、意外と単独ライブでの演奏回数が少ない楽曲である(2017年のB'z In Your Townまで遡る。個人的にはなんとC'monツアー以来である)。Heaven Knowsあたりからそうなのだが、会場の照明がホールクラスとは思えないくらい充実しており、本曲でも目まぐるしく動くライティングが曲の勢いを増幅させていた。イントロのニュアンスが演奏のたびに違うのだが、今回は少しシンセ味が薄れて可愛らしくまとまっていた印象。その分曲との落差がすごかった。大きく溜めてから「それでいい」を歌うはROCK IN JAPAN同様。
15.ultra soul
本編最後は外せない楽曲ultra soul。イチブトゼンブは昨年から日替わり曲に変更されたが、ultra soulだけはたとえB'z PARTY限定でも外せないようだ。しかし、ライブ中はそんなことを考えているわけもなく、音を聞くよりも早く体が勝手に反応する勢いで演奏にノった。松本の「Hey!」をドーム以上にしっかりと聞けたのも大きな収穫と言える。
ENC01.ハピネス
アンコールのウェーブを受けてバンドが再登場。川村がハッピーバースデーのメロディを奏でると会場全体で合唱。稲葉はテナー風の声で歌い、松本はニコニコとしていた。まさかのケーキまで登場し蠟燭を吹き消し二人でケート撮影というイベント(後ろにいたシェーンが気を利かせてドラムから退避)。会場で祝ってもらうという珍しいイベントに松本も喜びと感謝を伝えると、稲葉が「食べないの?
」と茶化し、「後で!」と松本が答えていた。
和やかなムードを象徴するように始まったのは、これまた懐かしいハピネスである。個人的にはACTIONツアー以来だが、中にはENDLESS SUMMERのホール公演で聴いたラッキーな人もいたかもしれない。どちらも半音下げで演奏されたが、今回は原曲キー。結構高めのキーだと思うのだが、アンコール明けで体力があったのか、稲葉は朗々とこの曲を歌い上げた(ハモりにつられそうになってたようなシーンもあったが)。最後は会場含めて「シャララ ハピネス…君こそがハピネス」を合唱(君こそで稲葉は会場を指さす粋な演出)。
ENC02.ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE〜
2018年にハワイで行われたファンクラブイベントでも演奏された楽曲で、何かつながりを感じてしまう。その際と同様に頭で松本が軽くギターを弾いてみせ、早弾きのイントロはサポートであるYTが担当。ラストの曲であり、ファンクラブ限定ということで少し気が緩んだのか歌詞が怪しい部分があったが、何とか乗り越えて大団円のラストへ。曲が終わった後に会場全体でもう一つのサビを歌えるのがこの曲のいいところでオーラスに選ばれやすい理由だろう。
EX.Heaven Knows(MV撮影)
「終わりです!」と稲葉が珍しい締めをするものだから、会場は「ええー!」と返す。稲葉は「ええーって久しぶりに聞いた」と笑い「終わりなんですが・・・」と喋りだし、この会場でHeaven KnowsのMV撮影をするのでもう少し待ってほしい旨を告げて、準備のためいったん退場。しばしの後にMV用に二人が着替えて出てくると「わかってると思うけどいつも以上に盛り上がるように」と告げて、再びHeaven Knowsを演奏。シェーンに呼びかけ、ドラムのリズムから始まったので、音源を利用しないタイプのMVの可能性もあるかもしれない。MVなので二人のそばにカメラがぴたりとついているが、会場を気にしてか稲葉はたびたびカメラを超えて会場に向けてパフォーマンス。1回限りの演奏で撮影かと思ったが、翌日も撮影したとのこと。個人的にはHEATを大阪城ホールで撮影して以来のMV撮影参加だった。
全てのメニューを消化し、恒例のお疲れ!を実施。「MV見てください」と告げたり、先のMCで六本木EXシアターでファンクラブイベントをやったというのは誤りと訂正するあたりにファンクラブ限定の気安さを感じる。本人も自覚はあるらしく、少し緩んだ珍しい雰囲気をライブを新しい会場でやれたことの感謝を松本と共に告げて退場。会場にはその先へ…が流れていた。
久しぶりのファンクラブ限定のイベント。意外だったのはアルバム曲の少なさ。ただこれは限定を意識した結果で、アリーナツアーではさすがにもう少し増えるのではないかと思う。FAITH?がまたしても聞けなかったのは残念。曲名だけ見ると珍しさはない曲もあったが、実際には結構久しぶりの曲も多く、テンポよくライブが進んでいく小規模公演らしい楽しさがあった。そして何といっても音楽イベントを想定しているだけあって音がきちんと聞こえてくるのが嬉しい。シェーンのドラムは体に響いてくるし、音の大きさも申し分なく、B'zの音楽を体全体で味わうことができた。2026年最初のB'zのライブ、大変楽しく貴重なものだった。