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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Koshi Inaba LIVE 2024 ~enⅣ~ Kアリーナ横浜公演

有明アリーナに続き、enⅣとしては2回目の関東公演となるKアリーナ横浜公演の1日目に参加しました。B'z、ソロを通じてKアリーナ横浜での公演は初めてとなります。「只」の文字を象ったステージの花道から、そのままに会場自体が扇型に開き、傾斜の強いレベル3、5、7の高層階まで観客席が広がっており、今回のステージがぴったりはまっています。音楽イベントを念頭に置いた会場のためか、ステージサイドに席はない構造も大きな特徴。
今回はB'z PARTYの一次抽選で獲得したS席での参加ですが、レベル5のかなり上方からの参加。他の機会にレベル7を経験したことがありますが、レベル7はスクリーンも遠いため、客席上部に小さいモニターがあり、そちらがメインになりがちなのでそれよりはだいぶ見やすいかなという印象。上方からはステージ床面も見えるのですが、白い床にうまく照明を当てて真上から撮ると床自体に絵が映っているような綺麗な映像になるのが不思議。斜め上から見ても照明が当たっているようにしか見えないのですが。
公演の内容は大枠で有明アリーナ公演と変化はないのですが、日替わり曲はだいぶ違うので、その備忘です。

セットリストについて
複数の日替わり枠に公演ごとに違う曲を割り当てて、公演単位で違うセットリストになるのはソロ公演の大きな特徴。何が来るか分からないドキドキと○○会場の○日目という形で予想が組めないため、複数公演に参加しても同じ曲を聴いてしまうこともあったりする。
有明アリーナ2日目とKアリーナ横浜1日目では「くちびる」「あの命この命」が共通となった。また、「シャッター」と「我が魂の羅針」は日替わりで演奏されていたが、本公演のみ両方演奏された。それまで「波」「Salvation」などの楽曲が演奏されていた枠に「シャッター」が収まった形となる。
全体では曲数が1曲追加となり、アンコール含めて23曲と近年ではかなり多めの曲数となっている。何公演か経て、もう少し行ける、もう少しボリュームが欲しいと判断した結果だろうか。屋内で週2回をベースに公演するので、比較的体調は整えやすいツアーなのかもしれない(屋外メインだったSTARSや連続開催のen-Zeppよりは)。時間を取るような演出があるわけではないので、公演自体は2時間15分程度。

BANTAM
特に大きな変化があったわけではないのだが、間奏でステージに寝ころんだ稲葉が起き上がるのが一瞬遅れたために、最後のサビに微妙に出遅れていた。その借りを返すようにサビの最後では気合のこもったロングシャウトを披露。

念書
Singing Bird」の先行配信シングルにも関わらず、「Singing Bird」の爽やかな作風からは一線を画す楽曲。どちらかと言えば「只者」の作風に近く、本公演でも違和感なく組み込まれた。スクリーンにはMVの檻を思わせる映像が照明とあわせて映し出され、ステージ中央では稲葉が歌唱。特徴的なピアノのリフが流れると、自分の周りでは「おお・・・」という低い歓声。en3.5でもハイライトの一つだったが、今回も気迫のこもった演奏。ここでも最後に金切り声のようなシャウトが炸裂。

Golden Road
Singing Bird」からの、恐らくは稲葉自身のお気に入り曲。シンセサイザーのイントロからバンドが入るところで、「イチブトゼンブ」のようなノリでジャンプ。en3.5同様に花道を黄色の照明で彩り、「Golden Road」に見立てて歩きながら歌っている。ミドルテンポな楽曲に「信じた道をゆけばいい」という真っすぐなメッセージを乗せた楽曲だが、「無理をしたっていいんじゃない」とサビ後半で稲葉節が炸裂して観客と声出し出来るパートがあるのが特徴。

我が魂の羅針
スクリーンには焚火の炎のような映像が映し出され、ステージ上にも火の粉が散るような照明が。過去にも素晴らしいバラードを制作してきた稲葉だが、ゲームタイアップという条件がこれまでにないバラードを生み出した。ぽつりぽつりと語るような歌い出しから、ファルセットの入り混じるサビまで綺麗に歌ってのけたが、個人的には音源以上に感情のこもった最後の「それはずっと・・・」のフレーズの繰り返しがぐっと来た。音源ではそのフレーズを受けてすっと曲が終わるが、ライブでは長いアウトロが追加。稲葉は歌が終わると静かに退場しており、着替えのための繋ぎとしてのアウトロなのかもしれないが、DURANの熱のこもったギター含めいつまでも聞いていたくなるようなアウトロだった。

Chateau Blanc
ピアノのリフとともに、スクリーンには白背景をバックに体をくねらせながら歌う稲葉が大写しに。いつの間に撮ったものか分からないが、ライブ用にまるまる1曲分の映像を用意するのは非常に珍しい。恐らくはスタジオでそんなに時間をかけずに撮ったものだとは思うが、「NOW」や「Stray Hearts」でもフルサイズのMVはないことを踏まえれば、異例の映像と言える。コーラスパートのある「VIVA!」など他のアルバム曲と比較するとさらりと演奏されていたので、より印象に残るように演出を強化したのかもしれない(実際インパクトがかなり強い)。
こちらの映像については本日付で品川ヒロシによって撮影されたMVであることが発表された。本日オープンするShibuya Sakura Stageの大型ビジョンでMV含め映像を展開するとのこと。YouTubeでもMV自体はフルでアップ済。白黒背景に稲葉が体をくねらせながら歌うというシンプルな映像は、長期にわたってお蔵入りとされた「LADY NAVIGATION」や「ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~」を思い出させる。ライブでは映っていなかったが役者の演技パートもある。意外な方向の映像である。

www.youtube.com
bz-vermillion.com


Seno de Revolution
これは有明アリーナで見逃しているだけだと思うが、イントロでサムが定位置を抜けてDURAN、徳永の間に登場。手に持っているのは恐らくはエレキシタールで、本曲のシタールを用いたイントロを披露。イントロが終わるとスタッフに楽器を返しながら、キーボードの位置に戻っていた。こんなのが俯瞰的にみられるのはアリーナではなく、スタンド席の特権。

音響について
音響についてはどんな会場でも席により差があるものと思うが、Kアリーナ横浜の音響は有明アリーナに比べると格段によいものに感じた。楽器やボーカルが重なり合って埋もれることがほとんどなくクリアに聞くことが出来た。「Okay」のイントロではそれが特に顕著で有明アリーナでは、混然一体となっていた音がバンド、コーラスでくっきり聞き分けられるようになり、心なしかボーカルの入りもスムーズだったように感じる。

撮影機材について
待ち時間が殆どでないように入場したので、自分が撮影に関するアナウンスを聞いていないだけかもしれないが、撮影機材は有明アリーナに比べて多めに入っていたように見える(有明アリーナはアリーナ中段だったので見えていなかっただけかもしれないが)。

メンバー紹介について
徳永はKアリーナ横浜全体に向けて雄たけび(今日はどうですかと聞くまでもなかったと稲葉)、サムは会場について稲葉から振られた際に「他の・・・平らな」と珍しく言いよどみ「『平べったい』ね!」と稲葉がフォロー。また一つサムの日本語の語彙が増えたものと思う。シェーンに対しては「意外と日本語分かってるんですよ」と茶化しを入れ、シェーンも少しずつ戻ってきた日本語を笑顔で披露。DURANに対しては「忍び」「魔法使い」といった比喩を改めるとして、やたらと壮大な表現をした後に「DURANもいつの間にか(ソロの)バンドでは最年長」と言ってしまい、「最年長ではない」と突っ込みをDURAN自身から食らっていた。ちなみに年齢は稲葉:59歳、シェーン:56歳、徳永:52歳、DURAN:39歳、サム:29歳と年齢幅の広いバンドなのに、40代がいない(DURANは12月で40歳)。

Kアリーナ横浜について
初めての会場ということで、その構造が珍しかったらしく稲葉はMCで度々会場について言及。スタンドがレベル3、5、7となっているのを観客に確認し「Kアリーナ横浜には偶数がない」と言ったり(実際にはレベルではなく階と言っていたが)、上の方からもパワーを浴びるような感覚と言ったり。
また、40年くらい前に会場の近くで下宿していたことを明かし、まさか40年後に再開発が進みその中でライブするなんて思ってもみなかったと、個人的な昔話を踏まえた話を披露。
Kアリーナ横浜は比較的アクセスが良い会場なのだが、閉演後に雨が降り始め、駅につく頃にはゲリラ豪雨が来襲したため、個人的には中々に厳しい帰り道だった。

ボーカルについて
歌詞の間違え等のちょいちょいしたミスはあったものの、稲葉のテンションは総じて高く喉の調子も良かったみたいで、近年は控えている短いシャウトも多めにしていたように感じる。逆に近年の特徴である「ハッ!」という声は少なめ。曲数が多いのでさすがに「羽」「YELLOW」のあたりでは少し疲れ気味だったが、「YELLOW」は有明アリーナ公演よりもしっかりと歌いきっていた。還暦が近づいているのに、このパワーは流石としか言いようがない。