Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Pico Magic

ご無沙汰になってたSound Horizonレビュー。Pico Magicの第一弾。新曲数曲に既出曲をいくつかを加えたスタイルはReloadedと同じ。ぴこまりとは元々3rdのLostなどのボーナストラックに入ってたお茶目な楽曲のボーカルをやってるあらまりの中に眠る108の人格の一つらしい。
お願いっ!ぴこ魔神☆からしてぶっ飛んでる。メジャー化以降の作しか聞いたことのないリスナーはビビること請け合い。最初の一声が「ボンジョルノー!Lostのボーナストラックでおなじみの、ぴこまりでっす!突然ですが、こんな諺を知ってますか?『犬も歩けば、棒も歩く』」・・・えぇ、あの魔神を呼び出す呪文を教えてくれる歌なのです。ですが、その呪文を人間が唱えることは不可能のようです。聞き取ることも困難です。曲調は何と言いましょうか・・・何とも言えない。底抜けに明るい・・・説明不可能。
ぴこDJ☆も同上。これは全部の曲をぴこまりがDJになって解説。スクラッチ音と「ボンジョルノ!ぴこまりでっす」の声がとても印象的。無駄に頭に残る。
辿りつく詩と雷神の系譜はChronicle 2ndからの先行楽曲。なのだが、実際にChroncle 2ndに収録されたものとは二曲ともアレンジが違う。辿りつく詩は、冒頭のじまんぐの語りが丸々違うし、全体的に控えめな音。雷神の系譜はまず話のオチが微妙に違う。Chlonicle 2ndで曖昧にされてしまった部分が歌われている。あと、個々の楽器の音がこちらの方がクリア。悪く言えば一体感がない。
Ark[Pico Magic Ver.]はArkのデモバージョンとも言うべき存在。ドラムから始まるし、曲自体も短い。一応小曲として完成されてたReloadedの方と違ってぶった切り感が否めないし、堕ちてゆく情景がまだ鮮明でない。Elysionのバージョンに辿りつくにはまだ時間がいる。魔女とラフレンツェ[Pico Magic Ver.]もElysionからの先行曲だけど、これはアルバムに入ったものを途中でぶった切っただけ。未完成なのではなくて、完成品をぶった切っただけなので、あまり品がない。アルバム聞いてると、ここで流れが切られてる。
魔法使いサラバント、恋人を射ち堕とした日、銀色の馬車はLostとThanatosからの再収録。多分何も変わっていないので省略。
タナトスの幻想は終わらない。Thanatos収録のタナトスの幻想を下地に作り上げられた楽曲。短いながらも個人的にはかなり好きな曲なのですよ。語りのバックで流れる退廃的なストリングス、寒々しさと哀しみを感じさせるコーラス、背筋が凍るくらい無慈悲な扉の音。あ、これ、エルの楽園と通じるものがありますね。エルの楽園はさらにメタルの要素を組み入れたものでしたが。感じる寒さの温度が同じ。「黒の歴史...(=Chronicle)死の幻想...(=Thanatos)喪失の詩...(=Lost)光溢れる夏には新しく歴史が生まれ変わるというのに(=Chronicle 2ndは夏発売予定だった)未だタナトスに抱かれる幻想は終わらない…」という台詞の中のさりげない暗喩が素敵。