Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Confessions

コンフェッションズ

コンフェッションズ

BUCKCHERRYの新作が七つの大罪を扱った、一種のコンセプトアルバムのようなものになることは、大分前から雑誌を通して知っていました。僕の記憶では去年の秋ごろからそのようなインタビュー記事を見かけており、発売を今かと心待ちにしていたのですが、先日とうとう発売されました。
七つの大罪をタイトルに掲げてはいますが、コンセプトというよりは緩いテーマ程度に考えたほうが適切な内容です。ただし、どちらかといえばFifteen寄りの、明るくバラエティに富んだ内容であったAll Night Longとは異なり、今作はBlack Butterfly寄りの引き締まったシリアスな雰囲気が漂っている。ボーカルのジョシュ・トッド自身をモチーフとした歌詞もいつもの陽気さはやや鳴りを潜めている。
一曲目は暴食を意味するGluttonyで、タイトルにふさわしくガツガツとしたロックンロールに仕上がってる。演奏時間こそ短いものの、アルバムのタイトさをよく示す一曲だ。惜しむらくは軽快なロックナンバーがこの一曲目だけであり、残る曲はどちらかといえば重量感のある曲で締められており、BUCKCHERRY特有のパーティー・ソングは今回存在しない。彼ららしいゆったりとしたバラードのThe Truthを除けば、張り詰めた内容の曲が続きます。
曲構成が見事なバラードのSlothと、非常にスリリングな演奏をバックに歌うのではなく、語るという珍しいスタイルのPrideがアルバムの山場かと思います。後者は個人的に非常に気に入っていまして、微かに節がついた調子で語りかけてくるジョシュの声がいやに耳に残ります。アルバムを締めくくるのは、Dreamin' Of You。張り詰めた空気をほぐすように最後はアコースティックなナンバーを配置しています。実際にはボーナストラックが続きますが、Confessionsというアルバムはこれで仕舞いです。
紛れもない最高傑作と評するほどに、過去のアルバムから大きな違いは感じられませんが、Fifteenやデビューアルバムに代表される彼らの陽気さが必ずしも彼らの引き出しの全てではないということを見せ付けてくれたアルバムかと思います。