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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

声明/Still Alive

声明 / Still Alive (初回限定盤)

声明 / Still Alive (初回限定盤)

今回の完全な新曲となる、声明。ライブさながらのド派手なオープニングが印象的です。何となく稲葉さんのロングトーンのシャウトを空耳してしまいます。実際には、鋭いドラム音をきっかけに縦ノリのリフが現れて、稲葉さんは「ハッ!」の声。ノリの良いリズムと、どんどんとテンションが下がっていく様を描き出す歌詞のギャップは最近の稲葉さんにはお馴染みになってきました。
「声明」という囁き声から始まるサビは、まさしく声明そのもので、これまでの自分への決別の決意を、お得意のですます調で高らかに歌い上げます。字面だけ見ると、反省文のような内容ですね。サビにしてはちょっと起伏に乏しいメロディですが、それだけに「wake up, wake up」のフレーズでの声の張り上げが効果的に響きます。
二番からも同じような構成ですが、少しずつ崩していくボーカルや裏で地味に重ねられた色々な音が厚みを加えています。「Hoo!!」というテンションの高い声に乗せて、ギターソロがスタート。ライブでの大賀さんとのハモりが目に浮かびそうなパートから、松本さんらしい熱いソロが炸裂。今回の4曲はどれもソロに気合が入ってます。
有頂天やREDの豪快さとも違う骨太なロックのアレンジを務めたのは氷室京介さんのサポートも務めたギタリスト、Yukihide YT Takiyama。どういうご縁かは分かりませんが、初めての起用です。バンドも全くの新しい面子で、ベースはクリス・チェイニー。アメリカでは非常に幅広いアーティストの音楽に参加した方です。SlashとコラボしたSaharaでもベースを弾いています。キーボードのジェフ・バビコとパーカッションのレニー・カストロTOTOのサポメン経験があるようですが、個人的には初耳。そして、頭からビシバシと切れの良いドラムを叩くのはトミー・クルフェトス。オジー・オズボーンへの参加で名前を耳にしたことはありますが、凄まじいドラムですね。シェーンの器用さとは違う力強さそのもののドラミングが声明のリズムを支えているのは間違いないと思います。
A LIFEの主題歌決定から、半年。ドラマは終わりましたが、Still Alive、ようやくのお披露目となりました。曲が始まるや否やイントロ抜きで稲葉さんのファルセット交じりの歌とピアノの音が聞こえてくるのにびっくりとすると思います。ドラマではカットされていた部分です。サビではなく、Bメロをゆっくりと綺麗に聞かせるのが新鮮でもあり、非常に懐かしさを感じます。そこから、ドラマでもお馴染みとなったギターとシンセが混然一体となった力強い音が聞こえてきます。
声明が新体制による、ちょっと新しいB'zなら、Still AliveはまさしくB'zの王道と言ったところでしょう。四つ打ちのリズムに綺麗に乗ったメロディ、アレンジは寺地さん、ドラムはシェーンという万全の布陣です。ベースはMVではバリーですが、音源では松本さんのソロからトラヴィスが意外にも参加。綺麗で軽やかなメロディとは裏腹にギターとシンセの存在感が非常に強いのも印象的で、打ち込み裏でガンガン弾いてた90年代を彷彿とさせます。イチブトゼンブもそうですが、寺地さんはバンドの力強さにシンセを絡めて、良い意味でキャッチーに仕上げるアレンジをしますね。
歌詞については、書下ろしらしくドラマを意識した丁寧な歌詞作りです。ただ2番以降の歌詞を読んでいると、木村さんよりも浅野さん演じた副院長の心情に近い歌詞に感じるのは僕だけでしょうか。
2番が終わるとうっすらと鳴るシンセをバックに、ギターソロが幕を開けます。松本さんのギターで、こうも分かりやすいタッピングを聞いたのは最近では記憶にありません。タッピングから猛然と始まるソロもどこか端正な作りで、声明とはまた違ったカッコ良さがあります。稲葉さんの羽が、高崎晃さんがタッピングからのギターソロをさらりと弾いていく構成で、大好評でしたが、まるでそれくらいは俺にもできると言わんばかりのソロです。そうして盛り上げられた最後のサビでは稲葉さんも「Baby, you're still alive」のフレーズを思いっきり叫んでます。これぞB'zという要素をふんだんに取り込んだ楽曲です。
付属するMVも、シェーンとバリーを引き連れたB'zらしいMVです。暗闇から始まり次第に明るくなっていくCGと、巨大な照明がバックで入れ替わる以外はバンド体制のいつものMVです。時折、断片化する映像演出が目にちらつきますが。最後は稲葉さんの手から放たれた光が銀河を形成するという演出はちょっとくどかったかもしれませんね。注目すべきは久々に全編にわたってサングラスを外した松本さんでしょうか。目元が見えるだけで珍しいと思うのも変なもんですが、ギターソロの時の渋い表情はとてもかっこいいです。
既に配信された世界はあなたの色になるとフキアレナサイについては、一時期ローテションしていたので、今ここに入っているのがちょっと不思議な感覚です。近年には珍しく渋いバラード、世界はあなたの色になる。意外に凝ったアレンジと悠然と歌い上げるギターソロが聞きどころです。映画館の緞帳が上がっていくようなイメージにとらわれるサビも不思議とドラマチックです。
フキアレナサイは冬のultra soulというリクエストに応えた分かりやすいアップテンポナンバー。稲葉さんの発案で付け加えられたイントロの静けさが疾風ロンドの雪山のイメージとぴったり重なります。ジェイソンの素晴らしいリズムキープが個人的には凄く気に入ってます。NOWの部分がライブでは、非常に盛り上がりそうです。
2曲とも配信時から特別な変更はないですが、心なしかやはりCDの方が良い音に聞こえます。
久々の両A面ですあ、残りの2曲もシングルばりの曲が入った非常に豪華な1枚となりました。声明の新しいサウンド、このシングルで途切れさせずに是非ともここからシングルでもアルバムでも続けてほしいところです。