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個人的に非常に大好きな一曲ですね。
前のTHE CIRCLEの最後に被さるようにして、ド派手なギターのイントロが鳴り響きます。歌詞から考えると、目覚ましのベルのような感じに思えなくもないです。いずれにせよ、どこか茫洋としたTHE CIRCLEの世界は破られ、シビアな現実世界へと一気に回帰させる曲です。
攻撃的なリフに導かれて、稲葉さんのちょっとひび割れたような迫力のあるシャウト、ファン泣かせ。このちょっとひび割れた感じが物凄くライブっぽいですよね。ただの倍音じゃないところが良い。
さて、いきなり、起こされても普通はすぐに覚醒はできないもの。その寝起きの曖昧な夢見心地の意識を表現するように、サウンドは再びエスニック調に。静かに覚醒を要求、そして先ほどまでの世界を邯鄲の夢とあっさり言い切ってしまいます。その表現に「別にこれからもエスニックでやるわけじゃなくて、今回はこうしてみたただけ。THE CIRCLEの世界は邯鄲の夢=一度きりのもの」という意味が込められてると思うのは私の深読みでしょう。
Aメロに続き、Bメロでも、まるで聞き手を叱責するかのように、自分の在る場所を淡々と告げていく歌詞。
そして、サビ。ここはいつも通りのB’zらしいサビなんだけれども、単純にノリノリでいこうっていう感じじゃない。稲葉さんのボーカルのせいかもしれませんが、Aメロ、Bメロで歌い上げたシビアな現実世界の中で、もがく様が凄く表れてると思います。
この感じ、どっかで聞いたことあるなぁ、とずっと思ったのですが、分かりました。Pleasure'91ですね。あの曲も変わり行く世界の中で、必死にもがく様を表した曲でしたね。そういえば歌詞も似てるじゃないですか。「来世はない 今だけがどこまでも続く 終わりまで味わい尽くせよ」「もし生まれ変わったらなんて目を輝かせて言ってたくない 止まれないこの世界で胸を張って生きるしかない」てな具合で。してみると最愛のものからの便りっていうのはやっぱり、アイツからの電話なのかな、と思ってみたりします(それはちょっと強引でしょうか)。
いつもの開き直り系の歌ではないですね。ポップさがないので、真剣に生きる様だけがひしひしと伝わってくる、そんな曲です。稲葉さんのいつも以上に、真面目な歌詞がそれを後押ししてますね。いつもなら、稲葉さん流のお茶目な歌詞が入って、雰囲気を和らげるんですけど、今回はむしろ逆でひたすらシビアな視線。
それでも最後は、「無限の可能性 未知の未来 神さえ予測不能 己が今を変える 何もかもがX」と、何も定まっていないことを逆に、ポジティブに変えるのが稲葉節。最後に繰り返される「さぁ 目覚めるがいい」の響きが、最初に聞いたものとはまるで違って聞こえるのは僕だけじゃないはず。
とりあえずid:ZO353:19860830!!と叫んでみるが、まだ書き足すかもしれません。つーか書き足す。