Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

YOU CAN (NOT) ADVANCE

破の映画の素晴らしさというのは、ちょっと言葉では表せない。序も素晴らしかったけど、序は原作の素晴らしさを再構築したものだったと思う。原作ありきの凄さ。けれど、破は全部ぶっ壊した。後半からは、呆然とするしかなかった。映画とはかくも凄いものだったか。
さて、素晴らしき映画、アニメには素晴らしいサントラがつきものである。本作の担当はご存知、鷺巣詩郎氏。コミカルな曲とシリアスな曲を自在に行き来する作風は健在。
ディスク一枚目には映画で使用された順番に、文字通りBGMを聴くことが出来る。順番通りというのがポイントで、聴けば映画のワンシーンを思い浮かべることが出来る。お約束の2EM11_B16の陽気さが前半の雰囲気の象徴。意外にもカレカノを元にした曲が多い(カレカノが陽気な話かといえばそれはまた別の話なのだけど)。YAMASHITAの美しいカバーは原曲を知らない僕でも楽しめるし、ピアノバラードである2EM_KK_A09ではつい息を潜めてしまう。
とはいえだ、やはり、体が反応するのはやはり戦闘曲。Alternaのドラムのような音を求めて、僕はこのアルバムを買ったのである。Destiny、Fateを聴くだけで体は疼くのだ。
途中、小休止めいたのんびりとした曲を挟み(Kuriyaという無視できない曲もあるが)、アルバムは映画同様に怒涛の展開を見せる。いや、魅せる。2EM28_EM13のシンプルな音に込められた禍々しさといったら!
In My Spirit、Keep Your Head Above The Mayhem、The Final Decision We All Must Take、Carnage。この流れにKO。ブラボー。ハラショー。言葉もない。この豪華な曲がBGMとして使われてるんだから、そりゃ映画も盛り上がるさ!もっとも、これらの曲はDisk2の完全版をこそ聞いてもらいたい。
2EM38_F02のお馴染みの予告BGMで閉幕。ちなみに、この短い予告BGMが僕は大好きだ。早口な予告のセリフと「サイビス!サービス!」の声が鮮やかに思い浮かぶからかもしれない。
Disk2はサントラというよりは、サントラをもとにした一枚のオリジナルアルバムと考えてもらった方がいい。Disk1に収録された曲の中でも、印象的なものをBGMではなく、一つの曲として作り直したものが収録されている。映画を知らずとも、十分に楽しめる出来だと思う。前述した戦闘曲も、単純な戦闘曲ではなく、起承転結のある実に僕好みの派手な曲に仕上がっている。(僕好みってもはや感想ではないけど)
そんなわけで、破のOST、お勧め。サントラとしては菅野さんのSongs to flyに匹敵する出来。今年買ったアルバム中でも一、二を争う良さな気がする。
最後に一つ。このアルバムには数曲、往年の名曲のカバーや原曲が収録されている。それだけはどういう意味を持つのかは映画を見てみないと分からない。