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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

RED

RED【初回限定盤】(DVD付)

RED【初回限定盤】(DVD付)

カントリー風の楽曲ではお馴染みのバンジョーの印象的なイントロで幕を開ける。クラップ音とバンドの演奏がそこに絡み合うと、王道的なロックサウンドに切り替わる。EPIC DAYでの70〜80年代のロックへの回帰志向はREDにも継続されている。そこに観客の合唱を意識したコーラスが加わり、曲は勇壮さを増す。

こういう観客を巻き込むような楽曲はどちらかというとノリを重視した軽快な曲が多いが、REDの場合は、コーラスをキレのあるギターのリフで打ち止めにして、タメを重視したずっしりとしたAメロに切り替わるのが面白い。

打って変わって、Bメロはキレのある軽快なメロディーとなる。ここからはCMなどでも使われていて、耳になじんだメロディーといった感じである。Aメロでためた分、爆発力が高い。

REDのサビを聞くと、とてつもない重量感のある何かが勢いをもって落下してくるようなイメージがある。「楽はしない 偉ぶらない 誰のせいにもしない」という頭文字を「RED」とした遊び心とは裏腹に、非常にストイックなフレーズが息をつかせる間もなく襲い掛かってくる。この辺のストイックさはMan of the Matchと同じ系統と言っていいだろう。

「RED」のフレーズを思いっきり引き伸ばすと、再びコーラスが登場するが、それをさえぎるようなシャウトでギターソロが登場する。1番終了後に短い英語のフレーズから、ギターソロへ突入する構成は有頂天と全く同じ。折り目正しいクラップ音に対して、EPIC DAYの路線を継承して自由奔放なギターソロが展開する。かっちりフレーズを決めて弾いた風ではないので、ライブではまた違ったギターソロが聞けるのではないかと思う。

Bメロが再び登場して、そのままサビかと思いきや、全く違う短いCメロが差し挟まれる。高いテンションを維持してきた曲が、短い間ではあるが落ち着いた表情を見せる。

「静」の時間を突き破るようにして、再び「楽はしない」から始まるサビが登場する。頭文字REDのフレーズを重ねるたびに、歌は凶暴さを増していき、「going my way」のコーラスもほとんどシャウトになっている。「RED」の声の後、一瞬の静寂をおいて、コーラスを繰り返して、冒頭と同じギターのリフで曲が締めくくられる。

豪快で印象的なサビやコーラスから、ストレートなロックナンバーかと思うのだけれど、曲展開含めて、意外に凝っている一曲である。激しい部分を際立てるためのタメのフレーズや、同じ展開を繰り返さないことで飽きがこないっようにするなど、随所に細かい意図が感じられる。

黒田投手を意識して書いたという歌詞も秀逸で、これまでのスポーツタイアップに見られた万人に向けての応援歌ではなく、自分自身の戒め、矜持といったものが強く出ている。個人的にはBメロの「ここで全て出し切ると改めて誓おう」「何にも特別じゃない 当たり前のことをやるだけ」という歌詞がサビ以上に突き刺さる内容である。

初回盤にはPVを収録したDVDが付属。帽子をかぶってバンジョーを演奏する松本さんの絵から始まって、ライトを上手く利用したPVとなっている。随所で登場する炎のエフェクトが印象的。コーラス部分では横浜アリーナの観客、ギターソロ中は横浜アリーナでの演奏の様子が差し挟まれている。売り文句にするほど、大々的に横浜アリーナの映像がフィーチャーされているわけではないのだけれど、REDに良くあったPVには仕上がっている。

今回、リストバンドをつけた赤盤には100枚分のみ黒田投手とB'zのサインを入れたとのこと。確率は中々に低いけれど、開封時にちょっとした楽しみがあるのは嬉しい。更に確率が低いであろうepic nightの抽選には見事に外れたので、ドーム公演に備えてREDをリピートしていきたい。