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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

CIDER ROAD

CIDER ROAD(サイダーロード) 初回限定盤CD+DVD

CIDER ROAD(サイダーロード) 初回限定盤CD+DVD

大分前に出たアルバムなのですが、今頃手に取りました。前作のPopulus Populusの流れをくむ爽やかなアルバムです。タイトルチューンでもある、1曲目のto the CIDER ROADから聞き心地の良い音が耳を駆け抜けていきます。シンプルながらもギターの音色が瑞々しい。サビ前の「OH!YEAH!」の掛け声や、サビのファルセットがフックとなって、ただ爽やかに聞き流すだけでは終わらないのも良いですね。CIDER ROADの意味は分からないのだけど、その語感から感じる爽やかなイメージをそのまま曲にしたようなキャッチーな楽曲だと思います。
間髪入れずに始まるため息 shooting the MOONは、前作の2曲目のkid, I like quartetと同様にアルバムに勢いをつける楽曲。はっきりとしたリフに、滑舌の良いメロと歌詞が1曲目とはまた違う聞き心地の良さを演出している。そこから続くリニアブルーを聴きながらは、あまりに狙いすまされた曲順だけど、待ってましたと拍手したいような展開。この曲が店頭で流れていたのが、このバンドを聴くきっかけだっただけに非常に思い出深いです。リニアブルーって造語のようなんですけど、何となくどんな色の青か音で伝わってくる気がします。
派手にブラスを取り入れたlike coffeeのおまじない、この辺がアルバムのポップさを象徴する曲でしょうか。お洒落を通り越して、伊達さすら感じ楽曲です。兎を主役に不思議の国のアリスのような童話めいた歌詞と万華鏡のようにころころと変わる曲調が聞いてる人を飽きさせません。高めの音域から、ふとした瞬間に低音を聞かせるボーカルも聞かせます。
ラジオ音源風のエコーをかけたあこぎとボーカルの弾き語りで始まるお人好しカメレオン。系統としては、リニアブルーを聴きながらと同様のポップソングなんだけど、この曲調には珍しく歌詞にはっきりとした意味を持った曲。個人的には、二番あとの転調のメロディーと「デジタルカメラなんかは要らなくなるね」歌詞が気に入ってます。
厚めのバンドサウンドが鈍い光をイメージさせる光のどけき春の日に。百人一首の中の歌からのタイトル。僕も覚えていたくらいなので有名な歌かと思います。陽の光がのどかな春の日の意味にふさわしい穏やかなミドルテンポのナンバーになっています。アルバム中、ミドルな楽曲はこの曲と君はともだちだけですね。君はともだちはキラキラとした音像にストレートな歌詞が印象的な楽曲です。ちょっと最近のバンプに近いものを感じる曲ですね。魔法の料理とかのイメージに近い。
クロスハート1号線(advantage in a long time)はタイトルの割には非常に分かりやすいラブソングです。ピアノの入るタイミングが可愛らしい。一方でセレナーデが止まらないはタイトルとは裏腹に力強いロックナンバー。シャウトから、Aメロではノイズのかかったボーカルが、Bメロでくさいメロにのせてエコーが取れるのがベタですがいいです。間奏のギターソロの構成がきらりと光る楽曲でもあります。それまでの青色のイメージの楽曲とは異なり、灰色に近いイメージの楽曲です。
流星のスコールはいかにもUNISON SQUARE GARDENらしいとも言えますが、凄くバンプくさい煌びやかさも感じます。星が降り注ぐようなイントロのイメージとか、メーデーに似てませんか?もちろん、曲は別物ですが、星が降り注ぐようなイメージのギターに歌詞のため、バンプを思い出してしまう一曲です。
Miss.サンデイとCrazy Birthdayという陽気な楽曲二つ。非常にご機嫌な二曲です。特に後者は3分半の中で可能な限り音を散らかしたような楽曲で、聞いていて笑みがこぼれます。サビ終わりのふざけて語り掛けるような調子や、歌詞の絶好球さながらにぐんぐん伸びていくようなサビのメロディーが聞かせどころ。最後の「おしまい」から君はともだちへの落差がまたすごい。
最後を飾るシャンデリア・ワルツはシングルにしても良いような非常に高いレベルの楽曲。サビ頭の「ハローグッバイ」のやや陳腐なメロディーが引き金となって、気持ちの良いメロディーと歌詞が何度でも頭の中でリフレインする。それを引き立てる抑え目のA、Bメロも素晴らしい。しかし、なんといっても素晴らしいのはタイトル。特別意味はないんだろうけど、実に素敵なタイトルです。