Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS- 味の素スタジアム公演

B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-のスタジアム公演が8月19日(土)よりに味の素スタジアムで開始されました。以下、大量にネタバレを含みます。

味の素スタジアムの天気は幸いにして、両日とも晴れ。暑さのピークは過ぎ去った気がしますが、それでもかなりの猛暑です。最寄りである飛田給駅は開演間近になるとスタジアムまで長蛇の列となり、スタジアムにたどり着くだけでもかなり体力を消費します。

味の素スタジアム横のアジパンダ広場、アミノバイタルフィールドがグッズ売り場であり、STARS Cafe含むフードエリアの設置場所となります。フードエリアが出来たため、今回はツアートラックの展示はなし。
グッズ売り場は1日目はかなりの混み方ですが、2日目はそこまででもないイメージ(メモリアルプレートは激戦ですが)。暑いせいかループタオルを首に巻いた方が多かったように見えました。あと会場での販売品ではないですが、B'z PARTYで販売した黄緑色のROCK AND ROLL Tシャツも結構着ている人いましたね。めっちゃ目立つ。STARS Cafeは現金利用不可、冷たい飲み物が若干割高ですが購入できます。お時間あれば記念に飲んでもいいかなとは思います。僕はアイスティーをいただきました。無糖でした。

フードエリアやSTARS Cafe以外のソフトドリンク売り場は大量に設置。メニューが多いわけでもないので、そこまで並ぶこともないですが、フードによっては注文~提供に少し時間がかかります。こちらも現金利用は不可。

なお、STARS CafeはTwitterでも宣伝していましたが、アリーナ後方で水のパックのみ販売。開演ギリギリまで並んでいるので、正直外で買ったほうが良いと思いますが、アリーナでは水以外募集なので慌てて購入する人が多いのかもしれません。水はただの水ですが、ビニールパックらしい癖のある味なので苦手な人は苦手かも。ただ、野外スタジアムにおいて水分の準備だけは必須です。

B'z PARTYブースはファンクラブ関連グッズの展示のみですが、メンバーのサインもあり意外と写真を撮る人が多い印象。WEB Q&Aを視聴可能なQRコードもここでチェックできます。WEB Q&Aは12分くらいのミニラジオのような体で、二人がサポメンやスタッフのQ&Aにネタバレなしで忌憚なく答えてくもの。二人きりということで気の抜けたトークが聞けるので、是非聞いてみてほしい。ちなみに完全版が11月に公開されるようです。

さて、場内に入ると目につくのは大型のステージ。HINOTORIは凝った作りのわりにコンパクトな出来でしたが、今回はとにかくデカい。シンプルですがステージ背面に三分割された大型スクリーンがあり、後方でもかなりよく見ると思います。一方で角度がないため、ステージ横だとほとんど見えないです。映像演出も結構ありますが、直前販売はステージ脇のスタンドになるので、かなり見づらいのは覚悟した方がいいかと。その代わり、花道が長いので、メンバーは割と近くまで来ますし、遮るもののもないのでステージそのものの見通しはいいです。

洋楽のBGMが鳴っているのはいつもの通りですが、たまに過去のPleasureツアーの映像がダイジェストだったりフルだったりで流れています。また、2日目は夏休みの宿題に関する川村さんのコメントが流れたりと、スクリーンのデカさを活かしてます。

ここ数年は定時での開演が多かったように思いますが、味の素スタジアム動線の悪さが災いしたか、18時になってもかなりの人数が入場を続けています。18時過ぎに開演を告げるナレーションがあり、AC/DCの「Hells Bell」のボリュームが大きくなるのにあわせて、スクリーンにも「LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS- 味の素スタジアム公演DAY1(DAY2)開演」の旨が映し出され、スタッフからのコメントが映し出されます(2日ともコメントが微妙に違ったり、Pleasureが抜けたりしたので多分手打ち)。

OPSE Mars
オープニングは度肝を抜く「Mars」のインストゥルメンタル版。ジャケットが映し出され、スペシャルなムービーへ移行。B'zのジャケットを始めとした様々なモチーフをコラージュしたもので、ネタがたっぷり詰まっていてかなり楽しいです。音楽も様々な楽曲のフレーズを繋ぎあわせた特別なもの。「Don't Leave Me」ジャケットの車で色々なところ走り抜け、「B'z The Best "Pleasure"」「B'z The Best "Treasure"」の裏面に迷い込んだり、「EPIC DAY」のジャケットや「DINOSAUR」の古代に迷い込んだり、MONSTER'S GARAGEツアーロゴの怪獣に飲み込まれたり、ミエナイチカラ商店街を駆け抜けたりして、最後はFIREBALLツアーのオープニングにもあったセットが開くと、火の鳥が降臨しスクリーン全体を燃やし、本ツアーのロゴ=エンブレムが火に包まれて登場。
BGM、映像共にかなり気合の入ったものなので、何かの機会に是非ノーカット版を見たいなと思います。

01.LOVE PHANTOM
1曲目はこの曲が登場。〇5周年のライブは未発表曲が1曲目でしたが、そのジンクスが崩れました。ストリングスのイントロはカットされ、ピアノのリフが鳴り響き、サポメンがするっとステージに登場。松本さんも割と普通に脇から登場し、ギターを抱えるとサングラスをした稲葉さんが花道から登場して演奏スタート。ちなみに稲葉さんは1日目は下手、2日目は上手に登場。
前回のPleasureでは「HINOTORI」との組み合わせとダイブの演出でハイライトを飾りましたが、今回は1曲目でテンションを上げる役を担いました。「B'z The Best "Pleasure"」以来、ようやくライブでも1曲目の座を射止めました。「万能の君の幻を~」ではもちろん「ジャッ!ジャッ!」のフレーズが復活。

02.FIREBALL
松本さんが炎模様にペイントされたギターを見せつけて、「FIREBALL」がスタート。頭は少しFIREBALLツアーを意識していますが、その後音源と同じイントロが流れます。演奏自体はLIVE DINOSAUR以来なので、そこまで久しぶりでもないですが、Pleasureでの登板はまさにFIREBALLツアー以来。ステージからは野外らしく炎が吹き上がり、気温だけでなくステージからも熱気が伝わってくる。
ラストサビの「メーーーーイクッ」は少し軽めの発音だけど、「飛んで行ける空を燃やしながら」は絶叫。最後はLIVE DINOSAURツアーと同じように、ギターとの掛け合いを経てシャウト。ハイライトだったLIVE DINOSAURツアーとは異なり、掛け合いは短めでシャウトも短めではありましたが、このPleasure、いつもとは違うなと2曲目にして感じさせてくれました。
ちなみにFIREBALLツアーでは、1曲目FIREBALL、2曲目LOVE PHANTOMなので順序がちょうど逆。Treasure Land 2023での映像公開がこうした形でフィードバックされるのはファンとしては嬉しい限り。

03.RUN
「B'zの」のとお決まりの挨拶をしようとするも、「B'z」の発音が平坦な(間違われやすい)発音になっており、しっくりこない稲葉さん。松本さんが正しい発音で「B'zの」と言っても、「B'zは」「B'zが」とLIVE DINOSAURツアーの恐竜のような発言をして、松本さんが「B'zで」と悪乗り。「なんか違う」と言うと、再び「B'zの」と正しい発音と内容に訂正され、ようやく本来の「B'zのLIVE-GYMにようこそ!!」と絶叫。
観客の歓声にこたえるように「RUN」のアルペジオが登場。「RUN」と言えば終盤での泣かせ曲ですが、ここまで序盤に出てきたのは初めて。しいて言えばBUZZツアーくらいでしょうか、ここでは松本さんもゆっくりと花道を端まで歩いてきてくれます。イントロ、アウトロ共にしつこいくらいに長くやるのが近年の「RUN」の特徴ですが、今回は非常にスッキリ。稲葉さんが最後の「地面蹴りつけて」でフェイクしてたのが印象的。

04.星降る夜に騒ごう/夜にふられても
本公演のお楽しみ枠。JAP THE RIPPERツアーや5ERASでも選曲された「星降る夜に騒ごう」は野外に相応しい選曲。93年以来30年ぶりの有観客での披露になりました(演奏自体は5ERASの初日にされています)。JAP THE RIPPERツアーでは、管楽器による派手なイントロが追加されており、稲葉さんが「よく見りゃ星が出てるぜ!」と叫ぶのですが、今回は5ERASと同じく原曲の再現度高め。スクリーンにはキラキラ星マークが舞うエフェクト付き。「東京タワー貸し切りで」の件りは「味の素スタジアム貸し切りで」に変更。これからもご当地名や会場名を叫ぶものと思います。最後の掛け合いが楽しいですが、ちょっとついていけてない人もいたように見えました。

「夜にふられても」はどこから湧いてきたのか分からない選曲。冒頭が「星空に向かって」というフレーズなので、そこから引っ張ってきたのかもしれません。個人的な憶測では「シアン」作成の過程で稲葉さんが発掘したんじゃないかと思います。
「OFF THE LOCK」に収録され、キラキラとしたドライブ感が「OH! GIRL」と対をなすポップなナンバーですが、演奏はOFF THE LOCKツアー以来、実に34年ぶり。それも#00と銘打たれた、3公演のみの披露なので、ものすごい掘り出し物です。よく見る渋谷公会堂のOFF THE LOCK公演ではすでにセットリストから外れていました。演奏自体は原曲のキラキラなイメージを忠実に再現し、スクリーンにはドライブしている風の夜景。ラストサビ前では英語の歌詞を叫ばずに、フェイクして「yeah yeah」で〆る構成。この頃の取ってつけたような英語が嫌いなんですかね、稲葉さん。

余談。スタジアム公演ではカットされましたが、アリーナ公演では「GUITAR GIDS RHAPSODY」があったそう。曲の方の「OFF THE LOCK」が5ERASのオープニングに使われたり、「君の中で踊りたい」が再録されたりと、「OFF THE LOCK」の躍進が止まりません。「HURRY UP!」はACTIONツアー、「SAFETY LOVE」は2017年のB'z In Your Townツアー、「NEVER LET YOU GO」は「B'z The "Mixture"」で取り上げられています。ちょっと無理やりですが「ROSY」は原曲となる「99」が松本さんのThe Voyageツアーで取り上げられているので、「OFF THE LOCK」のアルバムは2000年代以降に全ての楽曲が何らかの形で表舞台に出ています。これは90年代のどのアルバムでもなしえていない(FRIENDS、FRIENDSⅡは除く)ことであり、「OFF THE LOCK」というアルバムがB'zの原点であることを感じさせます。

05.恋心(KOI-GOKORO)
振付をうろ覚えな様子で始める稲葉さんに会場から笑い声が漏れるも、すぐに思い出した様子でスムーズに振付をこなし、最後の拍手三回は会場全体で〆てから曲がスタート。二番の「何かな?」のフレーズで一旦曲がストップ。「何かなって何なんでしょうね」とぼやきながら、稲葉さんがバンドを振り向くとバンドメンバーは時が止まったように微動だにしない。1日目は「スタジアムでもやる・・・?」、2日目は「この暑い中よくやる・・・」と呆れ混じりの声で告げると、「結局何なんでしょうねえ?」と松本さんにふる稲葉さん。松本さんがジェスチャーのみで「さぁ?」と肩をすくめると、ドラムが一発鳴り曲が再開。例年「松本に相談しようか」がネタになることが多いですが、その手前で演出を挟む新しいケース。

06.イチブトゼンブ
「暑い中大切な時間を割いて来てくれてありがとう」という趣旨のMCを挟むと、キーボードの綺麗な音が夏の野外に響き、稲葉さんもファルセット混じりのスキャットで応答。始まったのは、Ain't No Magicツアー以来の披露となる、イチブトゼンブのBallad Versionで、気持ちよさそうな稲葉さんの声が朗々と響く。YTのアコギ、清さんの澄んだコーラスが混じりあって、1番を歌い上げるとお馴染みのイントロから2番へそのまま突入。「もう失わないで~~」や「それだけでいいのに」のフェイクやアレンジは昨年のまま。

07.NATIVE DANCE
清さんが真ん中に陣取って、ベースソロを弾きまくると、いつしか「NATIVE DANCE」の特徴的なベースのリフに。青山さんと一緒にテンポをどんどん上げていくとこまでいった後に、曲がスタート。GLORY DAYSのツアーで選曲されてから、ENDLESS SUMMERツアーでも選曲、HINOTORIツアーでもコーレスの中で登場するなど、BLOWIN'に匹敵するPleasure定番曲になりつつある楽曲。Treasure Landで披露されたJAP THE RIPPERツアー、FIREBALLツアーの両方で登場する曲でもあるので選曲は必然といって良いのかもしれません。FIREBALLツアーでは3Dモデルの女性と共に従来とは異なる振り付け、掛け声を披露していましたが、今回はオリジナル通り。FIREBALLツアーのバージョンも結構好きなんですけど。間奏では松本さんもやたら角ばった動きで振付を披露。

08.もう一度キスしたかった/今夜月の見える丘に
ここはバラード枠として、割とよくあるタイプの日替わりが登場。「もう一度キスしたかった」は比較的いつものアレンジで演奏され、最後は「恋は水色」のフレーズを思いっきり引き伸ばしてみせる、まあ、よくある演奏。スクリーンはビルの夜景。「今夜月の見える丘に」は川村さんの「ハピネス」のイントロにも似たソロからお馴染みのイントロへ。個人的な体感ですが「今夜月の見える丘に」の方が観客は湧いてたように思いました。シンプルなバンド編成ながら、細かいアレンジ定評がある曲ですが、今回は2番を大胆にアレンジ。ちょっとロカビリーっぽい雰囲気になって演奏されたのが忘れられません。背景にはもちろん満月の映像。

09.Calling
稲葉さんがマイクを背にして、会場に向かって肉声で「聞こえてるかーい?!」の声を届かせる演出。多少はマイクが音を拾ってしまってるかもしれませんが、それでも会場全体に届けられた声に観客も思わず拍手。肉声のまま「wow wow wow wow~」の練習を済ませてから曲へと繋ぐ流れ。印象的なリフが若干ではありますが、新しいバージョンに変更されており、聞きなれた曲に変化をつけています。最後のサビが終わると、ドラムの前に集まって、激しいパートが登場。昔はここで稲葉さんがシャウトを連発してましたが、今回はやや控えめ。シャウトできないというよりは安全運転に努めているという印象です。
このあたりから日が落ちて、野外ながらも全体が暗くなっていきます。また、ステージ中央情報には今回のツアーロゴを象ったオブジェが登場。

10.太陽のKomachi Angel
1日目は「コロナ禍で声が出せなかった頃に皆さん、手拍子が上手くなったでしょう」というMCを挟んでいましたが、2日目は「これ出来る?」というシンプルな言葉の後に手拍子の練習。5万人の手拍子が綺麗に揃うと「太陽のKomachi Angel!」と稲葉さんが叫んで曲がスタート。この曲は最初のサビが終わってからメロに入るまでの間奏が好きなのですが、今回も川村さんのキーボードを主体にした少しファンクっぽい間奏が登場したのが印象的。松本さんとYTでギターソロは器用にユニゾン。声出し解禁を体現するような楽曲で、会場全体で「Angel!」「yeah!yeah!」と合唱するのは圧巻でしたね。最後はもちろん頭の手拍子で〆。

11.LADY NAVIGATION
「King Of The Street」のイントロにも似た早めのテンポのドラムから「L・A・D・Y!」の声。ENDLESS SUMMERツアーでもかなりシンプルなロックナンバーに仕上げられてましたが、今回はさらに磨きがかかったように聞こえました。一方で「flesh!」の掛け声に清さんの女性の声が加わることで、原曲のテイストが増すのが面白い。清さんは女性コーラスをこなせるので、表現の幅がやっぱり広がりますよね。
スクリーンにはデフォルメされた二人のキャラクターが下からせりあがってくるのですが、最終的には頭部が見切れる不思議な状態に。しかし、スクリーンの上方には見切れた部分のバボットがあり、真正面から見るときちんとキャラクターが成立しています。そのままバボットが上がってくるのかなと思いきや、そこが完成系のようで、何とも奇妙な演出でした。
この曲が終わるとステージが暗転し、スクリーンに様々な映像が映し出されます。「FILM RISKY」における「Easy Come, Easy Go!」を皮切りに、5ERASの予告の「マジェスティック」、「C'mon」のCM、「Shower」「Survive」のMVなど、脈絡もないようですが、実は二人きりでの撮影をしたような映像を集めていたことが分かります。

12.BIG
ステージの上手に照明が当たると、そこにはバーのようなセットとスツールに座る二人。バーのセットにはバーテンダー役の人もおり、グラスなどを拭いています。稲葉さんは歴代のPleasureツアーのロゴを繋ぎ合わせた不思議なTシャツを着用。ちなみに、今回、稲葉さんの衣装替えがいつになく多いです。演出もあるとは思いますが、野外で汗まみれになるため定期的に着替えてるんじゃないかなと思います。
稲葉さんから映像について、なるべく二人が映っている映像を選んだ旨のコメントがあり、1日目は松本さんに何か印象に残っているものがないかと問いかけると、松本さんはやはり「Easy Come, Easy Go!」は恥ずかしかったと告白。稲葉さんは当時必死で恥ずかしいとか考える余裕はなかったと笑いを誘いました。せっかくバーにいるのでということで、飲み物をリクエストすることになり、松本さんはWaltz In Blueのボトルを頼み、ボトルをカメラでアップに。稲葉さんは「私は水で!」と透明コップに水を入れた状態で乾杯。
2日目は稲葉さんが松本さんの前にマイクスタンドを置く段取りを失念し、Waltz In Blueを紹介する松本さんの声が入らない痛恨のミス。「いいよなぁ、ちょっと喋って、たくさん受けて・・・」と愚痴で笑いを誘いながら、松本さんの前にマイクスタンドを。Waltz In Blueを「TAK MATSUMOTO仕様」と呼ぶと、自身は「KOSHI INABA仕様」と呼び、松本さんに即座に「水だろ?」と突っ込まれるなど素のムードが出てました。
良ければ歌ってください、という呼びかけの後に始まったのはなんと「BIG」です。「LOOSE」に収録されたアコースティックかつ気の抜けた楽曲で、アルバムのルースな雰囲気を体現している曲ではありますが、spirit LOOSEツアー以来、披露されることがなかった楽曲。冒頭の歌詞を「勢いだけで35年~」と歌い替えて観客は大うけ。初日は2番の歌詞を原曲通り歌ってたのですが、2日目は2番の歌詞をサビ以外は丸っと変更。浮気された情けない男の歌詞ではなく、悪気はないけどつい人を怒らせて反省する男の歌詞に変更して、「ねえ、松ちゃん」と呼びかけるパートも加わり、何とも楽しい楽曲に。2番のサビでは松本さんが「チクショー!」という合いの手を担当し、コミカルさが倍増。
終盤では観客との簡単なコール&レスポンス状態になり「東京はBIG!」などのアドリブで掛け合いを楽しみました。

メンバー紹介
「BIG」の流れから「spirit looseⅡ」の演奏に乗せて、松本さんと稲葉さんがステージ中央にカムバック。稲葉さんはブルースハープでバンドに合流。そのまま流れるようにメンバー紹介へ突入。Highway Xツアーでは、川村さんを中心に長いメンバー紹介を行っていましたが、今回はシンプルに稲葉さんが名前を叫ぶとそれぞれがソロを披露するというシンプルな形式。
バンドの演奏が一通り終わってから、松本さんを改めて紹介。松本さんからは35年間続けられたこと、大きな会場で未だに演奏ができることへの感謝が改めて伝えられました。稲葉さんから今日の東京はどうかと聞かれると、1日目は「グロリアスだよ!」、2日目は「ウルトラグロリアスだよ!」とガッツポーズ。「ウルトラグロリアスいただきました!」の声から次の曲へ。

13.JAP THE RIPPER
「FIREBALL」を演奏した時点で予想してはいましたが、やはり「JAP THE RIPPER」が登場。ゼブラ柄のギターを持ち、中央に立った松本さんがリフを弾いては止めるという焦らし、稲葉さんはその脇で自身のTシャツのJAP THE RIPPERツアーのロゴを指し示す。そうして、ELEVENツアー以来、実に22年ぶりに「JAP THE RIPPER」が演奏されました。JAP THE RIPPERツアーの未発表タイトル曲として登場し、「ZERO」「Real Thing Shakes」などと並んでライブにおけるハードなパートを担ってきた楽曲ですが、「ギリギリchop」「juice」を始めとしたハードなシングル楽曲が充実するにつれて演奏の機会を失っていた曲です。「The 7th Blues」を代表する曲もいつの間にか「LOVE IS DEAD」に変わっていましたからね。

22年の時を経てもこの楽曲の荒々しいパワーは健在、「NA NA NA~」の合唱パートや、ギターソロ前の松本さんに後ろから縋りついた稲葉さんを松本さんが肩でいなすのも昔のまま。2番あたりからボーカルがどんどんシャウト混じりで喧しくなるのが魅力の楽曲ですが、さすがに昔のようにサビを歌いながら「アギャギャ」とシャウトを決めるのはきつかったらしく、パワフルではあっても素直な調子で稲葉さんは歌い上げていました。ただ2日目では調子が上がったらしく「よ↑ろこびもがき駄目になれる権利なんだよ~」の後のシャウトも決めていました。

14.YES YES YES
「ステイホームが叫ばれてる頃に作った曲で、いつか皆で声を出したいなと思いながら、去年もツアーで演ったんだけど結局声出せなかった曲があるんですけど、今日はそれやっていいですか?!」という稲葉さんの前振りで「YES YES YES」がスタート。5ERAS、Highway Xツアー、そして今年のPleasureツアーと3年連続で演奏される異例のアルバム曲となりました。「兵、走る」もアルバム曲ですが、こちらはタイアップ曲ですからね。
聖歌のような頭のパートが終わると、稲葉さんはステージ下手からアリーナへ降りていって小走り。アリーナを全周するわけではなく、A~Cブロックの周りをぐるりと回る程度。「YES YES YES」の前で「声聞かせてくださいっ!」と絶叫。正直言うとPleasureツアーにはいるような人気曲でもないとは思うのですが、「ソレソレソレ!」や「YES YES YES!」の掛け声を会場で歌うのは楽しかったですね。しかし、そこまでこの曲に思い入れがあったとは・・・皆で歌う曲という割にはトリッキーな歌詞ですが。
最後は稲葉さんがスクリーンに向かってタンバリンを放り投げると、スクリーンでタンバリンがくるくる回り、再度稲葉さんに戻されたのをキャッチする演出(実際には投げるのもキャッチするのもフリだと思いますが)。

15.愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
ステージは暗転。後方のスクリーンは左右中央で区切られていたのですが、いつの間にか巨大な横長のスクリーンに。星々が宇宙を漂う映像に乗せて、ストリングスの荘厳な音色が響き渡ります。ステージから客席に向けて緑のレーザーがいくつも放たれ、さながら「LOVE PHANTOM」でも始まるのではないかという雰囲気ですが、よく聞けばIT'S SHOWTIME!!ツアーの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」のイントロのアレンジ版であることが分かります。
サビのメロディが現れると、松本さんがゆっくりとギターを演奏するのですが、これは「House Of Strings」バージョンを踏襲したもの。「LOVE PHANTOM」が1曲目に配置されたことで、「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」が普段の「LOVE PHANTOM」の役割を担った形です。サビメロディが流れた時の観客のどよめきはめちゃくちゃ大きかったですね。最大のヒット曲ですが、演奏はAin't No Magicツアー以来、13年ぶり。ギターソロはかなりアレンジをきかせていたように記憶しています。13年前同様に「繋いだ手なら離さない~」のパートは観客が合唱。ここまで荘厳な雰囲気なら稲葉さんに歌い切ってほしかった気もしますが、二人の中ではもうそういう曲なんでしょうね。

16.ultra soul~BAD COMMUNICATION~ultra soul
満を持して「ultra soul」が登場。4年ぶりに観客が声を出しての演奏となりましたが、「ultra soulultra soul…」の声はもはや地響きのようでした。バンドも観客から押し寄せるパワーを存分に味わいながらの演奏のように見えました。2番が終わると、間髪入れずに「BAD COMMUNICATION」の分厚いイントロが登場。ステージからは炎が噴き出て、今度はバンドの番だと言わんばかりに力強い演奏が繰り広げられます。1番の終わりで観客の「BAD COMMUNICATION!」の声に呼応するように稲葉さんもタイトルを叫ぶと、いきなり「ultra soul」のギターソロに戻ってきて、最後のサビまで突っ切るという中々に強引な構成。
実は似たような構成はMONSTER'S GARAGEツアーでやったことがあり、その際は「BAD COMMUNICATION」から「ultra soul」に間髪入れずにつなげるというもの。今回は「LOVE PHANTOM」に「HINOTORI」を挟んだ構成を踏襲することで観客の度肝を抜きました。「ultra soul」のキーにあわせて「BAD COMMUNICATION」が半音上げになるのですが、これがまたカッコいい。挟みこむカッコよさもあるのですが、このバージョンをフルで聞きたかったなあというのも正直な本音です。

17.IT'S SHOWTIME!!
原曲よりもゆったりしたイントロから、リフを奏でる瞬間にステージ情報から特効が炸裂。フェスやイベントなどでは定番の楽曲ですが、国内のLIVE-GYMのレギュラーメニューからは長いこと消えており、「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」同様にAin't No Magicツアー以来のレギュラーメニューへの登板。ミラーボールを映す演出が定番だったような気がしますが、今回は特にそういった演出はなし。
2番サビが終わった後のCメロの最後で稲葉さんがこの公演最大のシャウトをかますので、ここは聞き逃さないようにしてほしい(演奏が爆音でギターソロに向かうところなのでボヤボヤしてると聞き逃しますが)。2日間とも同じようなシャウトをしているので、今回はここでシャウトすると決めてるんだろうなと思います。

18.君の中で踊りたい 2023
間髪入れずに、サビからスタート。サビが終わると銀テープが飛びますが、前方のみの射出なのでAブロック~Bブロック前方かつ真ん中よりじゃないと銀テープをゲットするのは難しいと思います。
歴代シングルの中でもどちらかというと不遇な扱いをされてきたこの曲がPleasureの肝となる日が来るとは思いませんでした。ACTIONツアーのホール公演で演奏されたことはありますが、当然聞いたことはないので、これが初めての「君の中で踊りたい」になります。原曲ではパーカッションが入って密度の高い音を奏でていますが、ライブにおいてはリズム隊が強めで少しスッキリしたイメージ。ライブの方が原曲に近いかもしれないですね。スクリーンにはデカデカと「WANNA DANCE」の文字。
ギターソロが終わって、ファルセットを奏でてラップパートへなだれ込むシーンがやはりこの曲の白眉。

19.兵、走る
前回のPleasureではまだリリースされていなかったことが驚きです。この5年を代表するB'zの曲と言えばやはり「兵、走る」でしょう。Whole Lotta NEW LOVEツアーでは、前年の反省から抑え気味だった稲葉さん、そしてそれ以降はコロナ禍により声出しが出来ず、リリース以降十分な力を発揮できなかったような印象があります。
本編ラストということもあり、バンドも観客も残った力を全てこの楽曲にぶつけました。「エイエイエイオー」の掛け声はやはり観客から波のように押し寄せてくると圧巻の一言。コーラスの音源も当然流れてはいるのですが、それをはるかに上回るボリュームの声がスタジアム全体から地鳴りのように響いてきて、曲のパワーを感じました。ただ声出しが久しぶりだからか、「TRY!」の掛け声や2番が終わった後の「Hi!」の掛け声はやや弱め。とは言え、スタジアムでの演奏が似合う楽曲だなあと痛感。

20.STARS
時間の関係もあるのかアンコールは比較的早めに登場。コール&レスポンスは登場がてら軽く実施。稲葉さんはIT'S SHOWTIME!!ツアーの渚園のオープニングで来ていたような白いヒラヒラとして衣装で、アンコールにしてはずいぶんかっちりした衣装で、他のバンドメンバーがツアーTシャツなどを着ているのと対照的。
ツアータイトルを決める過程で自分たちの楽曲やライブに来る観客などが星のようだと感じて、STARSというキーワードが出来たことを説明。しきりに「嘘じゃないんです」というのが印象的でした。そして、簡単なクラップの練習から、ツアータイトル曲にして最新曲「STARS」がスタート。1番をさらりと演奏すると、カメラが川村さんに向けられ、スマホライトをかざす川村さんの姿が。稲葉さんが皆も見せてくれと煽り、瞬く間に会場中がスマホライトの光に包まれるという珍しい光景(過去にフェスでも同じような演出をしたことはありますが)。
ピアノのブレイクから曲を再開。その間もスマホライトは振られ続け、会場全体が文字通り無数の星の輝きに包まれての演奏となりました。曲だけ聞くと明るい曲だなあくらいの感想かもしれませんが、実際に観客と合唱しそこに星の輝きが加わるとちょっと感動的な仕上がりです。最後は観客のスマホライトを背に笑顔で腕を広げる稲葉さんがスクリーンに大写しに。

21.Pleasure 2023 ~人生の快楽~
初日はSTARSに絡んだ話をしていたのですが、2日目はヒーローという単語が出てきて、ファンの皆こそがB'zのヒーローなんですという話をする稲葉さん。この辺のMCはあんまり決めていないのか、これから固めていくかでしょうね。
最後の曲はもちろん「Pleasure 2023 ~人生の快楽~」、どちらかと言うと前半の盛り上がり曲なのですが、最近は何かとトリを務めることが多くなってきました。
気になる「アイツ」とは何年かぶりに再開。2013年は「音沙汰もないまま二つ三つ夏が過ぎていって」ますし、2018年は「忘れたころにかけてきた電話」とあるので、歌詞の上では15年ぶりの再会です。何かと不安定な奴ですが、今回は「人はいつからだって新しくなれる」と前向きなフレーズを歌い上げ、「イエス~」からの件も久々に原曲に差し戻してました。ちなみに2日目はテンションが上がり過ぎたのか、サビの歌詞がぐちゃぐちゃになり2番で崩壊。花道でプロンプターをガン見する稲葉さんという珍しい姿が見れました。
この曲は細かくアレンジが変わるのですが、どうだろう、スタジアムで聞いた限りでは2018年のバージョンからそこまで大きく変わったようには聞こえませんでした。正確にはHighway Xツアーの横浜公演で触りだけこのメンバーでやってるので、その演奏に準じていたようには聞こえました。それ以上に最後の特効の音が凄まじくてびっくり。

EDSE ひとりじゃないから -Theme Of LIVE-GYM-~ペインキラー
久々に観客全員で「お疲れ!」をした後は、二人が花道手前まできて上手・下手それぞれに深々とお辞儀。中央に戻って来たところで、「東京!」のフレーズを観客と共に大声で叫んで終演。会場にはアリーナ時点では未発表曲だった「ペインキラー」が流れ続けている中での規制退場となります。この曲もライブで聞きたかったですね…。

ENDLESS SUMMERツアーもGLORY DAYSツアーを意識して、Pleasure定番を入れ替えた構成になっていましたが、今回はそれ以上に大胆な構成のセットリストになりました。近年は余り演奏されることのない90年代前半どころか、80年代の楽曲がこんなにスタジアムクラスで並ぶPleasureは二度とないのではないでしょうか。差っぽドームの公演では「もう一度キスしたかった/今夜月の見える丘に」がアリーナ同様に「GUITAR KIDS RHAPSODY」に変わったとのことなので、かなり攻めたセットリストですね。そこにさらに「BIG」や「JAP THE RIPPER」だったり、前年のアルバム曲「YES YES YES」が入っているのが凄い。逆に2000年代の癖の強い楽曲はやや少なめなので、人によっては好きな時期をまるっと外されているかも。

ultra soul」「イチブトゼンブ」「LOVE PHANTOM」「RUN」「BAD COMMUNICATION」とPleasureの重要な位置を占める曲はいずれも大幅なアレンジがされたり、従来とは全く違う位置の演奏とすることでHINOTORIツアーのとの対比を形成。今まで通りの曲順、立ち位置だったのは「恋心(KOI-GOKORO)」「Pleasure 2023 ~人生の快楽~」くらいでしょうか。そうした中でしれっと「NATIVE DANCE」がレギュラーメニューに復活しているのが不思議な感じさえします(と言っても10年ぶりではあるのですが)。

TV特集でライブにおける派手な演出を宣伝していましたが、演出はかなり控えめ。ステージが大きくて派手なので、何かあるのかなとも思いましたが、実際には頭部のみのバボットやツアーロゴが登場して燃え上がる程度。代わりに炎や花火などの特効はかなり派手なものが復活。またオープニング映像を始めとして大きなスクリーンを活かした演出も目立ちました。実際に見る側からするとHINOTORIツアーのような派手な演出も楽しいですが、会場の規模を考えるとスクリーンがデカいのが一番ありがたいです。

スタジアム公演は今週末は再び関東で日産スタジアム、その後静岡・福岡を回り、ヤンマースタジアム長居の3DAY公演で終幕となります。いずれも屋根のない野外公演となるので、台風や大雨などにこれ以上見舞われずにツアーが完遂できたらいいなと思います。

「GLORIOUS 70」発表

bz-vermillion.com
稲葉さんに並んで松本さんもソロ活動が活発になってきました。建物の記念にかかる楽曲作成が多いですが、今回はZepp Hanedaの縁があったのか、羽田空港旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデングの創立70周年を記念したテーマ曲。ベースの緊迫感のある音から、空のイメージがある雄大なメロディーを松本さんが奏でる楽曲。小刻みにリフを刻むパートがトリッキー。松本さんのソロ曲ではありますが、意外とこういう印象の楽曲って記憶になくて、でも聞いたことがある気もするので、不思議だなあと思ってたのですが、B'zのライブのオープニング用に楽曲を作るときのイメージに近いのかなと勝手に納得しました。ただ楽曲のイメージというかモチーフは間違いなくトップガンのテーマでしょうね。イントロからもろに意識しているので。
www.youtube.com
B'zとしては台風のため、沖縄アリーナの公演が延期。ツアー中に2か所4公演が延期というB'zのツアーの歴史でも例がない事態になりました。
結果的に次の公演はスタジアム公演となり、味の素スタジアムを皮切りに久々の大型会場でのライブが幕を開けます。

EPIC MATCH ~ the match everyone wanted ~

松本さんの新曲「EPIC MATCH ~ the match everyone wanted ~」が一昨日26日より配信スタートとなりました。
松本さんとしては「Bluesman」以来のソロ作品、配信シングルとしては「Live Life」以来、実に10年ぶりとなります。インストゥルメンタルのシングルを出すのは「#1090 ~Thousand Dreams~」以来、31年ぶり。しれっと出してますが、結構珍しい動きです。

bz-vermillion.com

既に公開されている部分は、サビにあたる部分かなと思ったのですが、頭からいきなり公開部分が流れてきます。スタジアムの解放感を表したような気持ちの良いメロディから始まって、「有頂天」を思い出させるリフに陽気なブラスが絡んでいきます。ブラスのアレンジが「リヴ」に似ているので、多分YTのアレンジじゃないかなと思います。
もう一つ落ち着いたメロディを挟んで冒頭二つのメロディを行き来する構成。リフ自体は「有頂天」ベースですが、全体的には「RED SUN」を彷彿とさせる気持ちの良い出来。「RED SUN」が若干捻った構成を取っているのに対して、「EPIC MATCH ~ the match everyone wanted ~」はかなりシンプルな構成で曲も松本さんのインストとしてはコンパクト。
スタジアムにはとても映える曲のように聞こえるので、フルではなくてもPleasureのスタジアム公演で聞くことが出来たら良いなと思います。

Pleasureツアーはアリーナ公演も終盤に差し掛かっています。先週の福井公演は稲葉さんの新型コロナウイルス感染により延期となりましたが、今週の有明アリーナは予定通り開催の見込み。稲葉さんが全快の状態での公演になってるといいなと思います。有明には参加できまないのですが。

クローズアップ現代にB'z出演/Adoに「DIGNITY」提供

昨日、NHKクローズアップ現代にB'zが出演しました。
B'zとして二人で地上波のメディアに出るのはかなり久しぶりのことでした。ライブをメインとした特集にもかかわらず、歌番組ではないのは、演奏についてはぜひライブに来てほしいという気持ちの表れでしょうか。
冒頭、「クローズアップ現代は見ているか」の質問に対して、松本さんは笑いながら「ごめんなさい、見てません」と謝罪(アメリカでの時間が多くてNHKを見ていないのかと思いますが)。一方の稲葉さんはニュースからの連続でよく見てますと回答。
番組自体はNHKらしく時事問題も一部絡めつつ、二人にインタビューを行う形式。B'zへのコメントではお馴染みになったドリカムの中村さん、X JAPANYOSHIKIさんが、35年続けていることに対して映像コメントで登場しました。また、15年前の密着取材の際の映像も一部登場。
二人へのインタビューの模様は、番組では放送しきれなかった部分も含めてクローズアップ現代のサイトで公開しています。
www.nhk.jp
印象的だったのは、松本さんの「なにか大変なことがあると、まずは音楽じゃない」「僕たちの順番が回ってきたときのためにちゃんと皆さんを応援できるような音楽は準備」「僕らにできるのは音楽を創ることだけ」という言葉。音楽にできることを十分に理解した上で、自分たちの役割も認識しているんだなというのが控えめな言葉からも伝わってきました。
稲葉さんも上記サイトのインタビューで「音楽が二の次だなと感じるときもあるし、音楽が有効に働くタイミングはそれぞれ違うと思う」という言葉で同意しています。
また、稲葉さんは最近喉について医者から「もうビンテージですから」と言われたことを明かし、桑子さんと松本さんの爆笑を誘っていました。クローズアップ現代のサイトでは、その後キーを下げないことについても発言しています。

メディア露出のタイミングを見計らったかのように、本日Adoさんへの楽曲提供が公表されました。
bz-vermillion.com
既に「DIGNITY」はワンフレーズが予告サイトで公開中。B'zの提供曲としては珍しくバラードで、B'z本体でも最近あんまり聞くことが出来なかったタイプのドラマチックなバラードのように聞こえました。Adoさんもかなり特徴のある声、歌い方ですので、パッと聞くとB'z提供曲とは分からないかもしれません。
「B'zとして日本のアーティストに楽曲提供するのは今回が初」ということみたいですが、よく知ったファンには割と疑問符がつく書き方ですよね。「HEAT」は海外アーティスト向け、「ピエロ」はB'zの楽曲を先取りしてカバーとしても、「GO-GO-GIRLS」などがあるとは思うのですが。過去の提供は「B'zとして」ではなく、作詞作曲担当だったということでしょうか。
映画自体はPleasure終了とほぼ同時に公開。提供曲はB'zバージョンを作成して発表することが多いので、ひょっとしたらPleasureツアーの新曲枠として「DIGNITY」が演奏されるかもしれません。しかし、ずいぶん古い漫画作品を映画化するんですねえ。

STARS

「声明/Still Alive」以来、7年ぶりとなるCDシングル「STARS」が本日リリースとなりました。
別に7年間、新曲が出なかったわけでもないのですが、日本の音楽事情がどんどん変わっていって、それに合わせたのかB'zもシングルを出さなくなっていたので、何となく感慨深いものがあります。

表題曲「STARS」は35周年を記念する楽曲。Pleasureのツアータイトル曲は気合を入れた楽曲が多いですが、良い意味で気の抜けたからりとした楽曲に仕上がっています。公式の紹介文ではこれまでのファンや楽曲が全て「STARS」であり、何やら荘厳な曲になってそうな気配がありますが、実際には歌詞も肩の力が抜けています。ジャケットやアーティスト写真の雰囲気はむしろ「Dark Rainbow」「ペインキラー」「君の中で踊りたい 2023」の方が相応しい。
イントロなしでクラップ音と共に「We're all stars」のコーラスが始まり、陽気な楽曲が展開。ブラス混じりのアレンジはもちろんYT。ベースもYTでドラムは玉田さん、キーボードは川村さん、そして最近すっかりお馴染みのパーカッションはもちろん斉藤さんです。「ペインキラー」以外はすべてこの布陣でレコーディング。
稲葉さん独特の表現で日常の上手くいかないことをぼやきつつも、サビでは「We're all stars」という希望的観測とも楽観的ともいえる歌詞を展開。「荒ぶる風にまた吹かれよう」のさりげないフレーズがいかにも稲葉さんらしくて個人的には好き。あんまり暗くならないようにするためか、突っ込みのようなコーラスが入ってくるのも面白い。
1番が終わるとピアノの音と共に転調して、Cメロが登場して、ブルージーなギターソロが登場して2番になだれ込む変則的な構成。2番が終わると、再びコーラスパートに移って終わるので、曲自体は短め。
特典のBlu-rayでは3曲目に登場。TOKYO FM HALLでのスタジオライブは、川村さん・玉田さんは音源と共通ですが、ベースは亀田さん、ギターに大賀さんを迎える特別編成。かなり安定感のある面子を揃えてる感じがします。稲葉さんのボーカルが好調過ぎて分からないけど、当然CD音源とは別です。
「STARS」はPresent X当選者200名を招いてのライブで、頭でクラップの練習をしてからスタート。その他の2曲とは異なり、明るい日が差すしているようなセットの中で演奏され、星というよりは太陽のような陽気な雰囲気で演奏されます。Cメロ以外は出番があまりない川村さんのテンション高めのアクションにもご注目。

タイアップ曲「Dark Rainbow」は、映像では1曲目に登場。カウベルとカウントダウンの音に乗せてギターのリフが重なるハードなナンバーで、「NEW LOVE」の「SICK」や「俺よカルマを生きろ」と同系統のナンバー。80年代の王道的なロックの作法に則って曲が展開すると思いきや、メロではマイナー調の湿ったメロディが展開。そこから、サビの「吹き飛ばしてやりましょう」の歌詞にあわせて、曲がさっと表情を変えていく、お得意と言えばお得意なスタイル。
「栄華のためならえんやこら」という独特なフレーズの裏で、ドコドコと音が鳴りだして段々派手になっていくドラミングが気持ちいい。この辺はさすが玉田さん。サビでは多分YTと一緒に何かコーラスを叫んでいるんだけど「Catch the rainbow」以外はよく聞き取れず。
激しい曲ほどギターソロは大人しくなる松本さんですが、この曲では二段構えで良い意味で期待を裏切ってくれる。そして曲が終わったと思ったら、非常に不思議なパートがアウトロとして登場。音源だけかの遊びかなと思ったら、映像でも演奏の細部は違えど再現しているのでライブでもやるのでしょうか。「世界はあなたの色になる」のアウトロを思い出させるちょっと不気味な演奏ですが、次の「ペインキラー」への橋渡しになっています。
特典映像では暗いスタジオにネオンのような照明、治安の悪いスラムをイメージさせるセットの中で演奏。この曲は動きがあったほうが映えるなと思いました。稲葉さんはスタンドを器用に捌きながら歌い上げており、松本さんはあんまり動かないですが何か様にはなっています。スタジオライブとは言えそのままMVとしてもいけそうな映像で中々に気合が入ってます。他のメンバーはほぼ顔も見えないですが。

「ペインキラー」は本作のダークホースと言って良いでしょう。アレンジは寺地さん、リズム隊はシェーンとバリーなので2017年以前のストック曲と思われます。ストリングスにクレジットされている石川さんは「EPIC DAY」でのみの参加なので恐らくはその頃に制作された楽曲。
ピアノの印象的なリフに乗せてバンドとストリングスが乗っかってくる非常にスリリングな楽曲です。Aメロからサビにすぐに移るシンプルな構成ですが、一つのメロディが長めかつ非常に抒情的なメロディで構成されています。メロディメイカ松本孝弘の面目躍如たる楽曲で、「Black Coffee」などに通じるどこか懐かしい感じと綺麗なメロディにため息が漏れる楽曲。
2番が終わると、そのままストリングスをバックに綺麗なCメロが登場。少しダークな雰囲気だった曲調に光が射すようなメロディで、「多分一人だけ」のフレーズのメロディが何とも言えぬ感じ。後半でまた暗いトーンに戻すと、かなり作り込んだと思われるギターソロに耳を奪われます。最後は長めのサビを繰り返し、アウトロではギターの裏でシェーンらしい派手なドラムが聞こえてきます。懐かしい。最後はピアノのリフに戻ってきて終了。
歌詞は女性視点のようにも見えますが、別に男性視点でも問題はないかなと思います。一途と言えば聞こえはいいですが、曲調もあいまって若干病的な感じのする重たい愛を囁く主人公。「ハマッてくださいどっぽりもっと」「ワタシ無しではダメになってほしい」等のフレーズに病的な雰囲気が垣間見えます。
ピアノリフをメインにしていて、ちょっと病的、曲調は非常にロマンチックなので、どことなく「LOVE PHANTOM」を想像させるものがあります。「HINOTORI」の全貌が見えない時に妄想していた曲調は個人的にこんな感じなので、実は「HINOTORI」の前に「LOVE PHANTOM」の続編としてチャレンジした楽曲だったら面白いなと勝手ながら思ってます。どういう経緯で出てきた曲なのかはB'z Partyの会報待ちでしょうか。

トリを飾るのは「君の中で踊りたい 2023」で、この曲が再録された理由もB'z Partyの会報待ちですね。2ndシングルとして1989年に発売された楽曲で、デビュー曲「だからその手を離して」に比べるとメロディや展開が各段に練り込まれているのが分かる楽曲で、演奏の古臭さを除けば今でも通じる楽曲だと思ってました。ただ、ヒットもしていない2ndシングルという微妙な立ち位置のため、次作「LADY-GO-ROUND」と並んでシングルの中では存在感が薄い楽曲です。ライブでの演奏も2008年のACTIONツアーのホール公演が最後となっています。
原曲は緊迫感のあるイントロに打ち込みが重なりますが、今回はドラムの一音からサビになだれ込む構成に大胆にアレンジ。そこからの演奏はいつもよりスマートではあるもののパーカッションも含めたゴージャスな演奏に生まれ変わり。稲葉さんが原曲同様に「oh yeah」と軽くシャウトするのはご愛敬。メロは原曲同様にバンドの演奏は控えめ、コーラスは原曲よりもかなり控えめになっているのですが、まるで分厚さが違うのが不思議。原曲はバブリーな雰囲気だったのに、ちょっとサイバーパンクっぽい打ち込みで未来感を出しているのはさすがのYTアレンジ。
大きく変わったのは間奏部分。サビが終わると稲葉さんの軽い掛け声と共にスリリングなギターソロが登場し、弦楽器を模したパートにコーラスが重なり渾身のラップで盛り上がりが最高潮になるのが原曲。音源を持っていたらぜひ聞き返してほしいですが、このパートは2ndとは思えないほどスリリングでかっこいいです。
今回はギターソロ含めてよく言えば貫禄のある落ち着いた構成に変更。ロックマンなしヤマハのギターでは、当時の音を再現できないこともあるのでしょうが、一旦うねりを上げるようなギターソロが登場し、弦楽器パートは控えめな演奏に差し替え。代わりにピアノとコーラスが不思議な雰囲気を漂わせ、英語ラップの代わりに新規の日本語歌詞が登場。デビュー直後の歌詞に悩んでた時期の曲に、いきなり熟練の歌詞が登場するアンバランス感が面白い。
サビはフェイクしつつ長めに繰り返して、最後のコーラスパートをきっちり歌い上げてライブ風にきっちり終了。原曲はサビとコーラスが重なり合いながらフェードアウトするのですが、まあフェードアウトは今のB'zはめったにやらないですからね。
だからその手を離して」が「B'z The Mixture」で完全に新規アレンジで再録されましたが、バンド感全開だった「だからその手を離して」とは違ってかなりアレンジを練り込んで変更した印象。その他の「B'z The Mixture」の再録曲のように当時のアレンジをなぞってもいないので、「スイマーよ2001!!」が一番近いでしょうか。解体ではなく再解釈といった感じです。
特典映像は一応当時のMVを意識したのか、最初と終わりだけ上方から二人を見下ろす構図。セットはどこか地下鉄風で、稲葉さんはスタンドではなく有線マイクを使用、松本さんはフライングVを使用。「Dark Rainbow」よりも明るいのでようやくバンドメンバーの表情が見えるようになります。

新曲が2曲、ストックと思しき曲が1曲、再録が1曲、物凄い派手な楽曲があるわけでもないのですが、中々にバランスはいいと思います。後半2曲を違和感なく収録できるのはシングルの特権ですね。アルバムだと中々こうはいかないです。配信に積極的ならこういう曲もさらっとリリースできるのかもですが。
ジェンガは完全にコレクター向けのグッズ。とは言え、ジェンガを使った映像でプロモーションはしてますし、その内手に入らなくなりそうなのでほしい方はお早めに。スタジオライブはライブでありつつもMVの要素も兼ね備えているので、Blu-ray付きのCDは買って損はないかと思います。「ペインキラー」がないのが残念と言えば残念。次にシングルが出るのはいつでしょうか。


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関ジャムで特集/STARSそろそろ発売

テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOWB’z特集!7月30日(日)放送!!

7月30日(日)23:00〜放送のテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」にて、プロが唸るB’zの名曲特集が放送となります!
どうぞお楽しみに!

推しといつまでもに続いてのB'z特集。過去最大のスタジアムツアーということでチケットの販促が必要なのかなと思います。関東は日産スタジアム味の素スタジアムが脈絡なく短期間で並んでますからね。
また、「STARS」もいよいよ今週リリース。久々にユニークなCM映像も公開。二人が特典のジェンガで遊ぶだけの動画ですが、なんか楽しそうです(お芝居は下手ですが)。
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稲葉浩志新曲「我が魂の羅針」

稲葉浩志 新曲「我が魂の羅針」スマートフォン向けゲーム『アスタータタリクス』エンディングテーマに決定!!

2023年夏にリリース予定のスマートフォン向け本格シミュレーションRPGアスタータタリクス』のエンディングテーマに、稲葉浩志書き下ろしの新曲「我が魂の羅針」が決定いたしました!

B'zの活動中もソロ活動が活発な稲葉さん。ツアー中もソロ活動というよりも、ツアー前にレコーディングしていたものが少しずつ表に出てきてるんでしょうね。
ソシャゲのタイアップでしかも書下ろしというのは珍しいです。ゲーム側のYouTubeでサビだけが公開。稲葉さんが得意としている系統のバラードでピアノとアコギの音が綺麗に響いてくる楽曲。サビ終わりのコーラスもどこか幻想的な雰囲気が漂っています。

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