Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

オン・ファイアー / ON FIRE-LIVE AT THE BOWL (CCCD)
QUEEN ON FIREについてでも語りますかな。このライブ、何気にQUEENのライブアルバムの中でも一番調子が良いです。QUEENの歴史から見ると、QUEEN最大の失敗作といわれるHOT SPACEの後だから、あまり良い時期じゃないんですけどね。一応説明しておきますとHOT SPACEっていうアルバムはですね・・・え〜と、どこから話せばいいんだろ・・・QUEENはA DAY AT THE RACEで豪華絢爛なQUEEN美学に蹴りをつけ、皆さんご存知のWE WILL ROCK YOUWE ARE THE CHAMPIONSを含むシンプルなロックアルバムNEWS OF THE WORLDを発表してアメリカの人気を勝ち取ります。その後、職人的なアルバムJAZZを発表して、英米両方での人気を確固たるものにした後、QUEEN初期から完全にかけ離れた二枚のシングル、CRAZY LITTLE THING CALLED LOVEとANOTHER ONE BITES THE DUSTを発表(前者はプレスリー風、後者はもろブラック、ディスコ路線)。これが立て続けに全米1位を獲得した後に、満を持してTHE GAMEを発表。このアルバムはシンセの導入を明らかにし、音もきわめてシンプルなダンス系のものが多いアルバムだったのですが、時代の流れに乗って全米、全英で1位を獲得(僕はあんま好きなアルバムじゃない)。で、それに味をしめて、さらにダンス路線を強化してできたのがHOT SPACEなんですが、これはやり過ぎとファンからはそっぽ向かれて、セールス、人気とも下降し、メンバーの不和を生み出す原因にもなったアルバムなのです。
まぁ、そんな時期のツアーなんですけど、ライブは非常に良かったことが分かりました。フレディの声がライブ用に雄雄しく、逞しくなっている一方で、ファルセットなんかが美しい状態で残っている。フレディの声っていうのは日によって状態が滅茶苦茶だったりするんですが、これは凄い!調子が良すぎ。本人が生きていたら、間違いなく音源を差し替えたと言ってしまうであろうというくらい良い。HOT SPACEの曲もナイスに聞こえます。PLAY THE GAMEやSAVE MEもライブということでシンセ臭が薄まり、しかもフレディがほとんど下げることなく歌うので、CDよりずっと良く聞こえます。さりげなく、入るピアノのイントロも美しい。でも、白眉はやはり、SOMEBODY TO LOVEでしょう。SOMEBODY TO LOVEはLIVE KILLERS!の頃も歌っていたんですが、時間の問題でカットされていました。そのせいか、SOMEBODY TO LOVEのライブと言ったら、フレディ追悼コンサートの際にQUEENの伴奏でジョージ・マイケルが歌ったものが有名(確かに追悼コンサートの中でもっとも素晴らしい演奏でした。まぁ、他の出演陣が完全に原曲負けしてたということもありますが)になってますけど、今回のはフレディ本場の力を見せつけてくれました。ピアノのイントロにのせて、静かにCDにはないメロディで「Can you find me? Can you find me somebody to love?」と歌いだすフレディ。演奏をいったんとめて観客を煽ると、あの明るくも切なげなイントロが流れ出します。のどに負担をかけぬよう、所々でメロディを崩していますが、そこが綺麗にきまるところが本家の強み(ジョージのはCDに極めて忠実でした。キーを全く下げずにゴスペル隊を率いて堂々と歌うジョージも凄かった!QUEENに加入するか!?と噂された程)です。ゴスペル風のコーラスは当然、再現できないので、バンドと、観客に手伝ってもらいます。朗々と歌うフレディの声に思わず、何故亡くなってしまったのか、と早すぎる死を悔やまずにはいられませんでした。
声の調子自体はWE ARE THE CHAMPIONS以外は、既存のどの3枚よりも素晴らしいものと言えるでしょう(WE ARE THE CHAMPIONSについては、アンコールラストにもかかわらず、原曲キーでフレディがサビを歌いきったウェンブリーの方が素晴らしい)。ただ、ウェンブリーのような貫禄と呼べるものはまだないかな。ウェンブリーではとにかくフレディの声が雄雄しく、圧倒されます。ただ、選曲はこっちの方が初期寄りの曲が多いこともあって、個人的に好きだなぁ。相変わらず、QUEEN2の曲はノータッチ状態。ライブ盤が4枚もあって、QUEEN美学の頂点と言えるQUEEN2からSEVEN SEAS OF RHYEのショートバージョンしかないのはいかがなものかと思うんですけどね・・・ただその時期は、ライブがまだ不安定でイマイチだったこと考えるとしょうがないんだけどさ!でも聞きたいのさ!!
そんなわけで、それなりに納得のいくライブアルバムでした。AEROSMITHのA LITTLE SOUTH OF SANITYよりは好きかな(あれは演奏が完璧過ぎてCDとの差が感じられないんだな。実際に行った人には最高なんだろうけど)。ただ、LED ZEPPELINのHOW THE WEST WAS WONには敵いません。あんな凄いライブアルバム普通ないですよ。さしものQUEENも形無しです。とゆーか、CCCDの時点でアウト。
おぉ、何かいっぱい書いてしまった。