Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

New Horizon

New Horizon

New Horizon

堂島リバーフォーラム公演へ昨日行ってまいりました。その名の通り、川沿いにある会場で、外見からだけでは、ライブをする会場とは分からないかもしれません。とても気持ちの良い天気の中、ゆっくりと川沿いを歩きながら会場まで向かったのですが、Riverside Bluesを久々に聞きたくなりました。会場につくと既に入場待ちの長蛇の列が形成されてました。少し焦りながらチケットの整理番号を確かめると、呼ばれるのはまだまだ先で嬉しいやら、悲しいやら。
スタッフの整理に応じて、中に入るとグッズ売り場が。終演後の購入を考えていたので、何ともありがたい。Tシャツ、タオル、トートバッグを買い、飲み物を引き換えて会場内に。ぎゅうぎゅうに詰めていないからでしょうか、整理番号の割には良い場所を取ることをできました。ラリーとのツアーと同様にスタンディングですが、ステージがかなり高い位置にあるので、見やすくて大変助かりました。
17時半の定刻通りにライブはスタート。サポートメンバーがまずはステージに登場、ほどなくしてアルバムのイメージカラーである水色のシャツにサングラス姿の松本さんが登場。

01.New Horizon
02.Take 5

まずはアルバム通りにNew Horizonからスタート。物憂げなギターのトーンが響いた後に、ホーンのノリの良い音が被さってくる。ギターが主役でなくても良いということは、このアルバムのプロモーションにあたって松本さんが様々なところで語っていましたが、その代表とも言える曲で主旋律を奏でるのはピアノだったり、サックスだったりと、ギターがほとんど聞こえてこない時間の多い曲です。生憎、サックス奏者はライブにはいませんが、ピアノソロのシーンで松本さんが小野塚さんへ手をやるのが印象的でした。最後はギターを弾き倒しながら、CDではフェードアウトしていってしまいますが、ライブでは少し長めに引いた後に冒頭のホーンセクションのメロディが流れて終わりました。
続くTake 5はかつて、Thosand Waveでもカバーしたことのあるナンバー。当時は、ジャズの名曲をメタリックに引き倒していましたが、New Horizonではフルートを交えたゆったりとした演奏になりました。もちろん、フルートはライブでは演奏できませんが、代わりに松本さんと大賀さんのユニゾンが、CDよりも厚みのある演奏にしていました。原曲がジャズだから当たり前ですが、アルバムの中では、ジャズの雰囲気が強い楽曲でしたが、ライブではそれほどジャズという感じでもなかったですね。
ここで、MC。こんばんわと観客に呼び掛けると、観客からは歓声が。やっと帰ってきたぜ、ホームタウンに、とガッツポーズを決めて見せると、川沿いの素敵な会場を褒め、「今日はいつもみたいにイェーって感じではないので」という言葉に我々も笑ってしまいました。ゆっくり楽しんでいってくださいの言葉でMCを締めて、曲に。

03.BLUE
04.華

力強いギターのイントロから始まるのはBLUE。元々は御堂筋BLUEという名前でしたが、House Of Strings以降は、BLUEに改題されました。朝の人のいない御堂筋をイメージした曲だったと記憶しています。自分も恥ずかしながら、羽目を外した際には夜明けの御堂筋をタクシーにも乗らずに歩いたことが何度かありますが、松本さんのイメージはよくわかる気がします。オフィス街に街路樹が整然と立ち並ぶ広い道なのですが、そこに朝日が差し込んでくる様子は綺麗でもあり、少し人寂しい気分にさせられます。そんな御堂筋を思い浮かべながら演奏を聴いていました。
BIG MACHINEツアーでも披露された華が登場。澄んだピアノのイントロに、胡弓を交えた東洋的な演奏は恋歌と並んでアルバム華を代表する楽曲でした。今回は原曲バージョンではなく、Strings Of My Soulでアレンジされたバージョンでの演奏でした。胡弓によるソロが原曲でのハイライトですが、ライブでは小野塚さんのキーボードでのシンプルな演奏に切り替えてました。

05.THE WAY WE WERE
06.Tokyo Night

続く二曲は、TAKE YOUR PICKから。当然、ギターが二人いないと成り立たない曲のため、大賀さんが大活躍でした。まずはTAKE YOUR PICKの中でも、比較的松本さんの色が強いTHE WAY WE ARE。この曲のシリアスな雰囲気は、ジャズ色の強いラリーとのツアーではやや浮きがちでしたが、この曲順だとしっくりきます。ギターもそうですが、ベースの淡々とした音がいい味を出してる曲です。転調前の音とかいいですよね。トラヴィスが黙々と弾いていました。
Tokyo Nightの選曲は意外でした。面子的にJAZZY BULLETSあたりがきそうかなと思ってたのですが、Ain't No Magicツアーでもやってたので、なしということでしょうか。サビでギターがユニゾンし、メロでも二本でなり続けるこの楽曲は確かに大賀さんと二人で演奏するには相応しい楽曲と言えるでしょう。大賀さんの出番のたびに松本さんが大賀さんに手をやり、嬉しそうに演奏する大賀さんが印象的でした。

07.Shattered Glass
08.学生街の喫茶店
09.Island of peace
10.That's Cool

再び、曲目はアルバム曲に移ります。まずは、原曲よりも長めのピアノのイントロを添えたShattered Glass。アルバムの中ではRainを除けば、一番ジャズから離れたバラードチックな楽曲です。この曲には、歌詞カードに短い物語が添えられています。
野球をしていたら、ある家にボールを打ち込んでしまい、ガラスを割ってしまった少年。少年が謝りに行くと、中からは少女が現れ、ガラスのことはいいから野球に混ぜてくれという。少年は喜んで、少女を野球に誘い、毎日のように遊んだ。ある日、少女が現れないので、家に迎えに行くと少女の母親が出てくる。少女は3年前に死んだという母親の言葉を信じられずに少女の部屋に行くと、そこには少女のノートがあった。割れたガラスを通してオレンジ色に染まったページに書いてあった言葉は「友達になってくれてありがとう」
要約するとこんな感じです。ドラえもんにでもありそうな、子供時代のちょっと不思議な話です。曲も最初のシリアスな雰囲気から、だんだんと少しずつ温和なムードに変わっていきます。ガラスを割ってしまい、憂鬱な気分から少女と会って別れるまでの楽しい時間を短い曲の中で表現しています。
学生街の喫茶店については、残念ながら原曲を存じ上げませんでした。これがきっかけで、原曲を聞いてみたのですが、なんとも不思議なメロディ進行の楽曲ですが、作曲がすぎやまこういちさんということでなんとなく納得しました。ちょっとRPGのBGMっぽいメロディに、学生街の喫茶店の淡い思い出を綴る歌詞をのせたことで、不思議な哀愁を漂わせる楽曲になったのですね。松本さんは歌メロを比較的忠実にギターで再現しています。原曲のやるせなさは薄れて、哀愁を漂わせていながらもお洒落な雰囲気に仕上がってます。これはピアノの妙ですね。歌い手がいれば、HIT PARADEの候補曲だったのかもしれませんね。
ハワイの風でも吹いてきそうなIsland of peaceで小休止。HotaluやTHE WINGSにアレンジ含めて近いものを感じる楽曲ですが、どこか和の要素と哀愁を感じる二曲に対して、この曲はタイトル通り平和な海の夕焼けを連想させる楽曲です。ホテルの紹介ムービーにでも流れてきそうな感じがします。CDではストリングスの音が大きくなっていますが、ライブでは抑えられて、ピアノとギターの間を楽しむスタイルでした。
ジョン・フェラーロのご機嫌なリズムに乗せて、松本さんが手拍子。観客もあわせて、この日初めての手拍子。冒頭のドラム、曲中の小粋なベースなどThat's Coolはバンドスタイルが良く似合う曲だと思っていましたが、予想通りでした。CDでは周りとの曲とバランスをとるように、小さくまとまった楽曲でしたがライブではノリの良い楽曲に見事に化けました。CDで聞いた時から、冒頭部分がZEROをライブでやるときのドラムに似てるなぁと思っていましたが、ライブでもドラムとベースが長めにイントロを取り、そこに小野塚さんのエレピが加わりという構成でした。
ここで、松本さんがバンドメンバーの紹介。一人ずつ名前を呼び掛けていくだけのシンプルな紹介です。B'zファンにはすでに大賀さんに歓声が上がると「もうそのくらいでいいから」と手を挙げてる大賀さんににこやかにぴしゃりとする松本さん。ENDLESS SUMMERの映像でも似たようなくだりを見かけましたが、仲が素晴らしく良いですね。

11.月のあかり
12.Reason to be...
13.Rain

桑名正博さんの月のあかりからスタート。アルバムの中でも群を抜いて美しい仕上がりになっているこの曲。学生街の喫茶店同様に歌メロを丁寧になぞっています。原作はもう少し男臭い曲なのですが、ピアノとストリングスの盛り上げのせいで、本来の男臭さは鳴りを潜め、綺麗なバラードに仕上がってます。男らしい旅立ちを歌った曲なのですが、映画のエンディングにでもなりそうなアレンジになってますね。学生街の喫茶店もそうですが、元々はフォークソングとしてアコギが似合う曲をエレキでやるの好きですよね、松本さん。
Reason to be...もハワイの風が吹いてきそうなゆったりとした楽曲です。大賀さんがアコギを弾いたり、エレキを弾いたり忙しそうに演奏してたのをなぜかよく覚えています。Island of peaceとは異なり、途中で琴を模したような演奏が聞こえてくるのが特徴ですが、アルバムの中では二曲とも影が薄いかもしれません。
雨の降る音に小鳥の鳴き声のSEとくればRainしかありません。ENDLESS SUMMERをくぐり抜けただけあって、アルバムの中ではほかの曲とは違うちょっとした貫禄のようなものを漂わせています。もともとライブ用の楽曲として作られただけあって、若干曲のスケールが他と異なる感じを受けます。他の曲が室内でまとまるような楽曲なのに対して、Rainは外へ外へと広がっていくようなパワーを感じる曲です。夏の終わりの暑い日に、日産スタジアムで見たスクリーン映像を思い出しながら、演奏に浸っていると、不謹慎ながらB'zのライブが恋しくなってきました。途中の小野塚さんによるキーボードソロはCDよりも力強いものでした。
松本さんが気分はどうですかと観客に呼び掛け、思ったよりも奥が遠いんだねとおどけてみせると、後方の観客からお返しの歓声が。それじゃあもうちょっとやっちゃおうかなとファイアバードを構えなおすと、懐かしいあの曲の登場です。

14.GO FURTHER
15.#1090 千夢一夜

Brotherhoodツアー以来、15年振りの演奏となりました。ここまで基本的には聞かせる演奏だったのですが、ロックギタリストの松本さんに戻り、原曲通りのGO FURTHERを聞かせてくれました。当然、観客も大盛り上がりです。手を振る人、体を揺らす人、ノリかたはそれぞれですが、これまでとは違うスピード感に大盛り上がりでした。途中のサビのところで、フェラーロが、観客に手を振らせようとでもしたのか大きく手を挙げてましたが失敗に終わってました。それを見た大賀さんが爆笑してました。松本さんは後ろの出来事なので知ることなく、ギターを弾いてました。
最後のサビメロに入ると思った瞬間にお馴染み過ぎる#1090 千夢一夜が登場。再び観客から歓声が漏れます。空間をゆったりと漂うな響きに気持ち大きめに観客が体を揺らして、演奏を聴いてました。演奏されたのはもちろん、Strings Of My Soulのバージョン。途中の中国語はSEでも流れませんでした。なんとなく終わりなのかなと思ってたら、案の定、これがラストナンバーでした。「どうもありがとう」の声でバンドが退場。

16.The Moment
17.Rodeo Blues

拍手鳴りやまぬ会場に、意外に早くバンドが再登場。全員ツアーTシャツを着ての登場でした。ONE FOR THE ROADの名で、LIVE RIPPERのエンディングで流れ、99年にCD化され、ファンには実に長いお付き合いの曲でした。Strings Of My Soulで、The Momentと改題された曲がやっと聞けました。キーボードの音が原曲よりもキラキラしてるのが、The Momentの特徴ですが、そこはライブでも小野塚さんが丁寧に再現していました。
最後はThat's Coolと並んで、ご機嫌な楽曲Rodeo Bluesで締めでした。New Horizon以上に、管楽器がにぎやかな楽曲ですが、メロディー自体はギターが担ってるので、ライブでも違和感なく盛り上がりました。最後は一旦、バンドが演奏を中止したところで、松本さんがオフマイクで「Hey!」と掛け声をあげてからのエンディング。このエンディング、CDではサックスがチープな雰囲気を出していて好きなのですが、ライブはやっぱりバンドのみの方が似合いますね。
最後はバンド全員で肩を組んで終わりです。肩を組む前に松本さんがピックをあちらこちらに飛ばしてました。そういえば、今日みたいなライブでは投げる機会ないですもんね。フェラーロも退場前にスティックを豪快に投げてたら、大賀さんのアコギにぶつかるという愉快なシーンを見せての和やかな退場でした。松本さんオンリーのインストライブは初めてでしたが、とても良いライブだったと思います。今回はNew Horizonからの選曲が勿論メインでしたが、まだまだ過去曲はあるので、機会があればぜひ聞きたいものです。House Of Stringsだけは都響とのコラボで大体聞いているのですが、華とかまだまだ演奏する曲は一杯あると思うんですよね。
最後に、ライブでやらなかった曲について。
まずはアルバム唯一のボーカル曲、Feel like a woman tonite。Live Lifeとは異なり、女性ボーカルによる楽曲で、伸びやかなボーカルとホーンが夜の街のような雰囲気を醸し出します。愛される喜びを歌ったシンプルな楽曲ですが、こういう艶やかな楽曲はLive Life同様にB'zではあんまり出てこない楽曲です。強いて言うなら、SLAVE TO THE NIGHTの雰囲気が似てるでしょうか。
House Of Stringsで一度、音源化されたBLACK JACKは学生街の喫茶店との日替わりだったようです。元々はアニメ用に作成され、スピーディーなロックナンバーでしたが、House Of Stringsで豪奢なアレンジが施され、今回はよりこじんまりとしたアレンジとなりました。THE WINGSのアレンジに近しいものがあるかもしれません。途中にサックスのソロを挟む、原曲とは似つかぬ曲となりましたが、サックスソロからのギターソロは非常にメロディアスでお気に入りです。ただ、原曲も何らかの形で発表してほしいですね。難しい気もしますが。