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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

残響、はつ恋/福山雅治

残響(CDのみ通常盤)

残響(CDのみ通常盤)

無駄に「待ってつかぁさい」の言葉を言っている気がする坂本龍馬、こと福山雅治。オリアル自体はf以来なので、もう何年ぶりだったのかも分からない。ただ、fは僕が高校生のころに聞いた気がするので相当前なのは確かだ。相変わらずいい声だけど、曲の方はいい具合に老成してきたように感じる。
朗々とした群青 〜ultramarine〜から始まるのは5年モノとかぶってる気がしないでもないが、何のまとまりもなかった5年モノとはそれ以下が全然違う。
文語的な歌詞に不思議な韻、少しエロいのに曲はブラスが効いてて…サザンというかマンピーのGスポットの福山バージョンとでもいうべきシングル、化身。おかしい、サザンだとやや下品で攻撃的な楽曲なのに、福山雅治だと何故艶っぽいのか。
明日の☆SHOW。明日のジョー。どんなギャグなんだ。ふざけた感じのタイトルとは裏腹に、曲も歌詞もとても美しい。「だって心はもうわかってる」の歌の入り方が素敵。こういうのは福山さんにしかできない気がする。ポップと言えばポップなんだけどちょっと違う。郷愁感が漂うというか。サビでのファルセットの入り方もとても綺麗。アルバムではかなりのお気に入り。
軽快なアコギと語り口が気持いい幸福論。この人が昔ジャカジャカとアコギを目一杯かき鳴らしてHELLOを歌ってたかと思うとちょっと信じがたい。メロでなんやかんやとむつかしく語ってみせているけど、幸福とはとてもシンプルなものだということをサウンド的でもサビの歌詞でも強く訴えている。
18 -eighteen-のイントロに波乗りジョニーを少し思い出した。サビの「MY HOME TOWN」という歌詞からも分かるように、郷愁の念が一番強く出た楽曲。シングルになっててもおかしくないくらい美味しいメロディーで構成された楽曲。そのままだったらなんてことのないポップな楽曲なのに、福山さんの声が不思議な渋さを与えてる。
福山のセルフカバーに間違いなし。最愛。ピアノとボーカルのみなのに表情豊かに演奏される。柴咲さんのバージョンよりもこっちの方が個人的にはハマってると思う。「愛さなくていいから」の歌詞が容疑者Xの献身とリンクする。その歌詞で最愛というタイトルをもってくるセンスが素晴らしい。福山さんバージョンのPVも秀逸。
phantomは福山さんのルーツに一番近いんじゃないだろうか。鬱々とした雰囲気の楽曲で、嫌いじゃないけど聴くときにはそれなりの体力がいる。
鬱っぽいで感じで始まりながら、妙にメロディアスな楽曲、survivor。音の作り方こそ違えど、在りし日のビーイング系の楽曲みたいなメロディーだよね。二番のAメロの後に突然陽気なブラスの演奏が入るのは何なんだろう。ベタな展開への反抗なのかもしれないけど、正直雰囲気が壊れてる。少し切なげな楽曲なだけに。
アルバムを締めるのは一曲目と対をなすような朗々とした、道標。「わたしはこの手が好きです」という歌詞からも分かるように、郷愁からもう一歩前に進んだような楽曲と歌詞が素晴らしい。アルバムタイトルになってもおかしくない曲だと思う。
fや5年モノよりもずっといいアルバムになってると思う。去年は何となくやらなかったけど、もし2009年の10枚とかやってたら間違いなく挙げてたであろうアルバム。未だに聞いてます。「はつ」の文字が平仮名なのが少し気持ち悪い。年末にCMでやたら耳にした楽曲。CMで流れてたサビがとても印象的で、ほかの部分もストレートな楽曲なのかなと思ってたら、AメロやBメロはまるで演歌だった。ストリングスの使い方や、吐息が漏れるような歌い方がもう完全に演歌、いい意味で。でも、個人的にはサビの伸びやかな感じが好きだ。
カップリングは今一つピンとこなかったな。残響の流れをくむような楽曲を期待したせいかもしれない。