Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

Libertad

リベルタド

リベルタド

前作はロックだったけど、かなりモダンなテイストだった。アレンジが凄く今時だったように感じる。そのモダンなアレンジに激しい演奏がかっこよかったわけなのだけど。
今回は前作ほど作りこまずに古き良きロックを演奏しましたといった感じ。派手でもないけど、地味でもない。勢いがあるけれど、ただ派手に飛ばすわけでもない。そういうロックアルバム。前作とどちらがVELVET REVOLVERらしいのかは分からないけれど、個人的にはこちらの方が好みのアルバム。
Let It Rollはロックの見本のような楽曲。キャッチーなメロディーがチープな印象の演奏で奏でられてる。演奏だけ取ったら70年代風。ただ、70年代にしてはスコットの声はクリーンすぎるかな。スコットはクリーンな声の底に荒々しさを持っているのが魅力。
She Mineも同様の路線といっていい。サビの「She mine〜」のフレーズが分かりやすい。少々物騒なイメージのあるイントロにドラムが無機質にリズムを重ねていく部分がとても好き。リフが重なってからは割りと普通なのだけど。
She Builds Quick Machinesは先行曲。スピーディーな印象がるのだけど、4分を超えていてこのアルバムの中では比較的長い方の楽曲。拳をひたすら突き出すようなサビがバンドのイメージによく合ってるのでこれをシングルにしたのは正解じゃないかな。個人的には同じ系統の楽曲でもJust Sixteenの方がシングル向きだと思うし、好みなのだけどJust Sixteenではあまりに普通にロックしすぎてるのだろうか。
アルバムのカラフルさに一役買っているのがELOのカバー曲、Can't Get It Out Of My Head。イントロこそ少々派手に鳴らしているけど、中身は古き良きポップス。1stには絶対無かった曲調。まぁ、カバーだからあるわけないのだけど。Mary Maryも比較的ポップな印象の強い楽曲。いや、演奏自体がポップというわけえはないけど、メロディーがかなり前に出た楽曲ということで。
Pills, Demon & Etc…のイントロは余りにも80年代。イントロで狂ったようなシャウトがないのが不思議なくらい80年代である。Let It Roll同様3分に満たない短い曲の中にキャッチーなものを色々と詰め込んでいる。そしてぼくはそういう曲が好きなのだ。
The Last Fight、Gravedancerは激しい曲の流れを壊さぬ程度にスローな楽曲。The Last Fightは本人たちにとって自信のある曲のようだがどうだろう。素朴な中にメッセージを詰め込むのはこのバンドには珍しいのかもしれないが、ごく普通の曲とも言える。多分前作のFallen Piecesの方が好きという人が多いんじゃないだろうか。
最後にもう一曲についてだけ。最後のボーナストラックがとても良い。アットホームな雰囲気で奏でられるアコースティックがメインの楽曲で実にほのぼのとしている。こういう路線もいけるのかと驚きつつ、気に入ってしまった。もっとも、こういうのボーナスだから良いのであって、これでアルバムを作るとなったら確実に見放されるだろうけど。