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たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

GLAY/GLAY

GLAY(初回限定盤)(DVD+特典ステッカー付)

GLAY(初回限定盤)(DVD+特典ステッカー付)

GLAYの新作は個人的に大ヒットでした。もちろん、前作や前々作、ベストに収録された新曲群でも結構好きな曲はありました。しかし、曲単位はともかく、アルバム全体ではまとまりに欠けることが多いんですよね。今回は完璧。シキナの美しいイントロで一発で引き込まれてしまう。遥か…、Apologize、Precious、Satellite of loveといったストリングスが際立つ壮大な曲の中に汚れなきSEASONのダークさや、WASTED TIMEGLAYらしいポップさのある楽曲が際立つ。
TAKURO以外の手による楽曲も前作同様にしっかり1曲ずつ入ってる。TERU作曲の月の夜に、これは凄く面白い。ほのぼのとしたアコーディオンの音が印象的なポップナンバー。アコーディオンと絡むギターの音が凄く小気味良い。特に二番Aメロでのギターはいいね。HISASHI作曲の風にひとりは、バラードと思わせて実はアルバムの中で一番スピーディーなナンバー。ストリングスと絡み合う少し幻想的な雰囲気のせいもあるけど、サビでファルセット混じりに歌う部分が少しラルクっぽい。
JIROとTAKUROの共作であるClelsea。JIROは基本的にブレない。前作のAMERICAN INNOVATIONと同じ系統のカラリとしたポップナンバーでアルバムをしめてる。どちらかといえば、ウェットな印象の今作。Satellite of loveの美しい印象のままに終えても良かったんだろうけど、こういうバンド主体の楽曲で終わった方が次への期待みたいなものが見えていいと思う。
ミドルテンポの楽曲はどれも佳曲ばかり、甲乙つけがたい。学生時代の恋の思い出を歌った遥か…はシンプルなピアノバラード。「変わらないものはアルバムの2人だけ」というフレーズが頭に残る。Satellite of loveは曲が進むにつれて、どんどん盛り上がっていくドラマチックなバラード。季節感の違いはあれど、つづれ織りの盛り上がり方と共通するものがあると思う。
Apologizeの最初の印象は大人しいWay of Difference。間違いなく「ずっと ずっと」のフレーズが「会いたくて 会えなくて」によく似てるせい。ただ、最後のどんでん返しの展開にガツンとやられた。こういう予想外の転調には弱いなぁ、自分。
LAYLAのギターの代わりにピアノを入れたらPreciousになると思う。もっとも、歌詞から受ける印象まるで違う。まだまだやれると鼓舞してたLAYLAに対して、亡くなった妻の大切さをひたすらに歌う楽曲で、歌詞を見ながらだと泣ける。「眠れよ」の連呼からウィスパーボイスでの「人は馬鹿な生き物ね」のくだりが特に泣ける。
さて、色々書いてきたけど、僕が一番好きな曲は実はぶっちぎりで1曲目を飾るシキナだったりする。ピアノとストリングスの混じり合うイントロにギターが緩く入り、少し長めのサビが入ってくる構成。いや、もうこれだけで買った価値があったと思わせるくらい美しいですね、この構成は。メロ部分が固いアコギの音とスクラッチでリズミカルなのも特徴的。ケツメイシのさくらのサビをもう少しメロディー重視にしたらこんな感じじゃないかな。美しいのにリズミカル。この曲はGLAYの中でも一押しですね。
全体としてはミドルテンポの楽曲が多いくて、GLAYが得意とする武骨すぎるくらい武骨なロックナンバーに欠けてるのだけど、アルバム全体のまとまりがとても良い。個人的にはGLAYの中でもベストの一枚ですね。BELOVEDに並ぶ。