Daily "wow"

たまにしか更新しないのに文章長くてすみません。

劇場版The Assorted Horizons

BDが出るものなので、劇場版が公開されることは知っていても、見に行く予定はなかったのです。たまたま時間が空いたので、チケットを調べたところ、空きがあったので公開二日目に見てきた次第。
事前に告知されたThe Assorted Horizonの収録曲をほぼそのまま流すというもの(聖戦のイベリアの3曲だけは何故かカット)。もっとも流れたのはDisc1のみ。Disc2については、最後にボーナス代わりに紅蓮の弓矢を流すのみ。

先の紅蓮の弓矢を除けば、2010年の国王生誕祭の当夜祭、後夜祭と、昨年行われたRevo's Helloween Partyからの選曲。女性ボーカル陣については、メインを張る曲がある人ない人で差があるが、Roman以降に登場したボーカルについては概ね姿を見ることができる(Marchen勢だけは何名か欠けてしまっているが)。比べてみると、華やかなRoman〜Moira勢と安定したMarchen以降の歌姫の対比がくっきりと出ていて面白い。

ハロウィンと夜の物語がMCカットのためぶつ切りだったのは少々残念だった。とはいえ、星の綺麗な夜はその長さに全くぶれることなく歌い上げるRevoのボーカル力に驚かされる。もちろん物凄く上手くはないのだが、最後の絶唱は聞き手を揺さぶるものがある。朝までハロウィンは子役の可愛さが存分に発揮された。CDでは聞き取りづらい台詞が視覚化され、物語をつかみやすくなっている。ネタっぽい曲ではあるが、物語の内容が分かると少し切なく聞こえてくる。最後に現れるディアナが印象的。おやすみレニーでの木村花代の歌声は圧倒的である。結構な動きをしている割にほとんど歌がぶれることがない。夫妻のユーモアなやり取りと子を想うまっすぐな気持ちが伝わってくる。この三曲はライブ映像にかなりエフェクトをかけているのだが、初期に比べるとだいぶリアルなエフェクトになっている。舞台がリアルになってるせいもあるが、嵐のシーンなんかはかなりリアル。

キミが生まれてくる世界は水泡の演出に、Joelleの歌声が素晴らしかった。加えて、霜月はるかと遠藤麻里の台詞が意外なほどにはまっていた。この頃の楽曲については、まだまだリメイクの余地があるのではないかと思う次第。

StarDustについては、栗林みな実の伸びやかな歌声が素晴らしく、最近は彼女の持ち歌となっているが、少し古いファンだとKAORIのバージョンが懐かしく感じるのではないだろうか。
魔法使いサラバントではREMIと霜月はるか、エルの天秤では、MIKIとKAORIが好対照の素晴らしいボーカルを見せてくれるのだが、彼女らに負けないアクの強さを見せつけるJimangはやはりすごい。最近はあまりSHに関わらないが、次回作では是非ともまた出てほしい。

後半はMarchen、Moira、Romanの良いところ取りである。Marchenについては、イドへ至る森へ至るイドの三曲だったが、ここはせっかくなので昨年のこの狭い鳥籠の中で〜宵闇の唄を見たかった。もっとも初回演奏のイドへ至る森へ至るイドはアルバムコンサート以上に大きな演出だったので、収録するのは分からないのではないのだが。

Moiraは、回を追うごとに感情のこもり方がリアルになっていく死せる乙女その手には水月からスタート。続く奴隷達の英雄と死せる英雄達の戦いの盛り上がりは他の追随を許さない。死せる英雄達の戦いではレオンティウスの代わりとして、Jimang扮するジマンティウスがあろうことか、スコップを持って登場。この曲はとてつもなくかっこいいのだが、ジマンティウスを意識して、ややコメディチックになってしまっているのが残念なのだが、アルバムコンサートでは録音だった台詞パートがほぼ全て生の声になっているのが素晴らしい。最後にエレフセウスが壊れてしまったスコップを直しながら、「何がジマンティウスだ」と叫ぶのが印象的。まったくもってその通り。

2009年の国王生誕祭では11文字の伝言〜冬の伝言〜屋根裏の少女という形でイヴェールが登場したが、2010年はまた違う形を見せてくれた。11文字の伝言〜冬の伝言の流れは収録こそされていないものの、ほぼ同一だったが、そこから登場したのはRomanの中で唯一、不気味な暗さを放つ呪われし宝石。REMIによる久々のこの曲の演奏はやはり圧巻である。気が付けば、Romanから続投しているのはREMIだけになってしまった。続く焔も懐かしい曲だ。失われた子を悲しむ葬儀の風景をRIKKIとJimangが静かに再現する。冬に傾いたイヴェールに気が付くことなく歌い続ける演出が見る者に一層の悲しみを呼ぶ。溜めに溜めたところで、登場する朝と夜の物語はやはり盛り上がる。この曲については、やはり思い入れが少し違うように感じる。大塚明夫のナレーション含めて完全にオリジナルのキャストが総集合して歌う様に何とも言えぬ感動がこみ上げてくる。CDでは声優に担当してもらっていた台詞パートも全てボーカル陣による生声に変更。なんと素晴らしいのだろう!

昨年のHelloween Partyでは途中で足をつってしまったため、紅蓮の弓矢はトーク&ライブイベントのものを収録。映画では、特典ディスクの予告代わりにこの曲を最後に放送。やや粗めの映像ですが、この方が勢いがあって良いかもしれない。少々Revoが恰幅良い気がするけれど、ハンドマイクを持ってジャンプしたりといったSHとは異なる姿を見ることができる。

その後はサプライズなニュースをRevoらしい形で発表(近衛兵とRevoによるメールという形)。今秋、バンドをプロデュースという何とも意外なニュースを残して映画は終了。何となくバンドとと言いながら、Revo自身がボーカルを取ってそうな気もするのだけど、せっかくの10周年なのだから、本家の方も過去のコンテンツを売るのではなく、次なる物語で盛り上げてほしいというのが本音。